ココロの皮むき

産業カウンセラーが学んできたことを書くブログ

【SFA】中島みゆきの『瞬きもせず』は「例外探し」と「コンプリメント」の曲だった!?

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こんにちは。どいつよしです。
 
 
中島みゆきの曲に『瞬きもせず』というタイトルの曲があります。
 
 
先日、この曲がたまたまラジオから流れてきたのですが、その歌詞が素敵で思わず聞き入ってしまいました!
 
 
なぜ、聞き入ってしまったのか!? それは!?
 
 

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ソリューションフォーカストアプローチ(以下SFAと記載)の考え方に通じる内容だったから〜
 
 
 
!!!
 
 
 
ソリューションフォーカストアプローチってなに?
 
 
トローチの親戚?
 
 
って思われた方はこちらを読んでみてくださいね。
  



そうなんです、この曲の歌詞には、SFAの「眼の前の人の闇の部分を認めながらも光の部分を見ていこう」という考え方に通じるところが多いんです。

 
 
また、全体的にカウンセリングマインドが流れている作品だなという印象を受けました。
 
 

サビの部分がSFA!

その中でも特に僕が注目した部分がサビ前とサビの部分。
 
 
君を映す鏡の中 君を誉める歌はなくても
僕は誉める 君の知らぬ君についていくつでも
 
あのささやかな人生を良くは言わぬ人もあるだろう
あのささやかな人生を無駄となじる人もあるだろう
でも僕は誉める 君の知らぬ君についていくつでも

 

 
まさに「例外探し」と「コンプリメント」やないかー!
 
 
って思ったんですよね。
 
 
いかがでしょうか?そう思いませんか!?
 
 
僕の感動を共有してもらいたので、「例外探し」と「コンプリメント」に関して、簡単におさらいしましょう!
 
 

「例外探し」と「コンプリメント」についてのおさらい

SFAでは「例外はすべてのケースで存在する。」という考えのもと、クライエントが問題を抱えて生きてきた中に、その問題が起こっていない時や症状が見られない時、症状が比較的軽い時といった【例外】を粘り強く見出そうとしていきます。
 
 
また、なんとかこれまで問題に対処してきたことやできていることについて敬意を示し、コンプリメント(称賛・労い)を行います。
 
 
「例外探し」も「コンプリメント」もクライエント自身が気づいていないポジティブな部分に焦点を当てて、クラエントに気付いてもらうことで、クライエント自身で問題を解決していけるいとぐちになります。
 
 
なので、ひとつ見つけたら、もうひとつないか、またひとつないか、とできるだけたくさん出していくということをします。
 
 
・・・ということで、ざっとおさらいをしたところでもう一度サビの部分を見てみましょう。
 
 
君を映す鏡の中 君を誉める歌はなくても
僕は誉める 君の知らぬ君についていくつでも
 
あのささやかな人生を良くは言わぬ人もあるだろう
あのささやかな人生を無駄となじる人もあるだろう
でも僕は誉める 君の知らぬ君についていくつでも
 
 
ね、「例外探し」と「コンプリメント」になっているでしょ!?
 
 
いかがですか?僕の感動を共有していただけそうですか!? 笑
 
 

コンプリメントは普段の生活にも使える!

そして、コンプリメントは普段の生活においても使えます。
 
 
自分が意識せず自然にやっていることや当たり前だと思ってやっていることを、誉めてもらったり労ってもらったりすると嬉しかったという経験はありませんか。
 
 
誉め慣れていない人は、気恥ずかしかったということになるかもしれませんが、それでも後からじわじわと嬉しい気持ちがこみ上げてきたという経験はありませんか。
 
 
このように、人が元気になる・自己評価を高めるコンプリメントは、ぜひたくさんの人に知って使ってもらいたいなと思う技法です。
 
 
ちなみに、例外探しについて詳しくはこちらの記事を、
 

 
 
コンプリメントについて詳しくはこちらの記事を、

 



ぜひ、読んでみてくださいね!

 

終わりに

いかがでしたか?
 
 
今日は、中島みゆきの『瞬きもせず』の歌詞がSFAの考え方に通じる内容で、特に「例外探し」と「コンプリメント」にあてはまるところがサビになっているということをお伝えし、「例外探し」と「コンプリメント」についての簡単なおさらいをしました。
 
 
中島みゆきの『瞬きもせず』、ほんとにいい曲なのでぜひ聴いてみてもらいたいです。
 
 
YouTubeに歌がかなり上手な方がカバーされた動画がありましたので、それを載っけておきますね。
 
 
 
もし、中島みゆきの声のものが聴きたければ、AppleMusicStoreで購入可能です。
 
瞬きもせず

瞬きもせず

  • 中島みゆき
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 
 
では、今日は短いですがこのへんで。

ソリューションフォーカストアプローチっていったいなんなのさ?

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こんにちは。どいつよしです。


この「ココロの皮むきブログ」では、ソリューションフォーカストアプローチ(以下、SFAと記載)という言葉が頻繁に出てきます。


2017年から学び始めたカウンセリングアプローチで、その効果を実感していく中で、あちこちで「SFAはいいですよ〜」って言うようになりました。


でも、最近になって「そもそもSFAってなんなの?おいしいの?」って訊かれた時に、じょうずにSFAの魅力をお伝えできてないなぁと思うようになりました。


そこで、今回は、「SFAってなんなのか?」について、僕が学んで理解していることを書いていきますね。


あと、僕自身の復習も兼ねて。笑


では、いってみましょー!!
 

SFAのはじまり

SFAは、解決志向療法という意味です。1980年代にインスー・キム・バーグとスティーブ・ディ・シェイザーによって開発されました。


SFAの特長は解決志向であること

SFAの特長はなんといっても、問題志向ではなく解決志向だということです。
 
 
問題志向は、
 
  • なぜ、こうなったのか 
  • どこ(誰)がいけなかったのか 
  • どこを取り除けばいいのか 
  • どこを治さなくてはいけないのか 
 
という考え方。
 
 
原因探しがメインになります。 
 
 
それに対して解決志向は、原因探しはしません。
 
 
そのかわり、
 
  • 問題を解決した姿はどんな姿か?
  • そこへ向かうために何が必要か?
  • どんな行動が必要か?
  • 今すでにどんなリソース(資源)を持っているか?
 
を探していくのがメインになります。
 
 
クライエントは自分の生活の専門家である、という考えのもと、クライエントがすでにできているところを増幅していくだけなので、カウンセラーがクライエントの問題を解決することがありません。
 
 

傾聴は基本中の基本

SFAでも傾聴の姿勢は重要です。しっかり話を聴くということは必須です。
 
 
クライエントとの信頼関係を構築する役割はもちろんのこと、話をしっかり聴いていくことでリソース探しのヒントを見つけやすくなります
 
 
話を聴きながら、
 
 
・問題を抱えつつもここまで生きてきたクライエントに敬意を示し、
 
 
・クライエントが気づいていないだけで実はすでに解決している部分を探し(例外探し)、
 
 
・なんとかこれまで問題に対処してきたことを大事にし、
 
 
・クライエントの身近にいる人やモノからの支援を模索していきます。
 
 

リソースを探すための様々な質問とコンプリメント

SFAではクライエントがすでにもっているリソースを探すための様々な質問を使います。
 
 
それが、
ゴール作りの質問であり、

 

例外探しの質問であり、

 

関係性の質問であり、 

 

スケーリング・クエスチョンであり、

 

コーピング・クエスチョンであり、

 

ミラクル・クエスチョンです。
 



そして、クライエントのできているところを再認識してもらうためのコンプリメント(称賛・ねぎらい)を適時いれていくことで、元気づけをおこなっていきます。
 


疲れないカンセリングが可能

SFAの良いところは、カウンセラーもクライエントも疲れない・傷つかないというところです。
 
 
クライエントがすでにできているところ、ポジティブなところをどんどん広げていくことがメインなので、面接終了後にお互いグッタリということがなくなります。
 

技法は普段の生活でも使える

SFAの技法は、普段の生活の中でも使えるというところも利点です。
 
 
特に相手を認め元気にさせることができるコンプリメントは、対人関係を良好にすることにもつながるので、ぜひとも知って頂きたい技法です。
 
 

おわりに

いかがでしたでしょうか。
 
 
今回はSFAについて、ざっくりとですが、どんな良いものなのかを書きました。
 
 
これからも、学びを深めていく中でわかったこと、実践していく中で気づいたことをブログでシェアしていきますので、興味をもっていただけたら嬉しいです。
 
 

参考文献

解決のための面接技法[第4版]―ソリューション・フォーカストアプローチの手引き

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  • 作者: ピーター・ディヤング,インスー・キム・バーグ,桐田弘江,玉真慎子,住谷祐子
  • 出版社/メーカー: 金剛出版
  • 発売日: 2016/02/05
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解決のための面接技法―ソリューション・フォーカスト・アプローチの手引き

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  • 作者: ピーターディヤング,インスー・キムバーグ,桐田弘江,玉真慎子,住谷祐子
  • 出版社/メーカー: 金剛出版
  • 発売日: 2008/08/08
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SFAについてもっと詳しく知りたい人はこちらもオススメです。

 

SFAの開発者、インスー・キム・バーグによる、SFAの技法がみっちり詰まった一冊です。

 

最新の第4版は事例が増えて、とても濃い内容になっています。本はかなりデカイです。もはやこれは図鑑です。本を持ち歩く人はオススメしません。

 

本を持ち歩くことが多い人は、単行本サイズの第3版がオススメです。

 

ちなみに、僕は、第4版を持っています。本気なので(笑)。

 

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欠けているところとは、私がネガティブな感情を抱いて勝手にそう思っているところ!?

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こんにちは。どいつよしです。

 
 
前回は、欠けているところよりもできているところを見ていきましょう。という考え方について書きました。
 

 

 

その後に思い出してしまったんです。
 
 
私が「欠けているところ」だと思っているところは、他人にとってはそうではないこともある、ということを!
 
 

僕はネガティブ感情を抱き、松岡修造はポジティブ感情を抱く

例えば、僕が欠けているところとして認識していることに、「緊張しい(緊張しやすい人)」というのがあります。
 
 
心臓の鼓動が高まり、肩が凝り、お腹も痛くなるし、ひどい時には頭痛も起きるので、僕は緊張しいの自分が好きではありません。「緊張しいさえなければ、もっと自分らしく振る舞うことができるのに。」と思います。
 
 
緊張しいという事柄に「好きではない」「〜さえなければ、もっと・・・のに。」というネガティブな感情がくっついてきているというところも、欠けているところだとしてしまう要因ではないかと思います。
 
 
一方で、松岡修造さんのように、緊張しいであっても「緊張してきた!よっしゃー!」とポジティブな感情を抱く人もいます。そして、松岡さんは緊張する自分について欠けているところだと思っていません。
 
 
僕が欠けているところだと思っている「緊張しい」は、松岡さんにとってはそうではない。僕がネガティブな感情を抱いて勝手にそう思っているところであるといえます。
 
 
結局、「緊張しい」をどのように受け取ったかで、大きく違ってしまったということになりますね。
 
 
欠けているところができてしまうプロセスを整理すると、
 
 
①私に関係する事柄がある
②その事柄にネガティブな感情を抱く
③欠けているところとして認識する
 
 
ということになるだろうと考えます。
 
 
このことから、「どんな事柄に対してもネガティブな感情を抱かなければ、欠けているところはできない」となりますよね!?
 
