ココロの皮むき

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『今日が人生最後の日だと思って生きる』は人によっては逆効果になる!?

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こんにちは。どいつよしです。
 
 
「今日が人生最後の日だと思って生きなさい」という言葉、よく耳にしますよね。
 
 
あのAppleの創始者、スティーブ・ジョブズも「今日が人生の最後の日だとしたら、あなたはどう生きますか?」という言葉を有名なスピーチで述べられています。
 
 

私は17歳のときに「毎日をそれが人生最後の一日だと思って生きれば、その通りになる」という言葉にどこかで出合ったのです。それは印象に残る言葉で、その日を境に33年間、私は毎朝、鏡に映る自分に問いかけるようにしているのです。「もし今日が最後の日だとしても、今からやろうとしていたことをするだろうか」と。「違う」という答えが何日も続くようなら、ちょっと生き方を見直せということです。

 自分はまもなく死ぬという認識が、重大な決断を下すときに一番役立つのです。なぜなら、永遠の希望やプライド、失敗する不安…これらはほとんどすべて、死の前には何の意味もなさなくなるからです。本当に大切なことしか残らない。自分は死ぬのだと思い出すことが、敗北する不安にとらわれない最良の方法です。我々はみんな最初から裸です。自分の心に従わない理由はないのです・・・

「ハングリーであれ。愚か者であれ」 ジョブズ氏スピーチ全訳 :日本経済新聞

 
 
『今日が人生最後の日だと思って生きる』ことは自己啓発本にもよく登場します。
 
 
でもね、この言葉、使う人によっては逆効果になることがあることがわかったんです。
 
 
そのことについて今日は書きますね。
 
 

今日が人生最後の日だと思って生きる効果とは?

まず、なぜ今日が人生最後の日だと思って生きることが良いと言われるのでしょうか?
 
 
その理由はひとつではないようなのですが、僕が調べてみた限りだと。。。
 
 
・自分の本当にやりたいことが明確になる 
・時間を有効活用するようになる 
・自分で限界を決めて諦めることがなくなる 
・最大の成果が出せるようになる 
・後悔のない人生を歩めるようになる 
・気持ちが前向きになる 
・だらしない生活にサヨナラができる 
・人に優しくなれる 
・大切な人に感謝の言葉を言える

 

 
などがありました。
 
 
たしかに、これだけ見るとやってみる価値はありそうな気がしますよね。ジョブズをはじめ、実践者には成功している人が多いというところも魅力的に感じます。
 
 
では、どうして僕がこの「今日が人生の最後の日だとしたら・・・」について、逆効果になることがあるとわかったのか!?
 
 
それは、、、
 
 

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僕自身がそうだったから〜。笑
 
 

自分に厳しい人にとっては逆効果!?

あれは心理学を学び始めた頃でした。その時の僕は、自分自身にとても厳しい人でした。(今もまだ厳しいのですが^^;)
 
 
ある心理学のセミナーでこの言葉を教わった時に、その先生がとても魅力的な方だったのでモデリングしようと思い、実践してみたんです。
 
 
実践した結果どうなったか? 
 
 
できない自分を責めるようになってしまったのです。
 
 
そもそも、自分にとても厳しい人は、普段から自分自身にものすごいプレッシャーをかけて過ごしています。
 
 
頑張れ!頑張れ!もっと頑張れ!ってね。
 
 
それはもう、病気になるくらい。。。
 

 

 
 
僕はギリギリのところでしたが、自分にプレッシャーを与えすぎた結果、精神疾患に陥ってしまう人もいます。
 
 
このように自分に厳しい人は、普段からすでに身を削って「今日の人生が最後の日だとしたら・・・」くらいのことはやっているわけなんです。
 
 
ただ、本人はそれに気づいていない。むしろ、まだまだ足りないと思っていることが多かったりします。
 
 
それで、そこに「今日が人生が最後の日だとしたら・・・」というプレッシャーがやってくるとどうなるでしょうか。
 
 
コップ満タンの水にさらに水を注ぐと溢れてしまうように、できないことがダバダバと増えていってしまいます。
 

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でも、自分に厳しい人はそれが許せません。できない自分を責めます。
 