 
でも、現実は心が傷ついたりすることで、ネガティブな感情を抱かざるを得なくて、欠けているところとして認識してしまうことが多いのではないかと思います。
 
 
そして、欠けているところについてのネガティブな感情をひきずってしまうので、それがずっと気になったり、なんとかしたいと強く思ったり、自分を責めたり、目を背けたくなったりするんですよね。
 
 
まぁ、僕もそうなってしまうひとりなのですが。汗
 
 

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ただ、先述したようなプロセスがあるということを知っていれば、不用意に欠けているところだと認識してしまうことが減ってくるのではないでしょうか。
 
 
また、心理学には欠けているところを肯定的に捉えていこうというものがあって、その考え方を知っておくと、幾分か気持ちが楽になると思いますので、シェアしますね。
 
 

欠けているところもその人にとって大切なもの

ゲシュタルト療法の創始者フリッツ・パールズは、「自分の中の欠落している部分を、人にはない個性として統合すると、全体の集合である人格が輝き出す」と考えていました。
 
 
実際にゲシュタルト療法では、クライエントの中にあるものは、すべてその人にとって大切なものとして扱っていきます。
 
 
今、その人がその人らしくあるのは、できているところも欠けているところもあるからだ、と考えます。
 
 
例えば、クライエントが自分のできているところ(A)と欠けているところ(B)について、「私にはAがあります。でも、Bもあるんです。」と話した時には、「私にはAがあります。そして、Bがあります。と言い直してみてください。」と促します。
 
 
また、エンプティ・チェアという技法を使って、できているところの私と、欠けているところの私の対話を促していくこともあります。
 
 
「対決」というように勝ち負けをつけることはしません。それは、両方ともがその人にとって大切なものだという考えからです。
 
 
そして、それぞれがお互いの声と気持ちを聴き合うことで、次第に全体の集合としての私へと統合していくことになります。
 
 

欠けているところも問題を解決する資源(リソース)

ブリーフセラピーの分野では、「クライエントが欠けていると思っているところも問題解決をする資源である」と考えます。
 
 
ブリーフセラピーを学ぶと必ず出てくるのがミルトン・エリクソン。ほんとにすごい人なのですが、そんな彼の有名なエピソードを紹介しましょう。
 
 
・ひどい歯並びに悩み、何度か自殺未遂をしたこともある女性が相談にきました。
 
・エリクソンは彼女の話を聞いて「そのすきっぱで何かできませんか?」と尋ねるのです。
 
・エリクソンは「まだ死ぬの早い、どうせ死のうと考えているのなら、死ぬ前にひとつお願いがあります。」と言って、すきっぱから水を飛ばす技を練習すること、3メートル飛ばせるように的も作って当てるようにすることを提示します。
 
・女性は不信感を持ちつつも、言われたとおり、会社の給湯室で練習をするようになります。
 
・そして、それをたまたまのぞいた男性社員があらわれ、その男性に水をかけてしまいます。
 
・そんなハプニングにめげずに練習を続けていると、今度は男性が水鉄砲で女性の顔を狙ってくるようになります。
 
・そして、お互いの親交が深まり、最終的に結婚しました。

 

死にたいほどの欠けているところだった歯並びさえも使ってエリクソンは女性を支援しました。その結果、歯並びは変わらないけれど、彼女は死にたいと思わなくなったということです。
 
 
ちなみに、ブリーフセラピーは解決志向アプローチをとりますが、この解決というのは、欠けているところをきれいさっぱりなくした状態ということではなく、欠けているところを抱えながらも、今以上に生き生きと自律的に生きていける状態になることを意味するのだそうです。
 
 

まとめ

いかがでしたか?
 
 
今回は、
 
 
①欠けているところというのは、受け取り方次第で欠けているところとなるのかならないのか違ってくるということ。
 
 
②現実には欠けているところをゼロにするのは難しいが、欠けているところを認識してしまうプロセスを知っておくことで軽減させることはできるのではないかということ。
 
 
③ゲシュタルト療法やブリーフセラピーでは、欠けているところもその人にとっては大切なものであると考えるということ。
 
 
を書きました。
 
 
僕と同じように欠けているところが気になってしまう人にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。
 
 

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あわせて読んでみてください 



www.kokoronokawamuki.com

欠けているところよりできているところを見るためにやってはいけないこととは!?

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こんにちは。どいつよしです。
 
 
この記事のトップの画像にはふたつのドーナツを持ってきました。
 
ひとつは完璧なドーナツ。もうひとつは欠けているドーナツ。
 
 
なんで、ストロベリーやねん!
わしはプレーンがええねん!
 
 
という方もいらっしゃるかと思いますが、この記事で大事なのは味ではなくドーナツの形なのでご勘弁を。
 
 
さて、どちらのドーナツが気になりますか?
 
 
少しだけ読むのをストップして考えてみてください。
 
 
 

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おそらくほとんどの人が欠けている右側のドーナツが気になると言うと思います。
 
 

なぜ欠けているドーナツが気になるの?

それは、人間の脳みそはネガティブなことを考えることが得意だから。
 
 
欠けているところがあればそちらが気になってしまうのは仕方のないことなのだそうです。
 
 
また、欠けているところを補いたいという思いも働くので、欠けているところがより気になるということもあるそうです。
 
 
「隣の芝生は青い」とか「減点主義」というように、他人や自分の過去などに対して欠けているところに焦点があたってしまうのも、それが原因だということです。
 
 
いったん欠けているところが気になってしまい、そのままにしておくと、欠けているところ探しがどんどん進んでいってしまうので、心理学では欠けているところよりもできているところを意識して見ていこうとすることが大事だと学びます。
 
 
ちなみに、完璧主義だった僕の父親は、左側の完璧な形のドーナツが気になると言っていました。笑 
 
 
こういう人も少なからずいるということもあわせてお伝えしておきます。
 
 

欠けているところがどうしても気になってしまう僕

さて、僕もこの「この欠けているところよりもできているところを見る」ということは、10年前に学んで知っていました。
 
 
でも、実は最近まで、実践しているけれどなかなか効果が上がらないということが続いていました。
 
 
以前、ブログで紹介した『1日5分 「よい習慣」を無理なく身につける できたことノート』を使って、できているところに焦点をあてることは習慣づきましたが、根本的には欠けているところが気になってしまうことが続いていました。
 
 
ソリューションフォーカストアプローチやキャリアコンサルティングといった、できているところを見ていこうとする手法も学んでいますが、僕自身に対してはなかなか思うようにならない。
 
 
いよいよ困ってしまったので、産業カウンセラーの先輩に相談してみることにしました。
 
 
そして、僕の話を聴いた先輩カウンセラーが、欠けているところが気になってしまう原因を教えてくれました。
 
 
それは、僕が普段から特に意識することなくやってきていることでした。
 
 
先輩カウンセラーが教えてくれた、僕の行動とは?
 
 
 

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「できているところを言ったあとに、【けれど】や【でも】という否定の接続詞をつけて、欠けているところを言ってしまっている」
 
 
ということ。
 
 
なんと!僕が普段使っている言葉の言い回しに原因があるということなんです!
 
 
「先に言ったことを否定する接続詞がいつもついてくるよね。」と先輩。
 
 
例えば、
 
 
「できているところを見るようにしているんですけど、欠けているところばかりが思い出されてしまうんです。」
 
「できたことノートでしっかり習慣づいたんです。でも、欠けているところが頭をもたげてくるんです。」
 
 
というような言い方です。
 
 
この言い方のまずいところは、先輩の指摘にあるように、「できているところを言った後に、それを否定する接続詞がくっついてきて、欠けているところを言っている」ということ。
 
 
できているところを否定してしまうので、欠けているところが強く残っていってしまうということなのです。
 
 
恥ずかしながら先輩にそのように言ってもらえるまで、気付くことなく生きてきてしまいました。
 
 
物心ついた時からこの言い方をしていて、思考のクセもこのようなかたちになっていたことが、自己肯定感が低いので必要以上に頑張ってしまったり、過去を肯定しづらかったりという、僕が課題だと感じているところに影響を及ぼしてきたのではないかと思います。
 
 

できているところが残っていくようにするためには?

では、どのようにして改善していけばいいのか。
 
 
先輩のアドバイスはシンプルで「欠けているところとできているところを入れ替えて言うようにする」ということ。
 
 
「欠けているところ+否定の接続詞+できているところ」の形に変えていくということです。
 
 
先ほどの例を用いると
 
 
「欠けているところを思い出すこともあるけれど、できているところを見るようにしています
 
「欠けているところが頭をもたげてくることがあります。でも、できたことノートでできているところを見ることが習慣づきました。
 
 
という感じですね。
 
 
できているところを強く残していくようにすることを意識していくことが必要ですね。
 
 
長年慣れ親しんだ言い方と思考のクセを直していくのは一朝一夕ではできないですが、自分が変化していく姿をイメージして前向きに取り組んでいきたいと思います。
 
 

まとめ

欠けているところよりできているところを見るためにやってはいけないこと、
 
 
それは、
 
 
「できているところを言った後に、それを否定する接続詞をつなげて、欠けているところを言う」
 
 
という言葉のつなぎ方と思考のクセです。欠けているところが強く残っていってしまうことになります。
 
 
その修正方法としては、
 
 
「欠けているところを言った後に、それを否定する接続詞をつなげて、できているところを言う」
 
 
ようにすることです。
 
 
そして、それを意識しなくても自然にできるようになることを目指します。
 
 

参考文献

1日5分 「よい習慣」を無理なく身につける できたことノート

1日5分 「よい習慣」を無理なく身につける できたことノート

  • 作者: 永谷研一
  • 出版社/メーカー: クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
  • 発売日: 2016/06/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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できていることを見ることを促してくれるコツが書かれてあります。

小さい成功を活用して、成功体験を増やしていくことや、大きい成功を掴むことへつなげていくことも書かれています。

まずは気軽に本に書かれていることを参考にして、「できたこと」をノートに書いていくことから始めてみられてはいかがでしょうか。

 
 

カウンセリングを受けてみたいなら

僕は、カウンセリングは心の健康維持のために受けてもいいと考えています。
 
「こんなこと相談していいのだろうか」と思われることだったとしても、ご本人にとってはなんとかしたいものであることに変わりはありません。
 
ひとりで悩んで体調を悪くする前に、一度、カウンセリングルームに足を運んでみられてはいかがでしょうか。
 
僕の先輩カウンセラーがいる場所のリンクを貼っておきますね。
 
 

あわせて読んでみてください 

 

 

普段の人間関係にも使える!コンプリメント(ほめる・ねぎらう)の効果を最大にするためにできることとは?

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こんにちは、どいつよしです。
 
 
今読んでいる本のひとつに『林恭弘著 誰といても疲れない自分になる本』があります。
 
 
林先生は僕が日本メンタルヘルス協会で心理学を教わった先生のひとりで、現在はビジネス心理コンサルティング株式会社の代表取締役をされていらっしゃいます。
 
 
この本には、人間関係で疲れてしまいがちな人に向けて、疲れるメカニズムと苦手な人間関係から解放され、ラクになる考え方や接し方のコツが紹介されています。
 
 
そして、その中に、僕が学んでいる心理療法のひとつ、ソリューション・フォーカスト・アプローチ(以下SFAと記載)の土台と言われるほど大事な技法、「コンプリメント」に通じる内容を発見しました!
 
 
その内容は、コンプリメントを実践していくにあたり、その効果を最大限にアップさせることができるヒントになるのではないかと思えるものでした。今日は、それをシェアしていきたいと思います。
 
 

コンプリメントのおさらい

本題に入る前に少しだけコンプリメントについておさらいをします。
 
 
コンプリメントには、ほめる・ねぎらうという意味があり、相手が元気になる言葉ややる気になる言葉をかけることです。
 
 
そして、自己評価を高めることを促します。また、相手の存在を肯定することにもなり、よい関係性をつくることに繋がります。
 
 
さらに、コンプリメントはカウンセリングの時だけでなく、普段の人間関係を良好にすることもできるので、知っておくととても役に立つ技法です。
 
 
もっと詳しくコンプリメントについて知りたい方は、こちらの記事もご覧くださいね。
 
 

 
 

最高のほめ言葉を伝える達人の話

さて、ここからが本題です。
 
 
『誰といても疲れない自分になる本』で【本音で付き合える「いい空気」のつくり方】として、「ほめる」ことが取り上げられていました。
 
 
「ほめる」といえばコンプリメントですよね。コンプリメントといえばSFA。SFAを学んでいるといえばどいつよし。笑
 
 
「ほめる」は、SFAを学んでいる僕にとって見て見ぬふりのできないワードでもありますので、一文字たりとも見逃さないという気合いで読みました。
 
 
そして、最高のほめ言葉を言う人として映画監督の山田洋次さんが紹介されていたのですが、監督が演技指導で大切にされていることが、まさしくコンプリメントを実践していくにあたってすごく重要なものでした。
 
 
山田洋次監督が大切にされていること、
 
 
それは?
 
 
 

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「どこでほめようか、いつも考えている」
 
 
ということ。
 
 
出演者に厳しい要求を出す中でも、「この俳優はどこがすばらしいのか」「あの女優は、どの表情が一番きれいに映るのか」「どのように自分が関われば、さらにすばらしさを引き出すことができるのか」を常に考えているということでした。
 
 
眼の前の人をよく観察し、自分が感じていることにもしっかり目を向け、どのタイミングでどういう言葉でもって伝えると相手を最高に光らせることができるのか、というプロセスを経ての「ほめ」は、きっと、ほめられた側の心にそれはそれは強く響くものになるのではないかと想像します。
 
 
林先生は、山田監督が伝える最高のほめ言葉について「心の込もったひと言である」と表現されていますが、これもコンプリメントにあてはまります。
 
 
コンプリメントをする時に大切なのは、心が込もっていること自分の心に感じたことを伝えることです。そして、伝えた言葉が相手の心に響くものかどうかで、その効果が大きく変わってきます。
 
 
ですので、山田監督のような姿勢でコンプリメントができるようになれば、最高のコンプリメントができるようになる。そうなれば、コンプリメントの効果も最大限まで引き上げることができるのではないかと、僕は考えました。(それがこの記事のタイトルにつながります)
 
 

最高のコンプリメントができるようになるには?

山田洋次監督のような姿勢でコンプリメントができるようになるには、どうすればいいのでしょうか。
 
 
やはり、「どこでコンプリメントしようか、いつも考える」ことを習慣づけることかと思います。
 
 
そこで、山田監督を参考に、「どこでコンプリメントしようか、いつも考える」ということを習慣づけていくにあたり、意識していきたいことをまとめてみました。
 
 
・相手のどこがすばらしいのか
・相手のどこに自分の心が動かされたのか
・どのように自分が関われば、さらにすばらしさを引き出すことができるのか

 

 
まずは、これを日常生活レベルで、普段の人間関係の中でやってみるようにします。そして、それにプラスして考えた内容を実際に伝えていくところまでやってみるようにします。
 
 
やっぱり実際に伝えてみてわかることも多いですからね。
 
 
はじめは、なかなかうまく言えなかったり、タイミングがズレたりすることがあると思われます。でも、続けていくことで、きっと絶妙なタイミングで相手の心に響くコンプリメントができるようになっていくのではないかと思います。
 
 
SFAの先輩は、コンプリメントを習慣づけるために、職場の机の上のいつも目に見える場所に【コンプリメント】と書いたメモを貼っていたそうです。そのようにしてメモに【どこでコンプリメントしようか、いつも考える】と書いて貼っておくのもよいですね。
 
 
普段の人間関係では、中長期的に相手のことを観察できるので、「どこでコンプリメントしようか、いつも考える」ことを実践しやすいですが、カウンセリングは、一期一会で終わる場合もあるので、すぐにそれを実践するのは難しそうです。
 
 
だからこそ、短い時間の中でも効果的なコンプリメントができるように、日常生活においての実践が欠かせませんね。
 
 
また、林先生は、「ほめるにしても、叱るにしても、相手に対しての尊重と愛情、未来への期待がなければ、どのような言葉をかけようが無意味ー<中略>ー「どこでほめようか、いつも考える」ことは、尊重と愛情、未来への期待の表れ」と述べられています。
 
 
この言葉もコンプリメントを実践していくにあたって大切なものなので、頭に入れておきたいです。(忘れたらまたここを見返します)
 
 

謙遜の壁を超えていけ!

あと、コンプリメントを実践し始めると必ずぶつかるのが、【謙遜の壁】。
 
 
コンプリメントをした時に、相手から「ぜんぜん、私なんてたいしたことないですよ。」というような謙遜する言葉が返ってきて、その返答に困るというパターン。
 
 
僕もよく経験します。
 
 
そんな時は、「そうなんだね。ただ、私はそう感じたんだ。」と言って終わりにすれば大丈夫です。
 
 

おわりに

いかがでしたか?
 
 
今日は、「コンプリメント(ほめる・ねぎらう)の効果を最大にするためにできることとは?」ということで、映画監督の山田洋次監督のお話しを参考にして書きました。
 
 
「どこでコンプリメントをしようか、いつも考える」ことを習慣にして、他人に対してだけでなく自分に対しても、最高のコンプリメントができるようにしていきたいところ。
 
 
まずは、
 
・相手のどこがすばらしいのか
・相手のどこに自分の心が動かされたのか
・どのように自分が関われば、さらにすばらしさを引き出すことができるのか

 

を意識するようにして、生活していってみようと思います。
 
 
コンプリメントは、カウンセリングだけでなく普段の人間関係を良くすることにも役に立ちますので、興味をもたれましたらぜひトライしてみてくださいね。
 
 
なお、冒頭のイラストは  イラストレーター しのみさんによる「イラストAC」からのイラストです。コンプリメントで人間関係がとても良くなったことのイメージにふさわしいと思って使わせていただきました。
 

参考文献

誰といても疲れない自分になる本

誰といても疲れない自分になる本

 

↑↑ ビジネス心理コンサルティング株式会社の代表取締役をされている林恭弘先生の本。

 
 
この本には、人間関係で疲れてしまいがちな人に向けて、疲れるメカニズムと苦手な人間関係から解放され、ラクになる考え方や接し方のコツが紹介されています。
 
 
心理学にあまり馴染みがない人にもわかりやすいように、専門用語は少なめに、事例は多めに書かれているという点でもオススメの一冊です。 
 
 

 

解決のための面接技法[第4版]―ソリューション・フォーカストアプローチの手引き

解決のための面接技法[第4版]―ソリューション・フォーカストアプローチの手引き

  • 作者: ピーター・ディヤング,インスー・キム・バーグ,桐田弘江,玉真慎子,住谷祐子
  • 出版社/メーカー: 金剛出版
  • 発売日: 2016/02/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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解決のための面接技法―ソリューション・フォーカスト・アプローチの手引き

解決のための面接技法―ソリューション・フォーカスト・アプローチの手引き

  • 作者: ピーターディヤング,インスー・キムバーグ,桐田弘江,玉真慎子,住谷祐子
  • 出版社/メーカー: 金剛出版
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コンプリメントについて専門的に学んでみたい人、SFAについてもっと詳しく知りたい人はこちらがオススメです。

 

SFAの開発者、インスー・キム・バーグによる、SFAの技法がみっちり詰まった一冊です。

 

最新の第4版は事例が増えて、とても濃い内容になっています。本はかなりデカイです。もはやこれは図鑑です。本を持ち歩く人はオススメしません。

 

本を持ち歩くことが多い人は、単行本サイズの第3版がオススメです。

 

ちなみに、僕は、第4版を持っています。本気なので(笑)。

 

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SFAの学びの記録

2017年から学びはじめたSFAについて、学んだことを記事にして残しています。
 
 
SFAの技法は普段の人間関係に役立てることができるものが多いので、ぜひ、合わせて読んでみてくださいね。

自分にとって心地よいことをするとココロとカラダが健康になるって知ってますか!?

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こんにちは。どいつよしです。
 
 
先日、書店でこんな雑誌を見つけました。
 
 

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『&Premium(アンドプレミアム)』という、オシャンティな生活情報雑誌です。
 
 

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ね、いい感じでしょ!?
 
 
さてさて、この『&Premium6月号』の特集は、なんと!
 
 
 
ジャジャーン!
 
 
 
「心地よく暮らす人が習慣にしていること」。
 
 
 
なんだか、心の健康にとても関係しそうなニオイがプンプンしますよね。
 
 
冒頭部分を読んでみたところ、、、
 
 
「人は習慣によってつくられる」とアリストテレスは言葉を残し、「人の違いが生じるのはそれぞれの習慣によってである」と孔子は説いたそうです。
 
多くの先人たちが「人は習慣によって、なりたい自分になれる」と教えてきました。
 
例えば、節制している人は節度のある人になり、笑顔を心がけている人は機嫌のいい人になると。
 
言い換えれば、人は習慣によって、整った暮らしができるようになったり、気分のいい日々を送ったりできるということでもあるのではないでしょうか。
 
心地のよい暮らしをしたければ、毎日何かひとつ、丁寧にやってみるとか、心が整うことをしてみるとか、習慣にしていくことから始めるのがいいかと思うのです・・・。

 

 

やっぱり!

 
ここにある「毎日何かひとつ、丁寧にやってみるとか、心が整うことをしてみる」という部分は、心理学的にも心が健康になると言われていることなんですよね。
 
 

なぜ心が健康になるのか?〜心理学の視点より

心理学のひとつ、対人関係療法の水島広子先生がストレスがたまる原因のひとつとして挙げているのが、「人生全体を、やらされている感や身動きがとれない感とともに過ごしてしまうこと」
 
 
私達が日常生活を送っていく中では、なんでもかんでも思い通りにはならないし、自由になる時間がほとんどなくて身動きが取れないこともあります。
 
 
そのような物理的な不自由さや身動きの取れなさでストレスがたまり続ける状況ができてしまうのです。
 
 
ストレスがたまり続けると、心と体の健康に悪い影響が出てきますよね。
 
 
では、物理的な不自由さや身動きの取れなさでストレスがたまり続ける状況から抜け出すにはどうすればいいのか!?
 
 
それは、
 
 

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主体性を取り戻すこと。
 
 
主体性を取り戻すには、「私は、自分の意思でこうしている」と思えることを、なんでもいいのでやってみることが良いとのこと。
 
 
そして、「私は、自分の意思でこうしている」と思えるために、自分にとって心地よいことをすること、すなわち「毎日何かひとつ、丁寧にやってみるとか、心が整うことをしてみる」ことが良いということなんですね。
 
 
例えば、自分だけのためにおいしいお茶をいれて味わって飲んでみたり、一本だけでも花を買って飾ってみたり。
 
 
ほんとに余裕がないと感じるときには、脱いだ靴を揃えるだけでも効果があるのだそうです。
 
 
その理由は、靴をきちんと揃え直すことが「人生を自分でコントロールしている」という感覚を取り戻す第一歩になるのと、そのようなちょっとした余裕を自らの意思で持てるようになることが、日々を楽しむ大きな力にもなるから。
 
 
たしかに、脱ぎ散らかった靴を見ると視覚的にも「私には時間も余裕もない!」という印象を受けてしまいますので、余計にストレスがたまりそうです。
 
 
一方で、靴を揃えるだけならほんの数秒でできますし、それで主体性を取り戻すことができるのなら、こんなにお得なことはありませんよね。
 
 

なぜ心が健康になるのか?〜禅の視点より

主体性を取り戻すというのは、心理学との関わりの深い禅の世界でも大切にされていることのようです。
 
 
禅には「汝は一二時に使われ、老僧は一二時を使い得たり」という言葉があります。
 
 
これは、おまえは時間に使われているが、私は時間を使い切っているぞ、という意味で、時間を主体的に使うことの大切さをいっています。
 
 
曹洞宗徳雄山建功寺住職の枡野俊明さんは、主体性を取り戻す方法として、朝を大事にしたり、夜を心静かに過ごすことを提案されています。
 
 
朝は、毎日一定の早い時間に起きる→窓を開けて新鮮な空気を取り込む→深呼吸をしながら季節を感じたり自然の音を聴く→ゆっくり朝食を取る→丁寧に淹れたコーヒーを味わう、といった過ごし方をすることにより「今日も一日がんばろう!」といった意欲や活力がわいてくるとのこと。
 
 
夜は、テレビやインターネット等からの情報を遮断し、自分にとって心地よいこと、リラックスできることをして心静かに過ごす。心地よいことをすることで、自然に心は静かに穏やかになり、「夜坐」という夜の坐禅に近い効果が得られるとのこと。睡眠の質も向上するとのことです。
 
 

雑誌を参考に心地よいことをやってみよう 

ここまで、「自分にとって心地よいことをすること」が心理学や禅の分野でも良いとされていることを書いてきました。
 
 
さて、冒頭に紹介した『&Premium6月号』にはいろんな分野で活躍している人々の、「自分にとって心地よいこと」の習慣がたくさん紹介されています。
 
 
一例を挙げると、
 
 
・その日の気分や体調に合わせて調合したハーブティーを持ち歩く
・寝る前にスプーン一杯のハチミツを食べる
・満月の夜に月の写真を撮る
・出かける前に靴を磨く
・帰宅前にカフェに寄って日記を書く
・・・などなど

 

その他にも、向田邦子さんや沢村貞子さんといった著名な人たちのも含めて、たくさん紹介されています。
 
 
Amazonで購入できますので、興味があればポチッとしてみてくださいね。
 
 
 

はじめはつまみ食い程度にやってみる

今日は、たまたま見つけた『&Premium(アンドプレミアム)6月号』で特集されてあった「自分にとって心地よいことをすること」について、心理学と禅の視点からも心と体の健康に良いとされていることを書きました。
 
 
日々のストレスを緩和し、主体性をもって生活ができるように、まずは興味のあるものや、できそうなものを生活の一部に取り入れてみることからやってみるといいかもしれませんね。
 
 
そして、ひとつ気を付けておいたほうが良いのは、はじめから習慣にしなければいけないとストイックになってしまうこと
 
 
やらなければならないと思い詰めてしまったり、できないと自分を責めてしまったりして、逆にストレスを増やしてしまうと意味がありませんよね。
 
 
精神科医の星野概念先生がこの雑誌で言っているように、はじめから習慣づけようとするのではなく、自分に合わなければやめてもOKくらいのゆるい感じではじめてみるのがオススメです。つまみ食いのようなイメージですね。
 
 
ちなみに僕は、「帰ってきたら靴にブラシをかけて揃える」というのをゆるく続けています。靴にブラシをかけているほんの1,2分だけでも、気持ちがリフレッシュされていい感じですよ。
 
 

あわせて読んでほしい記事

 

 

『今日が人生最後の日だと思って生きる』は人によっては逆効果になる!?