 
「なんでお前はできないんだよ!」とか、「今日をもったいなく過ごしてしまった!バカバカバカー!」ってね。
 
 
本当はできなかったものよりも、できていることの方がはるかに多いんですよ。
 
 
でも、できていることを認めて、「できなかったこともあるけど、今日もこれだけやったんだ。凄いじゃないか。上等、上等。」とは、なかなかなりません。
 
 
"「今日が人生最後の日」だと思って過ごせなかった"というところばかりに焦点が合ってしまい、自分を責めます。
 
 
これが数日続くともう地獄です。ほんとに僕がそれでした。
 
 
僕はなんとか「今日は人生最後の日だと思って過ごせた」という日を作りたかったので、ToDoリストを作成して、その日に達成したいことを管理しようとしていたのですが、増えはするものの、なかなか減らない。
 
 
人間は機械ではないですからね。常時100%の稼働率で動くことは不可能です。
 
 
今、こうやって冷静に振り返ると、「ほんま無理なことやってたなぁ」と思えるのですが、当時はそのように思うことができず、予定していたように動けない自分を責める日々が続いてしまいました。
 
 

できたことノートとの出会いとカウンセリング

そんな地獄の日々から抜け出すきっかけは「できたことノート」に出会ったことと、先輩カウンセラーのカウンセリングを受けたことでした。
 
 
まず、「できたことノート」の説明をしますね。
 
 
一冊のノートを用意し、できたことだけを書いていきます。
 
 
以上。笑
 
 
慣れてくると、できたことから次の行動を起こせるように深めていくのですが、はじめはシンプルにできたことを書いていきました。
 
 
できたことノートをつけていくと、最低限やらないといけないことや、締切りがあるものは当然できているし、それ以外でもできていることがいっぱいあることに気づくわけです。
 
 
そういった気付きも一緒にメモしていきます。
 
 
そして、毎日ノートをつけていくうちに、「これだけのことやってたら、時間がなくなって当然」とか「こんなにできていることがあったら、もうじゅうぶんなんじゃない?」と思えるようになっていきました。
 
 
そして、先輩カウンセラーのカウンセリングを受けたことも効果がありました。
 
 
カウンセリングの中で、付箋一枚一枚に、自分が一日でやっていること、やりたいこと、心がけていることを色を分けて書き、それをA3の用紙に貼っていくワークをしました。
 
 
付箋がA3用紙にびっしり貼られているのを見て、一日の限られた時間の中でたくさんのことをやっているのかや、やろうとしているのかが客観的にわかり、「これはすごいわ・・・」と我ながら驚くと同時に、これを毎日続けるのは到底ムリ!と納得することもできました。
 
 
そして、それを毎日やろうとしていた自分に向けて「ほんまに毎日よく頑張ってるわ」とねぎらいの言葉をかけてあげたくなりました。
 
 
できたことノートとカウンセリングで「今日が人生最後の日だと思わなくても、じゅうぶんやれている。」と思えるようになっていきました。
 
 

今日が人生最後の日だなんて思わない!

何度も言いますが、自分に厳しい人は、普段から、もうじゅうぶん頑張ってきています。
 
 
普段からじゅうぶん頑張っている人は、今までどおりでいいんだと思います。
 
 
普段から普通にできているということほど、実は他の人からしてみると「凄い!」ってなることが多いですしね。
 
 
なので僕は、自分に厳しい人は、「今日が人生最後の日」って思わない方が良い!そっちの方がよっぽど健康的にいられると思っています。
 
 
その代わり、毎日こういう言葉を使って、自分をいたわってあげてほしいですね。これは僕自身にも言えることですが。^^;
 
 
「毎日が人生最後の日になるくらい頑張ってるよね。ほんとにお疲れ様。今日はゆっくり休もうね。」ってね。
 
 
先述したできたことノートと併用して、自分をいたわる時間をほんの数分でもつと、自分のできていないことばかりに焦点が合うようにはならないし、過剰に自分を責めることもなくなるのではないかと思います。
 
 
ちなみに、できたことノートのつけかたや活用方法については、この本がオススメです。
 
 
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また、「できたことノートを使ってもやっぱり自分を責めてしまう」とか、自分をいたわる余裕もないくらい精神的にとても辛いという場合には、カウンセリングを受けてみることをオススメします。
 
 
こちらに、僕の知っている先輩カウンセラーが活躍しているところを紹介しておきますね。
 
 
 

メンタルヘルスのプロの助けを得ることで、自分ひとりではどうしようもなかった苦しみから解放されるきっかけが得られる思います。
 
 
 
 

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