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こんにちは。どいつよしです。
 
 
「今日が人生最後の日だと思って生きなさい」という言葉、よく耳にしますよね。
 
 
あのAppleの創始者、スティーブ・ジョブズも「今日が人生の最後の日だとしたら、あなたはどう生きますか?」という言葉を有名なスピーチで述べられています。
 
 

私は17歳のときに「毎日をそれが人生最後の一日だと思って生きれば、その通りになる」という言葉にどこかで出合ったのです。それは印象に残る言葉で、その日を境に33年間、私は毎朝、鏡に映る自分に問いかけるようにしているのです。「もし今日が最後の日だとしても、今からやろうとしていたことをするだろうか」と。「違う」という答えが何日も続くようなら、ちょっと生き方を見直せということです。

 自分はまもなく死ぬという認識が、重大な決断を下すときに一番役立つのです。なぜなら、永遠の希望やプライド、失敗する不安…これらはほとんどすべて、死の前には何の意味もなさなくなるからです。本当に大切なことしか残らない。自分は死ぬのだと思い出すことが、敗北する不安にとらわれない最良の方法です。我々はみんな最初から裸です。自分の心に従わない理由はないのです・・・

「ハングリーであれ。愚か者であれ」 ジョブズ氏スピーチ全訳 :日本経済新聞

 
 
『今日が人生最後の日だと思って生きる』ことは自己啓発本にもよく登場します。
 
 
でもね、この言葉、使う人によっては逆効果になることがあることがわかったんです。
 
 
そのことについて今日は書きますね。
 
 

今日が人生最後の日だと思って生きる効果とは?

まず、なぜ今日が人生最後の日だと思って生きることが良いと言われるのでしょうか?
 
 
その理由はひとつではないようなのですが、僕が調べてみた限りだと。。。
 
 
・自分の本当にやりたいことが明確になる 
・時間を有効活用するようになる 
・自分で限界を決めて諦めることがなくなる 
・最大の成果が出せるようになる 
・後悔のない人生を歩めるようになる 
・気持ちが前向きになる 
・だらしない生活にサヨナラができる 
・人に優しくなれる 
・大切な人に感謝の言葉を言える

 

 
などがありました。
 
 
たしかに、これだけ見るとやってみる価値はありそうな気がしますよね。ジョブズをはじめ、実践者には成功している人が多いというところも魅力的に感じます。
 
 
では、どうして僕がこの「今日が人生の最後の日だとしたら・・・」について、逆効果になることがあるとわかったのか!?
 
 
それは、、、
 
 

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僕自身がそうだったから〜。笑
 
 

自分に厳しい人にとっては逆効果!?

あれは心理学を学び始めた頃でした。その時の僕は、自分自身にとても厳しい人でした。(今もまだ厳しいのですが^^;)
 
 
ある心理学のセミナーでこの言葉を教わった時に、その先生がとても魅力的な方だったのでモデリングしようと思い、実践してみたんです。
 
 
実践した結果どうなったか? 
 
 
できない自分を責めるようになってしまったのです。
 
 
そもそも、自分にとても厳しい人は、普段から自分自身にものすごいプレッシャーをかけて過ごしています。
 
 
頑張れ!頑張れ!もっと頑張れ!ってね。
 
 
それはもう、病気になるくらい。。。
 

 

 
 
僕はギリギリのところでしたが、自分にプレッシャーを与えすぎた結果、精神疾患に陥ってしまう人もいます。
 
 
このように自分に厳しい人は、普段からすでに身を削って「今日の人生が最後の日だとしたら・・・」くらいのことはやっているわけなんです。
 
 
ただ、本人はそれに気づいていない。むしろ、まだまだ足りないと思っていることが多かったりします。
 
 
それで、そこに「今日が人生が最後の日だとしたら・・・」というプレッシャーがやってくるとどうなるでしょうか。
 
 
コップ満タンの水にさらに水を注ぐと溢れてしまうように、できないことがダバダバと増えていってしまいます。
 

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でも、自分に厳しい人はそれが許せません。できない自分を責めます。
 
 
「なんでお前はできないんだよ!」とか、「今日をもったいなく過ごしてしまった!バカバカバカー!」ってね。
 
 
本当はできなかったものよりも、できていることの方がはるかに多いんですよ。
 
 
でも、できていることを認めて、「できなかったこともあるけど、今日もこれだけやったんだ。凄いじゃないか。上等、上等。」とは、なかなかなりません。
 
 
"「今日が人生最後の日」だと思って過ごせなかった"というところばかりに焦点が合ってしまい、自分を責めます。
 
 
これが数日続くともう地獄です。ほんとに僕がそれでした。
 
 
僕はなんとか「今日は人生最後の日だと思って過ごせた」という日を作りたかったので、ToDoリストを作成して、その日に達成したいことを管理しようとしていたのですが、増えはするものの、なかなか減らない。
 
 
人間は機械ではないですからね。常時100%の稼働率で動くことは不可能です。
 
 
今、こうやって冷静に振り返ると、「ほんま無理なことやってたなぁ」と思えるのですが、当時はそのように思うことができず、予定していたように動けない自分を責める日々が続いてしまいました。
 
 

できたことノートとの出会いとカウンセリング

そんな地獄の日々から抜け出すきっかけは「できたことノート」に出会ったことと、先輩カウンセラーのカウンセリングを受けたことでした。
 
 
まず、「できたことノート」の説明をしますね。
 
 
一冊のノートを用意し、できたことだけを書いていきます。
 
 
以上。笑
 
 
慣れてくると、できたことから次の行動を起こせるように深めていくのですが、はじめはシンプルにできたことを書いていきました。
 
 
できたことノートをつけていくと、最低限やらないといけないことや、締切りがあるものは当然できているし、それ以外でもできていることがいっぱいあることに気づくわけです。
 
 
そういった気付きも一緒にメモしていきます。
 
 
そして、毎日ノートをつけていくうちに、「これだけのことやってたら、時間がなくなって当然」とか「こんなにできていることがあったら、もうじゅうぶんなんじゃない?」と思えるようになっていきました。
 
 
そして、先輩カウンセラーのカウンセリングを受けたことも効果がありました。
 
 
カウンセリングの中で、付箋一枚一枚に、自分が一日でやっていること、やりたいこと、心がけていることを色を分けて書き、それをA3の用紙に貼っていくワークをしました。
 
 
付箋がA3用紙にびっしり貼られているのを見て、一日の限られた時間の中でたくさんのことをやっているのかや、やろうとしているのかが客観的にわかり、「これはすごいわ・・・」と我ながら驚くと同時に、これを毎日続けるのは到底ムリ!と納得することもできました。
 
 
そして、それを毎日やろうとしていた自分に向けて「ほんまに毎日よく頑張ってるわ」とねぎらいの言葉をかけてあげたくなりました。
 
 
できたことノートとカウンセリングで「今日が人生最後の日だと思わなくても、じゅうぶんやれている。」と思えるようになっていきました。
 
 

今日が人生最後の日だなんて思わない!

何度も言いますが、自分に厳しい人は、普段から、もうじゅうぶん頑張ってきています。
 
 
普段からじゅうぶん頑張っている人は、今までどおりでいいんだと思います。
 
 
普段から普通にできているということほど、実は他の人からしてみると「凄い!」ってなることが多いですしね。
 
 
なので僕は、自分に厳しい人は、「今日が人生最後の日」って思わない方が良い!そっちの方がよっぽど健康的にいられると思っています。
 
 
その代わり、毎日こういう言葉を使って、自分をいたわってあげてほしいですね。これは僕自身にも言えることですが。^^;
 
 
「毎日が人生最後の日になるくらい頑張ってるよね。ほんとにお疲れ様。今日はゆっくり休もうね。」ってね。
 
 
先述したできたことノートと併用して、自分をいたわる時間をほんの数分でもつと、自分のできていないことばかりに焦点が合うようにはならないし、過剰に自分を責めることもなくなるのではないかと思います。
 
 
ちなみに、できたことノートのつけかたや活用方法については、この本がオススメです。
 
 
Amazonで販売してますので、ぜひ、ポチッとしてみてくださいね。

 

1日5分 「よい習慣」を無理なく身につける できたことノート

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また、「できたことノートを使ってもやっぱり自分を責めてしまう」とか、自分をいたわる余裕もないくらい精神的にとても辛いという場合には、カウンセリングを受けてみることをオススメします。
 
 
こちらに、僕の知っている先輩カウンセラーが活躍しているところを紹介しておきますね。
 
 
 

メンタルヘルスのプロの助けを得ることで、自分ひとりではどうしようもなかった苦しみから解放されるきっかけが得られる思います。
 
 
 
 

他の人のブログの紹介

「今日が人生の最後の日だとしたら、あなたはどう生きますか?」を実践してみたくなる理由と効果について書かれたおもしろい記事も発見しましたので、お時間あればこちらも見てみてくださいね。

 

ジョブズもやってた「今日が人生最後の日」と仮定したくなる理由と効果 | 知識から意識へ~幸せへの近道~|活学ナビゲーション

 

 

あわせて読んでほしい記事

『おしっこちょっぴりもれたろう』には対人関係を良くするヒントが書かれてある!?

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こんにちは。どいつよしです。

 

僕が大好きな絵本『おしっこちょっぴりもれたろう』。
 

第11回MOE絵本屋さん大賞2018において、並み居る素晴らしい絵本たちを抑えて輝く第1位となった、今もっとも世間から注目を浴びている絵本です。
 
 
今回は、この『おしっこちょっぴりもれたろう』を読んで、僕が気づいたことをシェアしますね!
 
 

『おしっこちょっぴりもれたろう』とは!?

この絵本の主人公はタイトルにある通り、ちょっぴりもれたろうくん。
 
 
彼には、いつも用を足す前か後にパンツにおしっこをちょっぴりもらしてしまうという習慣があり、それによって母親からいつも怒られています。
 
 
そんな彼がズボンをはいたら、パンツにおしっこがちょっぴりもれていることがわからなくなる、ということに気づきます。
 
 
自分と同じように、外からはわからないけれど、実はパンツにおしっこがちょっぴりもれている人がいるのではないか、という仮設を立てて、もれたろうくんは街に繰り出していきます。物語はこんな感じではじまります。
 
 
その後、街に繰り出した彼は、パンツにおしっこがちょっぴりもれていそうな人にインタビューをしていきます。
 
 
「アー ユー チョッピリモレタロウ?」
↑本当はこんな言い方ではない。↑
 
 
大した度胸です。
 
 

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断られても断られてもめげることなくインタビューをしていきますが、ある人は奥歯にものが挟まっていたり、ある人は鼻の奥のハナクソがピロピロしていたりと、パンツにおしっこがちょっぴりもれている人はひとりも見つけることができません。
 
 
そして、彼はあることに気づくのですが、その気づきがまさに対人関係を良くするヒントそのものなんです。
 
 
その気づきとは?
 
 

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そとからみたらわかんないけど、みんなそれぞれそのひとにしかわかんないこまったことがあるんだな・・・
 
 
です。
 
 

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言い換えると「人は誰もがその人にしかわからない事情をもっている」ということに気づいたということです。
 

なぜ対人関係を良くするヒントなのか!?

「人は誰もがその人にしかわからない事情をもっている」ということに気づくということが、なぜ対人関係を良くするヒントになるのか。
 
 
これは対人関係療法の水島広子先生の考え方に由来します。
 
 
まず、事情というのは、持って生まれたものや育った環境、現在置かれている状況や今日の気分など、まさにその人にしかわからない事情のことを言います。
 
 
これらの事情に基づく、自分にしか分からない領域を"自分の領域"であると考え、相手にしかわからない領域を"相手の領域"であると考えます。
 
 
対人関係の多くの問題が、相手の領域に土足で入り込んだり、自分の領域について責任を持たなかったりする(土足で入り込ませることも含む)結果として起こります。
 
 

相手の領域に入り込む例え

相手の領域に土足で入り込むというのは、相手の事情も知らずに何かを決めつけたり、価値観を押し付けたりすることです。
 
 
例えば、ちょっぴりもれたろうくんが、出会った人に「あなたはパンツにおしっこをちょっぴりもらしてますか?」と尋ねたとします。
 
 
相手から「違います!」と言われた時に、「いやいやウソをおっしゃい!そんなに困った素振りをしているのは、パンツにおしっこをちょっぴりもらしているからに違いない!いいからパンツを見せなさい!」と返したとします。
 
 
こうなると困った問題に発展する可能性が高いですよね。
 
 
あと、日常でよくある、「あなたのためを思って。。。」っていうアレ。
 
 
あれも相手の領域に入り込んでしまう行為。よくトラブルになります。笑
 
 

自分の領域について責任を持たない例え

一方で、自分の領域について責任を持たないというのは、「言わなくてもわかるはず」と何も言わずに自分の顔色をよませようとしたりすることです。
 
 
例えば、もれたろうくんがトイレに行こうとするたび、母親は「またパンツにおしっこをちょっぴりもらすのではないだろうか。」と思って機嫌が悪くなります。
 
 
この時に、「パンツにおしっこをちょっぴりもらさないように気を付けてね。」とひと言添えることができれば、母親にとっての最悪な事態は回避されるかもしれませんが、それを言わずに顔色をよませようとします。すると、どうなるか?
 
 
その後、もれたろうくんが母親の顔色をよむことなく、いつものようにパンツにおしっこをちょっぴりもらしてしまうと、「私が嫌がるとわかってるくせに、なんでそんなことするのよ!」ということになって怒り出すという結末が待っていると考えられます。
 
 
これが繰り返されると、親子間での困った深刻な問題になっていきそうですよね。
 
 
<例えはここまで>
 
 
しかし、「人は誰もがその人にしかわからない事情をもっている」ということを知っておくことで、自分の領域と相手の領域をしっかり区別することができるようになっていきます。
 
 
自分の領域と相手の領域をしっかり区別することができるようになれば、相手の領域に土足で入り込みこむことはなくなり、自分の領域に責任をもつこともできるようになっていきます。
 
 
それによって、先述した例えのような対人関係の問題が起きにくくなると、お互いの事情を尊重したコミュニケーションが増えて、相対的に対人関係が良くなっていく、ということが考えられるわけです。
 
 
お互いの事情を尊重したコミュニケーションには、アサーション・トレーニングや、アイ・メッセージなどが役に立ちますので、また改めてそれらについて学んだことをシェアしたいと思います。
 
 
自分の領域を知ることで対人関係を良くしていくことについては、こちらの記事にも詳しく書いてありますので、あわせて読んでみてくださいね。
 

 

 

 

親子で読んでみるのがオススメ! 

『おしっこちょっぴりもれたろう』は、素直に可愛らしさやストーリーの面白さを楽しむのも良いですが、親子で人との関わり方について学べるよい教材でもあります。
 
 
「みんなそれぞれにその人にしかわからない事情があるんだ」ということを、小さい頃から知っていれば、少なくともLINEの返信がすぐに返ってこなかっただけで相手を嫌いになったり、逆に嫌われたんじゃないかと不安になったりということにはならないのではないかと思いますし、大人になって対人関係で苦労することもかなり少なくなるのではないかと思います。
 
 
また、これからの日本社会はどんどん多様化が進み、いろんな価値観、人種、性別、年齢、職業などなど、自分とは違う人と接する機会がとても多くなることが予想されます。
 
 
そんな社会において、この「みんなそれぞれにその人にしかわからない事情があるんだ」という考え方があれば、相手のことを理解・尊重することができるし、自分のこともしっかり守ることができるので、うまく渡り歩いていけるのではないかと思います。
 
 

おわりに

いかかがでしたか?
 
 
今回は『おしっこちょっぴりもれたろう』に書かれている対人関係を良くするヒントについてシェアしました。
 
 
絵本は子どもが読むものというイメージが強いかと思いますが、いやいやどうして、大人が読むと「こんなに深い内容だったのか!」と感心させられることが多いんです。
 
 
また、気持ちが軽くなったり、生きやすくなったり、幸せを感じられたり、気づきを得たりすることもあります。
 
 
絵本を「こころの処方箋」としてセラピーに用いるセラピスト、カウンセラーもいるくらい、絵本は大人にとっても素晴らしいツールです。
 
 
僕の友人にも、素敵な絵本セラピストがいますよ。
 
 
絵本セラピストについてはこちら↓↓
 
 
本屋さんに立ち寄った時は、絵本のコーナーものぞいてみて、ピンときたものを手にとって読んでみてくださいね!
 
 
ちなみに、Amazonでも買えますよ!ポチっとどうぞ!!
 

 

おしっこちょっぴりもれたろう

おしっこちょっぴりもれたろう

 

 
 

参考文献

本文中にも書かせて頂いた対人関係療法の水島広子先生の本。

 

【自分の領域と相手の領域を区別する】を柱にして、いろんな事例が載っていますので、【自分の領域と相手の領域を区別する】を理解するにはもってこいの本です。

 

誰と会っても疲れない「気づかい」のコツ 対人関係療法のプロが教える

誰と会っても疲れない「気づかい」のコツ 対人関係療法のプロが教える

 

 

 

あわせて読んでほしい記事

「人間関係」と「対人関係」の違いってわかりますか!?

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こんにちは、どいつよしです。
 
 
実は、前々から気になっていたことがあるんです。
 
 
それは、、、
 
 

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「人間関係」と「対人関係」という言葉の違いについてです!
 
 
ともに人と人の関係を表現する言葉として使われますが、果たしてこの2つに違いはあるのかないのか、前々から疑問に思っていました。
 
 
もうね、その言葉を目にするたび、耳にするたび、胸がモヤモヤするほどに。
 
 
例えば、「職場の人間関係に悩んでいて」というフレーズはよく耳にしますが、「対人関係に悩んでいて」というフレーズはあまり耳にしないように思います。
 
 
逆に、心理療法には「対人関係療法」はありますが、「人間関係療法」はありません(調べてみた範囲では)。
 
 
ですので、2つの言葉は同じ意味で、使う人の好みで使われているから、どちらか一つしかないのかなぁと考えたりもしていました。
 
 
でも、「人と人の関係を扱う産業カウンセラーの有資格者としては、そこははっきりとさせておきたい!」という気持ちが勝ってしまったのです。
 
 
そこで、調べてみたところ、どうやら似て非なるものだということがわかったんですよ!奥さん!
 
 

調査結果のご報告

調査に協力して頂いたのは、29万語以上を収録し、政治・経済・医学・ITなど最新用語の追加も抜かりないgoo国語辞書さん。お世話になります!
 
 

人間関係について

人間関係とは「集団や組織内における人と人との関係。特に成員相互の間の心理的関係をいう」とのこと。
 
 
図で表すとこんなイメージですね。
 
 

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集団の中にいる人達同士の関係で、「私」もその一部に組み込まれます。
 
 

対人関係について

対人関係とは「他人との関係。個人と個人との結びつきからみた人間関係。」のこと。
 
 
図で表すとこんなイメージですね。
 

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「私」とお母さん、「私」と上司、といったような1対1のマンツーマン関係ですね。
 
 

この違いを知って気づいたこと

上記のような違いを知っておくことは、「人間関係に悩んでいる」という相談を受ける際に役立つということに気が付きました。
 
 
カウンセラーはクライエントが観ている風景を一緒に観ていくことが求められます。
 
 
クライエントの相談内容が、「集団や組織内における人と人の関係のような広い範囲のもの」についてなのか、「私と母親・私と上司のようなマンツーマンの関係」についてなのかを詳しく聴いていくことで、誤解を防ぎ、より詳細な風景を描くことができるのではないかと思います。
 
 
ちなみに、このブログの人間関係や対人関係に関する記事も、goo辞書の意味を基にして言葉を選んでいくようにしていきますね!
 
 

おわりに

いかがでしたか?
 
 
今回は、「人間関係」と「対人関係」の違いについて調べてみました。何気なく使っていたこの2つの言葉でしたが、きちんとした違いがあるということがわかりました。
 
 
やっぱり、知らないというのは怖いですねー。そして、知るということは嬉しい!胸のモヤモヤが一気に晴れたように思います。だったら、なんでもっと早く調べなかったんだよ!というお叱りの言葉が飛んできそうですが^^;
 
 
ぜひ、ココロの皮むきブログ内の人間関係・対人関係について書いてある記事も読んでみてくださいね。
 

 おすすめ記事 

www.kokoronokawamuki.com

 

【傾聴力アップ】『おしっこちょっぴりもれたろう』には共感的理解を実践するヒントが隠されている!?

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こんにちは、どいつよしです。

 
 
今、巷で話題の絵本、ヨシタケシンスケ作『おしっこちょっぴりもれたろう』って知ってますか?
 
 
いつもパンツにおしっこをちょっぴりもらしてしまう"ちょっぴりもれたろうくん”が、自分と同じ「おしっこがちょっぴりもれて」困っている人を探しに町に繰り出し、いろんな人に関わっていく中で、人間関係について学んでいくお話しです。
 
 
この衝撃的なタイトルの絵本が、今、たくさんのご家庭で愛されているのですが、実はこの本には、心理カウンセラーの大切な態度のひとつ【共感的理解】のヒントになることが書かれているということに僕は気づいてしまったのです!
 
 
今日はそれについて、先におしっこしてスッキリしてから書いていきますね。
 
 
チョボボボボボボ・・・。
 
 

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カウンセリング・マインドをもったなかま

『おしっこちょっぴりもれたろう』には、ちょっぴりもれたろうくんの気持ちを理解してくれる素敵ななかまが登場してきます。
 
 
その名前とは・・・
 
 

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ドーン!!
 
 
 
 
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おしっこけっこうもれたろうくん!!
 
 
こちらもかなりファンキーな名前です。笑
 
 
けっこうもれたろうくんは、ちょっぴりもれたろうくんにとって一番の理解者なのであります。「いつもぼくのきもちをわかってくれた。」と、ちょっぴりもれたろうくんも言っています。
 

なぜ、きもちをわかってくれたと思えたのか!?

それはたぶん、おしっこがもれたもの同士ということもあります。
 
 
そして、それだけではないと、僕は考えたわけです。
 
 
だって、「きもちをわかってくれた」ということですから。
 
 
話し手が「わかってもらえた」と思えるかどうかは、聴き手に共感的理解があるかどうかだと、『心のメッセージを聴く 池見陽著』にも書いてあったことから考えると、けっこうもれたろうくんの話を聴く態度には、共感的理解がしっかりあったと言えそうです。
 
 
けっこうもれたろうくんが、おしっこがもれた量は違うけれど、ちょっぴりもれたろうくんが体験していることを「自分がこの人の立場だったらどう感じるだろうか」と、「あたかも自分の体験であるかのように実感することができていた」からこそ、ちょっぴりもれたろうくんが「いつもぼくのきもちをわかってくれた」と思えたのではないでしょうか。
 
 
 
以前、京大の偉い心理学の先生がこんなことを話されていました。
 
 
「クライエントのこころの痛み・苦しさを、自分のこころの痛み・苦しみと重ねて味わい理解する過程が共感的理解には必要である」と。
 
 
クライエントとは同じ心の痛みではないけれど、カウンセラーも人生の中で一度は心の痛みを体験しているはず。
 
 
心の痛みを体験したもの同士として、クライエントが体験している心の痛みを、「自分がこの人の立場だったらどう感じるだろうか」と「あたかも自分の体験であるかのように実感しようする」過程があることによって、クライエントは「この人は私のことを理解してくれている」と思えていけるということです。
 
 
けっこうもれたろうくんが、まさにその過程をやっていたのだと考えると、ちょっぴりもれたろうくんにとって、けっこうもれたろうくんは、カウセリング・マインドをもった、かけがえのないなかまだったということが言えますよね。
 
 

おわりに

いかがでしたか?
 
 
ちょっと、僕の想像(妄想?)が暴走して(ここ、韻を踏んでますw)、ヨシタケシンスケさんが本当に伝えたかったこととは離れてしまったかもしれません。
 
 
でも、けっこうもれたろうくんの姿勢は、カウンセリング・マインドが根底に流れていると思えて仕方ありません。
 
 
遠い街へ引っ越して行った彼の動向が気になるところであります。『おしっこけっこうもれたろう』で続編出ないかな〜。
 
 
まだ『おしっこちょっぴりもれたろう』を読んだことがない人は、ぜひ、一度目を通して頂きたいです!
 
 
そして、クライエントの話を、共感的理解の態度でもって聴くことができないという時は、【おしっこけっこうもれたろうくん】を思い出してみてくださいね!
 
 
あ、ちなみに、僕も"ちょっぴりもれたろう"です。笑
 
 

Amazonでもちょっぴりもれたろう

おしっこちょっぴりもれたろう

おしっこちょっぴりもれたろう

 

 

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【傾聴力アップ】受容、共感、自己一致は技法ではなく態度だということを知っていますか!?

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こんにちは。どいつよしです。
 
 
H29年1月に『傾聴・心理臨床学アップデートとフォーカシング―感じる・話す・聴くの基本』という本を出されていて、ロジャーズの理論についても詳しい、関西大学大学院教授の池見陽先生の講座に参加してきました。
 
 
池見先生は、『フォーカシング指向心理療法』のジェンドリンの門下生。
 
 
ジェンドリンはロジャーズとともに心理療法の研究を行なっていて、ロジャーズの来談者中心療法に新しいアプローチを最初にもたらした人です。
 
 
また、「傾聴はすべてのコミュニケーションにとって必要である」「ロジャーズ以上に傾聴を大切にしている」と言うくらい、傾聴について研究をされてきた人です。
 
 
ジェンドリンのもとで学んで来られた池見先生は、ロジャーズにも大変ゆかりのある先生なんですね。
 
 
この講座では、前半はロジャーズ→ジェンドリン→池見先生と続く傾聴についての研究のお話し、後半は、ジェンドリンが提唱した体験的応答を取り入れた傾聴のロールプレイを体験しました。
 
 
今日は、その講座の中で、産業カウンセラーの資格を取ってからもいまだに疑問であった、心理療法における中核3条件「受容・共感・自己一致」について、理解が進んだことを書こうと思います。
 
 
ちなみに、心理療法における中核3条件は、「ロジャーズの3条件」とも言われます。
 
 
このブログでは、できるだけわかりやすい表現を使いたいので、今後は「ロジャーズの3条件」と表記することにします。
 
 

「ロジャーズの3条件」とは?

そもそも、「ロジャーズの3条件」とは何なのでしょうか?
 
ロジャーズは、人の人格や性格は、人間関係の中で育っていくものだと考えていました。
 
だから、性格が変化することも人間関係の中でしか起こらないと考えたのでした。
 
そこで、どんな人間関係が性格の変化に良い影響を与えるのかと、自身の心理療法の経験から[仮説として]6つの条件を提示しました。
 
これが、1957年にロジャーズが発表した「人格変化の必要にして十分な条件」です。
 
その後、研究者によって、3つの条件が、心理療法の成功と関連があることが実証されます。
 
それが、「受容・共感・自己一致」というわけです。
 
ちなみに、ロジャーズはカウンセリングという特殊な人間関係のみならず、その条件を満たした人間関係がそこにあれば、人はより自分らしく生き、成長すると考えていたのだそうです。

「ロジャーズの3条件」は実践が難しい!?

産業カウンセラー養成講座の中でも何度も出てくる「受容・共感・自己一致」。
 
わかっているようで、実践しようとすると、これがなかなか難しい。
 
「こういう感じかな?・・・特に実技指導者からも指摘されなかったし、合っているんだろう。でも、ほんとに大丈夫なのかな。。。」という感じで養成講座を終了し、試験に合格してしまいました。
 
その頃の僕は、「受容・共感・自己一致」を技法だと思っていました。
 
だから、「これが受容だ!」「これが共感だ!」「これが自己一致だ!」という技としての完成形があるんだと思って、それを目指していたところもありました。
 
でも、ベテランのカウンセラーのデモを観ても、みんな違う。一体どれが正解なのか余計にわからない。そして、自分の聴き方に対して不安ばかりが募る。そんな状況にありました。

「ロジャーズの3条件」は技法ではない!?

講座で池見先生がお話されたのは、「ロジャーズは技法ではなく姿勢や態度を伝えようとした」ということでした。
 
すなわち、「受容・共感・自己一致」は姿勢や態度のことであるということなんですね。これは、いまだによく誤解されるのだそうです。
 
また、池見先生は、柔道における「闘争心」や「集中力」というものが、「受容・共感・自己一致」と同じような意味合いになると言われました。
 
これは、
 
<柔道においては闘争心で敵を倒すことはできない。
 
それは、闘争心が技ではないからだ。闘争心があって、技が決まることで勝てる。
 
それと同じように、「受容・共感・自己一致」で人の性格は変化することはできない。
 
中核3条件の上に成り立つ関わり合いがあって、変化が起きる。>
 
ということだと理解しました。
 
ロジャーズの考えに当てはめると、
 
<「受容・共感・自己一致」という姿勢や態度がある人間関係の中では、人は成長も変化もできる>
 
ということになりますね。


池見先生のお話しにより、僕が追いかけていた、「これが受容だ!」「これが共感だ!」「これが自己一致だ!」という技としての完成形というのは、そもそもそういう技は無いということがわかりました。

今一度、産業カウンセラー養成講座のテキストを開いてみると、

一致(自己一致)、無条件の肯定的配慮(受容)、共感的理解(共感)がセラピスト(カウンセラー)の態度条件であり、セラピー関係の構築にとって不可欠な人間的態度であると考えられる

とありました。なんと、テキストにもしっかり【態度】と書いてあるではないですか!
 
大事なところを見落としていたことが恥ずかしいです。

おわりに

いかがでしたが?
 
ロジャーズは、「受容、共感、自己一致」を技法ではなく姿勢や態度として、提示していたわけなんですね。
 
産業カウンセラー養成講座では「繰り返し」「要約」「効果的な質問」などの技法を学びますが、こちらが技法。
 
「受容、共感、自己一致」という姿勢や態度がある上での関わり合いの中でこれらの技法を使うことで、良いカウンセリングができるということになるのだと思います。
 
「受容、共感、自己一致」が技法ではないということがわかって良かったですが、大切なものには変わりないので、忘れることのないようにしていきたいと思います。

池見陽先生の本

このブログの参考文献にもさせて頂いている、2冊を紹介します。


『心のメッセージを聴く』は、ロジャーズの3条件を「カウンセリング・マインド」という表現で説明していて、普段の生活レベルへの活かし方も書かれています。ロジャーズの来談者中心療法についてもたくさん書かれています。

 

心のメッセ-ジを聴く (講談社現代新書)

心のメッセ-ジを聴く (講談社現代新書)

 

 

一方で、『傾聴・心理臨床学アップデートとフォーカシング』はロジャーズの理論についての誤解を解く内容が書かれていたり、来談者中心療法以外の療法についても、池見先生が解説をされています。


そして、その上で、来談者中心療法のアップデート版ともいえる、フォーカシング指向心理療法について、事例を交えて書かれています。



ロジャーズをきちんと理解した上で、ジェンドリンを知ることができる、一石二鳥以上のお得な本でもあります。

 

傾聴・心理臨床学アップデートとフォーカシング―感じる・話す・聴くの基本

傾聴・心理臨床学アップデートとフォーカシング―感じる・話す・聴くの基本

 

 
ぜひ、手にとって読んでみてくださいね!

 

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【傾聴力アップ】鎌田實さんが説く「良いコミュニケーション」に必要不可欠なものとは?

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こんにちは。どいつよしです。
 
 
先日、ある情報誌に医師で作家の鎌田實さんのインタビューが載ってありました。
 
 
鎌田さんといえば、諏訪中央病院の院長時代に、患者さんやそのご家族の気持ちやニーズに寄り添った病院経営を行い、赤字だった同院を再生させる一方で、
 

『がんばらない』や『あきらめない』といった、読む人を癒やし、元気づける著書を多数世に送り出して来られたスーパードクターとして有名です。
 
 
その鎌田さんが、インタビューの中で「良いコミュニケーションに不可欠なもの」として挙げているものがありました。
 
 
それは、、、


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しっかり聴いて受け止めること。
 
 
です。
 

聴くことで患者さんの人生が変わる!?

鎌田さんは、終末期の患者さんに接する時、その人自身の人生を語ってもらうんだそうです。
 
 
その人が人生を語っておられる時、鎌田さんは、その人の隣に横並びで座り、同じ方向を見て、時には質問をしたりしながら話を聴いていくのだそうです。
 
 
鎌田さんはこのような話し手と聞き手の状態を「絶対的安心」と言われています。
 
 
そして、患者さんは、絶対的安心の中で振り返った過去を、自分の言葉で語っていくことができます。
 
 
そして、そのことを聴き役に同調してもらえることにより、自分の人生を肯定的に捉えら得るようになっていき、精神状態も穏やかになり、人に感謝をしながら最後を迎えられるようになるのだそうです。
 
 
このお話しを読んで、しっかり相手の話しを聴くことって本当に素晴らしいものなんだということを改めて感じました。
 

普段の生活の中でも使える!

鎌田さんのお話しは、医師と患者という関係で行われる「ライフビュー」というワークを例えにされていました。
 
 
しかし、こういった特別な場に限らず、「しっかり聴いて受け止める」ことは、普段の生活の中でもそれをすることによって、人間関係が良好になることへ導いていってくれるのではないでしょうか。
 
 
誰だって、自分のことをちゃんと聴いてもらうと嬉しいですよね。
 
 
その逆で、すぐに反論されたり、話をすり替えられたりすると、嫌な気持ちになります。
 
 
「しっかり聴いて受け止める」ことから良いコミュニケーションができる→良いコミュニケーションができるから良い人間関係へ発展する→良い人間関係であるから、さらに「しっかり聴いて受け止める」ようになり、もっと良いコミュニケーションができる→…。
 
 
という、ポジティブなスパイラルができていくとイメージすると、やらないという選択肢はないでしょう。
 
 
あなたが聴いてあげたおかげで、その人の人生が大きく変わって感謝されるということもあるかも!?
 

しっかり聴いて受け止めるには!?

しっかり聴いて受け止めるには、やっぱり、聴き役に徹する。だまって聴くくらいの心掛けからやってみると良いのではないかと思います。
 
 
そのうち、相手の話しについていけなくなってくる部分が出てくると、それに関して質問をしていく。大事なのは、聴いているフリをしないことですね。
 
 
あと、「受け止める」のは「受け容れる」と違います。全く同じ感情を抱く必要はありません。「あなたは、そう感じているんだね」と相手を認めてあげましょう。
 

聴き役のプロとしても心に留めておきたい言葉

このインタビューの中には、産業カウンセラーの有資格者として、相談業務従事者としてスルーできない言葉がありまして。。。それは、

人は語ることで癒やされます。だからこそ、しっかり耳を傾けてくれる「聴き役」の存在が重要です。

 

という言葉。
 
 
まさに、この「聴き役」として産業カウンセラーや、相談業務従事者がいるわけですよね。
 
 
この言葉は、「はたして僕は、相談者が語ることで癒やされるような聴く姿勢ができているのだろうか?」と、最近の対応を振り返るきっかけになりました。
 
 
また、「聴き役」として、相談者が語って癒やされるような場と雰囲気作りも、聴く姿勢と同じくらい大事だなと再認識しました。

経験 に基づく語りを促す座り方

鎌田さんが実践されている、話し手の隣に横並びで座る
 
 
という座り方は、話し手の経験を語ってもらう、ある体験からどのような気持ちを感じたのかを語ってもらう時に、とても有効なやり方だと思いました。
 
 
キャリアカウンセリングでは、経験を語ってもらう中で、その人のありたい姿や、強みなどを見出していくことが大事になってきますが、それにも使えそうです。
 

聴き役も話を聴いてもらおう!

このブログを書きながら、聴き役の人も、誰かに話を聴いてもらう習慣が必要だなと思いました。
 
 
聴き役の人が、心身ともに健康であるからこそ、話し手の語ることをしっかり聴けるわけですよね。
 
 
だから、聴き役の人も信頼のおける誰かに話を聴いてもらって、癒やしてもらうことが必要なのではないでしょうか。
 
 
こんなことを言ってる僕も、以前はなかなか誰かに話を聴いてもらうということができなくて、一人で抱え込んでしまうことが多かったです。
 
 
でも、そうなってしまうと、やっぱり話が聴けなくなっていくんですよね。
 
 
だから、今は、職場の同僚や先輩、産業カウンセラーの仲間といった、聴き役ができる人に聴いてもらったり、家族に「今から〇分だけ話すから、だまって聴いてね」と言ってから、話を聴いてもらうこともあります。
 
 
誰かに話を聴いてもらうのともらわないとでは、ずいぶん違います。
 
 
ちょっと、心にトゲが刺さったら、話を聴いてもらう。そういう習慣を作っておけると良いですね。

おわりに

今回、鎌田さんのインタビューを読んで、話をしっかり聴くということの大切さと、聴き役としての姿勢を省みることができました。
 
 
また、自分も誰かに話しを聴いてもらっているのかどうかの確認もできました。
 
 
改めて振り返っても、
 
 
「良いコミュニケーションに不可欠なのは、しっかり聴いて受け止めること。」
 

「人は語ることで癒やされる。そうなるためにはしっかり話に耳を傾けてくれる聴き役の存在が重要。」
 
 
という言葉がとても印象に残っています。
 
 
話し手にとっても聴き手にとっても、すごく大切な言葉。
 
 
この言葉を心に留めて、これからも話しを聴いていくようにしようと思います。

書籍紹介

鎌田實さんはほんとにたくさんの本を出版されています。その中から、僕が読んで元気をもらったものを紹介します。

 

どの本もとても読みやすく書かれていますので、読書が苦手な方でも読み進めることができると思いますよ!

 

やさしい表現で書かれる鎌田さんの文章を読み進めていくと、心がじんわりと元気になっていくことがわかります。

 

ぜひ、手にとってみてくださいね!

 

がんばらない (集英社文庫)

がんばらない (集英社文庫)

 
人は一瞬で変われる

人は一瞬で変われる

 
あきらめない (集英社文庫)

あきらめない (集英社文庫)

 

 

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【傾聴力アップ】心理カウンセラーの「無条件の肯定的な眼差し(受容)」について理解し、実践していくには!?

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ありの〜ままの〜♪
すがたみせるのよ〜♪


ありの〜ままの〜♪
じぶんに〜なるの〜♪


こんにちは。どいつよしです。


いきなり、映画『アナと雪の女王』の日本版主題歌『Let It Go 〜ありのままで〜』のサビからスタートしてみました。


今日のブログのテーマは、心理カウンセラーに必要な【無条件の肯定的な眼差し(受容)】です。


そう、クライエントが「ありのままの姿を見せて良いんだ」「ありのままの自分で良いんだ」と思うことができるようになるカウンセラーの態度で、心理療法の成功と関連があると言われる[ロジャーズの3条件]のひとつです。



ちなみに前回は、[ロジャーズの3条件]から心理カウンセラーの【自己一致】について書きました。

 
今回も、 H28年1月に参加した、傾聴・心理臨床学アップデートとフォーカシング―感じる・話す・聴くの基本という本を出されていて、ロジャーズの理論についても詳しい、関西大学大学院教授の池見陽先生の講座で学んできたことと、池見先生の著書から学んだことを織り交ぜて書いていきます。


また、[ロジャーズの3条件]は「受容、共感、自己一致」という訳され方が広く知られていますが、池見先生は【受容】という訳され方が好きではないそうで、無条件の肯定的な眼差し】と表現されています。ですので、この記事でも、池見先生の表現を使って書いていきます。

 

なぜ【受容】ではなく、【無条件の肯定的な眼差し】なのか?

池見先生は、『傾聴・心理臨床学アップデートとフォーカシング―感じる・話す・聴くの基本』の中で、子育てを例えにして、【受容】ではなく【無条件の肯定的な眼差し】という表現を使っておられることを説明されています。

ようやく歩き始めた子どもがヨチヨチ歩いている。このくらいの子どもは、少し歩いては転んだり、尻もちをついたり。 

そんな子どもの姿を親は「無条件」かつ「肯定的」な「眼差し」で見ている。

これは、子どもがヨチヨチ歩きを試みていることを「認める」ことでもある。

「ヨチヨチ歩きを受容する」となると、少しニュアンスが違っているように思われる。

確かに、「受容」という言葉は「受け入れて取り込むこと」という意味であることも考えると、ニュアンスが違いますよね。



また、『僕のフォーカシング=カウンセリング:ひとときの生を言い表す』では、
 
漢字の「受」は重たいイメージを伴う。わけがわからない攻撃的な人を前にして、「こんなに攻撃的な人もいるんだな」と「認める」ことはできても、カウンセラーがこの人を「受容」しなければならないと思うと、それはとてもたいへんなことだ。


と述べられています。


他にも、ロジャーズの原文【acceptance or unconditional positive regard】 の、【acceptance】は普通に訳すと「認める」となるはずで、「受容」という訳し方には疑問を感じるということも言われています。


以上のような理由から、池見先生は、【受容】という言葉ではなく、【肯定的な眼差し】という言葉を使われているのです。

無条件の肯定的な眼差しとは「認める」こと

池見先生によると、ロジャーズが伝えたかったカウンセラーの姿勢や態度としての無条件の肯定的な眼差しとは、


カウンセラーがクライエントを、無条件の肯定的な眼差しで見る、というか、認める。



ということ。


「あいてがどんな気持ちや考えを持っていても、それもその人らしさである。」
と、その人のありのままを認めることが重要なのだそうです。


『アナと雪の女王』で例えると、どんなものでも凍らせてしまうことができる力を持った女性(エルサ)を眼の前にして、「どんなものでも凍らせてしまう力を持った人もいるんだな」認めるということになりますでしょうか。

なぜ「認める」ことが必要なのか?

なぜ「無条件の肯定期な眼差し、というか、認めること」が心理カウンセラーに求められるのか。


池見先生の『傾聴・心理臨床学アップデートとフォーカシング―感じる・話す・聴くの基本』を参考に書いていきますね。

条件的な人間関係から自己概念は作られる

まず、知っておきたいこと。


僕たちは、これまでの人生の中で出会った、親、兄弟、友人、先輩、上司などとの人間関係のあり方を通じて、「自分」というものを形作ってきているけれど、そういった人間関係のほとんどは、「条件的である」ということ。


例えば、小さい頃から、親や身近な大人から「お前は明るくて良い子だね」と言われて育てられた人は、実は、「明るい」という条件を満たす限り「良い子」だと褒められる、という暗黙の条件を課せられて育ってきています。


この暗黙の条件をクリアしながら育っていくなかで「自分は明るい」と思うようになります。


このような、自分で自分を捉えたときのイメージのことを「自己概念 byロジャーズ」と表現します


条件的な人間関係のもとで「明るい自分」は形作られ、自分で自分を捉えたときのイメージ(自己概念)も「明るい自分」だと認識していくというわけです。

※さらに、「明るい自分」という自己概念が、「もっと明るい自分」を形作っていく。そうすると、「もっと明るい自分」へと自己概念が強くなる・・・というように強化のスパイラルになって続いていきます。


自己概念に伴う価値条件が素直に感じることを妨げる

次に知っておきたいこと。


自己概念は同時に「自分はこんな人でないと生きている価値がない」といった価値条件を伴うということ。


だから、「自分は明るい」と思っている人にとって、〈暗い〉〈悲しい〉〈泣きたい〉というような「明るくない」感じは、「自分は明るくしてないと生きている価値がない」という自分の存在を否定するものであり、感じてはいけないものになってしまいます。


そこで、どうするか。その人はそれを感じないようにしてしまったり、「最近、疲れが取れない。病気かもしれない」と、歪曲して別のものとすり替えて理解しようとしてしまうのです。


つまり、人は「自分はこんな人だ」という自己概念があるから、その概念に合わないものは「自分の存在が脅かされるもの」として、意識から締め出そうとするということです。


カウンセリングに訪れる人は、自己概念に合わないものを体験していて、それを認めることができず、意識から締め出しても締め出しても解消されることがなく、生きるのがとても辛くなっている人であると考えられます。
 

心理カウンセラーに求められる態度

このような人が良くなっていくには、今まで意識から締め出してきたものに対して、「あってもいいんだ」と気づくこと。


どんな気持ちであれ、それを自分のものとして認めることができるようになることが必要なのだそうです。


こうなっていくには、どんな気持ちであれ、それを無条件に認めてくれる相手が必要


その人こそが心理カウンセラーということになります。


心理カウンセラーに「あなたが明るいときも、暗いときも、どちらにも関心がありますよ。」と、それがあなたらしさであると、無条件に認めてもらってはじめて、クライエントは「暗い感じがあっていいんだ」と気づくことができるということなんですね。

 


また、「無条件の肯定的な眼差し、というか、認める」ことは、安心して話ができる場を作ることにも役に立つと思います。 


「あなたは何を言ってもいいし、どんなことを感じてもいいんですよ」という、安心な場があってこそ、クライエントは、普段の人間関係では言えないことや、感じてはいけないと思っていることが言えるのだと思います。 


そんな安全安心の場と時間を提供できる、心理カウンセラーを目指したいですね。

実践していくには?

「無条件の肯定的な眼差し、というか、認めること」を実践していくにはどうすればいいのでしょうか。

眼の前の人の存在自体を認める

僕は、まず、眼の前の人の存在自体を認めることからはじめました。これは、赤ちゃんのお世話をする仕事をしていた経験が生きています。


生まれたばかりの赤ちゃんは、泣く、ミルク飲む、寝る、排泄する、が主な活動で、生産性のあることはできませんよね。


でも、そこにいるだけでオッケーなんです。泣いてもオッケー。ミルク飲んでもオッケー。すやすや寝てもオッケー。ウンチをしてもオッケー。


「今この瞬間、ただそこに存在している。それだけでオッケー。」という感覚です。この感覚を応用して、話を聴くようにすることで、「無条件に関心を向ける」「ありのままを認める」ということができるようになっていきました。

 

ジャッジしない

そして、もうひとつ、ジャッジしない。これは、[魔法の質問]のマツダミヒロさんから学んだことですが、「まずは相手の話を受け止め、否定しない」ということです。


「受け止める」というのは、否定も肯定もせずに、「この人はこういうふうに考えているんだ」と、事実としてとらえること


話を受け止めてあげることにより、「私はあなたの話しをちゃんと聴いていますよ」という意思表示にもなります。


ジャッジしないことを意識することで、否定や肯定といった、評価のメガネを通さずに、話し手のありのままを認めることができるようになってきたと思います。

自分の気持ちを「あるよね〜」と認める

それから、自分が感じていることに、とりあえず「そんな感じもあるよね」と言ってみるようにしています。いろいろ考えずに、まずは「あるよね」と言ってみる。


こうすることで、自分が感じているいろんな気持ちを、「ある」と認めることができるようになってきて、それが、話し手のありのままの姿を「認める」ことにも良い影響を与えているように感じます。

結論に至る思考の過程を充実させる

池見先生によると、「無条件の」という態度が維持できないことがあるのは、聴き手の一般的な理解から生じる感情や「思いやり」が、無条件になるのを難しくさせるからなのだそうです。


そして、重要なのは結論ではなく、結論に至る思考の過程を充実させることだということを、聴き手として認識しておくと楽になると述べられています。


思考の過程を充実させることの効果としては、

思考の過程を充実させることにより、その思考の過程が充実したもので、本人が深く自分を見つめ、そこにある様々な実感を注意深く吟味したうえで結論に至ったなら、

それがどのような結論であれ、それは本人にとっては本来的でよい結論であると言えるだろうし、また、周りのほとんどの人は、その過程から生じた結論には賛成するだろう


とのことです。



思考の過程を充実させるには、「存在自体を認めること」や「ジャッジしない」という態度を維持しつつ、繰り返しや要約を使いながら、話をじっくり聴いていくことが大切だなと思いました。

 

おわりに

いかがでしたか?今回は、ロジャーズの3条件の中から、「無条件の肯定的な眼差し(受容)」について、書きました。


ロジャーズの三条件の中で、一番理解していると思っていた「無条件の肯定的な眼差し(受容)」でしたが、池見先生の講座と書籍から学んでみると、


そもそも、なんで心理カウンセラーには、無条件の肯定的な眼差しが必要なのか?ということから理解をすることができました。


また、産業カウンセラー養成講座で学んだことをさらに深めて実践していくヒントも得られたので、本当に良かったです。


クライエントのありのままの姿を「認める」ことを、これからも実践し続けていくことで、クライエントが、


これでいいの〜♪
自分を好きになって〜♪


これでいいの〜♪
自分を信じて〜♪


ひ〜か〜り〜♪
あびな〜が〜ら〜♪
あるき〜だそう〜♪


と変化していけるような、お手伝いができればいいなと思います。

池見先生の講座はこちらでチェック!

池見先生の公式ホームページです。最新の開催講座が随時UPされています。ぜひ一度、池見先生のお話を生で体験してみてくださいね!

Akira Ikemi, Ph.D. 池見 陽

引用・参考文献

今回のブログで参考にしている池見先生の著書です。3冊を紹介します。
 


心のメッセ-ジを聴く 』は、ロジャーズの3条件を「カウンセリング・マインド」という表現で説明していて、普段の生活レベルへの活かし方も書かれています。


ロジャーズの来談者中心療法についても、3条件をはじめ、たくさん書かれていますし、3条件の実践方法も書かれていて、すぐに実践へ移行しやすいものになっています。

 

心のメッセ-ジを聴く (講談社現代新書)

心のメッセ-ジを聴く (講談社現代新書)

 

 


一方で、『傾聴・心理臨床学アップデートとフォーカシング―感じる・話す・聴くの基本』はロジャーズの理論についての誤解を解く内容が書かれていたり、来談者中心療法以外の療法についても、池見先生が解説をされています。


そして、その上で、来談者中心療法のアップデート版ともいえる、フォーカシング指向心理療法について、事例を交えて書かれています。



ロジャーズをきちんと理解した上で、ジェンドリンを知ることができる、一石二鳥以上のお得な本でもあります。

 

傾聴・心理臨床学アップデートとフォーカシング―感じる・話す・聴くの基本

傾聴・心理臨床学アップデートとフォーカシング―感じる・話す・聴くの基本

 

 


僕のフォーカシング=カウンセリング:ひとときの生を言い表す』は、池見先生のフォーカシング指向心理療法について、日本のある場所で行ったフォーカシングワークショップでの出来事が書かれてあります。


体験ワークごとに、池見先生による詳しい解説があり、池見先生のフォーカシングはこういうものなんだ、という理解がすすむ本です。


先に挙げた2冊と比べて、ロジャーズについての記載は少ないですが、表現方法はいちばんやさしいのではないかと思います。


ぜひ、手にとって読んでみてくださいね!

 

僕のフォーカシング=カウンセリング:ひとときの生を言い表す

僕のフォーカシング=カウンセリング:ひとときの生を言い表す

 

 

合わせてどうぞ!

 

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【傾聴力アップ】心理カウンセラーの「自己一致」について理解し、実践していくには!?

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こんにちは。どいつよしです。


H28年1月に、『傾聴・心理臨床学アップデートとフォーカシング―感じる・話す・聴くの基本』という本を出されていて、ロジャーズの理論についても詳しい、関西大学大学院教授の池見陽先生の講座に参加してきました。


前回は、この講座で、[ロジャーズの3条件の「受容・共感・自己一致」が姿勢や態度のことである]、ということを学んだことを書きました。

 


今回は、そこから一歩進んで、心理カウンセラーとして知っておきたい、ロジャーズの3条件のうちの「自己一致」について、学んできたことを書きますね。

実践していくヒントもお伝えしますので、最後まで読んで頂けると嬉しいです。
 

自己一致と不一致とは?

そもそも、自己一致している状態とは、わかりやすく言うとどんなことを言うのでしょうか。池見先生の著書『心のメッセージを聴く 』を参考に、調べてみました。


ロジャーズは、下にあるようなベン図を用いて説明しています。


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青の円を自己概念。緑の円を実感(悲しい、寂しい、嬉しいなど特定の内容をもった感情よりも複雑で漠然とした、実際に感じられる体験)とします。


自己概念とは、「自分はこういう人間だ」というような自分の定義や自己像のこと。


子どもの頃からの、両親や教師や友人といった[重要な他者]との関係によって形作られると考えられています。


「私は外向的だ」「私は子どもが好きだ」「私は泣かない」「私は辛抱強い」など、例えを挙げようとすると枚挙にいとまがありません。


自己概念がいったんできあがると、人はその概念に一致する生き方をしようとします。


また、できあがってしまった概念は変化しにくい性質を持っているので、固定化しやすいのだそうです。


例えば、僕が「私は外向的だ」という自己概念を持っていたとすると、「僕は外向的な人間だ。」と固定して捉えるようになります。


そうなると、僕の生き方や体験の仕方は、「私は外向的だ」という自己概念によって拘束されるようになっていきます。


そして、気付かないうちに、「私は外向的であらねばならない」とか「私は外向的であるべきだ」という強い意味を持つようになってしまいます。


でも、諸行無常という言葉があるように、心の実感は日々刻々と、今この瞬間も変化してゆくもの


いくら「私は外向的だ」と思っている人でも、実際の体験として、誰にも会いたくないときはあります


ここで生じる、「私は外向的であらねばならない」という固定化された自己概念と、「誰にも会いたくない」のような、日々刻々と変化する心の実感とのギャップが【不一致】ということになります。


さらに、【不一致】の状態である時は、実感されていることの多くは自己概念には素直に認識されず、否定されたり歪曲されてしまうのだそうです。


逆に、自己概念と実感の2つの円が完全に重なりあい、今この瞬間の変化の中における心の実感が全て自己概念に受け入れられ、統合される状態が理想的な自己一致なのだそうです。

クライエントは不一致の状態でやってくる

ロジャーズは、自己概念と実感の【不一致】が悩みや不適応、神経症、問題行動などといった心理的な困難の一つの要因であると考えたのでした。


カウンセリングに来られる人は、その人の自己概念と実感していることの間で、何かしらの【不一致】を抱えていらっしゃるということになります。


そして、カウンセリングを通じて、気付きや学びを得て、成長や変化をしていく過程で、【一致の状態】へと戻っていくことになるってことですね。


先ほどの例えにあてはめると、「僕には外向的な面も、内向的な面もあって、誰にも会いたくない時もある」という柔軟な自己概念になり、実感していることとの重なりが大きくなっていくということになります。

なぜカウンセラーが自己一致している必要があるのか?

カウンセラーが自己一致していることが必要であることについて、池見先生の著書『心のメッセージを聴く 』には以下の3点が記載されています。

・カウンセラーの自己一致が模範となって、クライエント自身が素直に「体験」を探索し、表現することを促進する。

・クライエントが気づいていないことをカウンセラーが感じ取り、それを表現することによって、クライエント自身の気付きが促進される。

・素直に感じるところでのクライエントとカウンセラーのやりとりは、治療的な関係を築き上げる基盤となる。

 
カウンセラーが【一致の状態】であることが、クライエントに良い影響を与えることになるということがわかります。


また、カウンセラーが気を付けなければいけないことは、「カウンセラーらしく振る舞わなければならない」という自己概念を持ってしまわないこと。


それは、「カウンセラーらしく振る舞わなければならない」となってしまうと、たちまち、感じていることや体験していることとの【不一致】に陥ってしまうから。


そして、「一致の達人」になろうと思う必要もないこと。


人生の中で常時「一致」している必要はないし、常にそのような感受性をもって生きることは、よほどの人でなければ不可能だからだそうです。


大切なのは、カウンセリングの時間の中では【一致】している必要があるということです。

 

カウンセラーは一人の人間として誠実であれ

池見先生によると、ロジャーズが伝えたかったカウンセラーの姿勢や態度としての自己一致は、


カウンセラーが自己一致している、というか、誠実である。


ということ。


カウンセリングの時間の中で、「カウンセラーらしく振る舞おう」とするのではなく、その瞬間瞬間で一人の人間として誠実であることが第一条件なのだそうです。


それは、クライエントが誠実に自分の気持ちと向き合おうとしている時に、カウンセラーが「カウンセラーという役割を演じる」もしくは「カウンセラーのふりをしている」ということであると、かえって足をひっぱることになるから。


カウンセラーが自分自身を偽っているので、クライエントの模範となることができず、クライエント自身が素直に「体験」を探索し、表現することができなくなってしまいます。


そうではなく、一人の人間として「私はあなたの話しを聴いていて、私も悲しくなってきました」と、自分の感じていることを素直に見つめ、それを表現でき、誠実に発言する。


また、素直に自分の理解を自由に話すことができる。


こういうカウンセラーの態度があってこそ、クライエントも自身の悲しさと向き合うことができるし、人間的な繋がりが感じられるのだそうです。


ちなみに、池見先生も「クライエントの話しが退屈過ぎて眠気に襲われながらも、カウンセラーとしての役割で話を聴き続けた」という、「カウンセラーが誠実でない」ご経験をされています。


このお話しは、池見先生の著書『傾聴・心理臨床学アップデートとフォーカシング―感じる・話す・聴くの基本』に詳しく掲載されてありますので、ぜひ、読んでみて頂きたいです。


僕も、この池見先生のエピソードが好きで、折に触れて読み返すようにしています。

 

どう実践していくか?

「自己一致、というか、誠実である」ことを、実践していくにあたって、まずは、「カウンセラーらしく振る舞おう」とならないように気をつけることが大事かと思います。


でも、頭ではわかっていても、クライエントから「先生お願いします。」と言われると、知らず知らずのうちに、「カウンセラーらしく振る舞おう」となってしまいそうです。


そこで、行動から入っていくのが良いのではないかと考えます。


クライエントの話を聴いて、自分がどんなことを感じたのか、クライエントに伝えてみる。それが難しいなら、書いてみる。


クライエントの話しを要約する時に、「自分はこのように理解しましたが合っていますか?」という意味で要約をする。


最初は、「カウンセラーらしく振る舞おう」というのがあったとしても、行動を続けていくうちに、それが薄れていって、いつの間にか「偽りのない、一人の人間として」クライエントの話に耳を傾けることができるようになっていくのではないでしょうか。



また、普段から折に触れて自己概念をチェックすることも良いのではないかと。


「一致の達人」になる必要はないということでしたが、自分が感じたことや体験したことについて、「私らしくない」というような認められない気持ちが湧き上がってきたら、


「私は〇〇である」という自己概念が、狭くなり過ぎてはいないか、強くなり過ぎてはいないか確認して、「私は〇〇もあるし、〇〇もある」というような、柔らかな自己概念になるように軌道修正をしていくということですね。

おわりに

いかがでしたか?今日は、池見先生の講座で学んだことから、心理カウンセラーとして知っておきたい「自己一致」について書きました。


池見先生の講座に参加することで、カウンセラーが自己一致しているというのはどういうことなのか、理解することができました。


また、こうやってブログに書いていく中で、そもそも自己一致と不一致ってなんなのか?というところについても理解が進みました。


池見先生から「自己一致」について学んだことの中から、僕は、“クライアントとの関係において、「カウンセラーという役割を演じる」もしくは、「カウンセラーのふりをしている」のではなく、瞬間瞬間において「偽りのない」素直な人間として、存在していること。”ということを、まずは大切にしていきたい思います。

池見先生の講座はこちらでチェック!

池見先生の公式ホームページです。最新の開催講座が随時UPされています。ぜひ一度、池見先生のお話を生で体験してみてくださいね!

Akira Ikemi, Ph.D. 池見 陽

引用・参考文献

今回のブログで紹介している池見先生の著書です。2冊を紹介します。


『心のメッセージを聴く』は、中核3条件を「カウンセリング・マインド」という表現で説明していて、普段の生活レベルへの活かし方も書かれています。ロジャーズの来談者中心療法についてもたくさん書かれています。

 

心のメッセ-ジを聴く (講談社現代新書)

心のメッセ-ジを聴く (講談社現代新書)

 

 

一方で、『傾聴・心理臨床学アップデートとフォーカシング』はロジャーズの理論についての誤解を解く内容が書かれていたり、来談者中心療法以外の療法についても、池見先生が解説をされています。


そして、その上で、来談者中心療法のアップデート版ともいえる、フォーカシング指向心理療法について、事例を交えて書かれています。


ロジャーズをきちんと理解した上で、ジェンドリンを知ることができる、一石二鳥以上のお得な本でもあります。

 

傾聴・心理臨床学アップデートとフォーカシング―感じる・話す・聴くの基本

傾聴・心理臨床学アップデートとフォーカシング―感じる・話す・聴くの基本

 

 

ぜひ、手にとって読んでみてくださいね!

 

あわせてどうぞ!

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良好なコミュニケーションを取るために心に留めておくと良い名言

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こんにちは。どいつよしです。
 

対人関係において言葉を使ってのコミュニケーションは欠かせません。でも、言葉というものはしばしば使い方に苦労するものでもあります。
 

言葉は時には相手を幸せにし、時には相手を傷つけてしまう。使い方によって、暖かく包み込む毛布にもなれば、鋭く切り込む刃物にもなります。
 

メールやLINEを使った、相手の表情が見えない言葉のやりとりでは、何気なく送信した言葉が、意図しない受け取り方をされて、大きなトラブルに発展することもしばしば。
 

SNSが発達した現代においては、誰もが自分の意見を発信できる反面、誤った言葉を使ったことによって、またたく間に炎上してしまうことも珍しいことではありません。
 

こんなはずじゃなかったのに。。。と、後悔すること、僕もたびたび経験しています。
 

だから、僕を含めて誰もができることなら良好なコミュニケーションを取りたいと思っているのも事実です。巷に溢れているコミュニケーション本の多さがそれを物語っています。
 

本に書かれているメソッドを実践していくことができれば、コミュニケーションは以前より良好なものとなっていくでしょう。
 

でも、僕は、言葉を発するその人に言葉を受け取る側への配慮や気遣いがないとせっかくのメソッドも本領を発揮できないと思います。
 

言葉を発する側の心掛けを教えてくれる名言があります。
 

それは、
 
 
 

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私の声が私の口から離れた瞬間、それはもう大衆のもの
 

というものです。
 

この名言を残されたのは、昭和45年に大阪で開催された日本万国博覧会の有名なテーマソング「こんにちは~♪こんにちは~♪せかいの~♪くにから~♪」を歌っておられる三波春夫さん。

三波さんの芸に対する真摯さは人一倍だったとされ、


「いかに大衆の心を掴む努力をしなければいけないか、お客様をいかに喜ばせなければいけないかを考えていなくてはなりません。お金を払い、楽しみを求めて、ご入場なさるお客様に、その代償を持ち帰っていただかなければならない。」


と語ってもおられます。
 

三波春夫さんが仰った、
 

私の声が私の口から離れた瞬間、
それはもう大衆のもの
 

という言葉は、
 

対人関係でのコミュニケーションにもあてはめていくことができます。
 

1対1の場合であれば、「私の声(言葉)が私の口から離れた瞬間、それはもう相手のもの」となりますし、
 

1対多の場合であれば、「私の声(言葉)が私の口から離れた瞬間、それはもうみんなのもの」となります。
 

ブログやSNSでの発信であれば、「私の声(言葉)がインターネットに流れた瞬間、それはもう世界中の人のもの」となります。
 

声(言葉)が私の口から出た時には、それはすでに私のものでは無くなっている。
 

その声(言葉)が届く人にどんな影響を与えることになるのかを想像して、発言していくようにしていければ、バッドコミュニケーションによるトラブルを防ぐこともできていくのではないでしょうか。
 

そしてそれは、口からの声や言葉に限らず、ブログやツイートなど、自らが発信するもの全てにもあてはまりますよね。
 

「発した瞬間から相手や大衆のものになる」ということを僕も心に留めて、ココロの皮むきブログを見てくれた人に少しでも良い影響を与えられるようにこれからも書き続けていこうと思います。


読者様は神様です!

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