普段の人間関係にも使える!コンプリメント(ほめる・ねぎらう)の効果を最大にするためにできることとは?
こんにちは、どいつよしです。
今読んでいる本のひとつに『林恭弘著 誰といても疲れない自分になる本』があります。
林先生は僕が日本メンタルヘルス協会で心理学を教わった先生のひとりで、現在はビジネス心理コンサルティング株式会社の代表取締役をされていらっしゃいます。
この本には、人間関係で疲れてしまいがちな人に向けて、疲れるメカニズムと苦手な人間関係から解放され、ラクになる考え方や接し方のコツが紹介されています。
そして、その中に、僕が学んでいる心理療法のひとつ、ソリューション・フォーカスト・アプローチ(以下SFAと記載)の土台と言われるほど大事な技法、「コンプリメント」に通じる内容を発見しました!
その内容は、コンプリメントを実践していくにあたり、その効果を最大限にアップさせることができるヒントになるのではないかと思えるものでした。今日は、それをシェアしていきたいと思います。
コンプリメントのおさらい
本題に入る前に少しだけコンプリメントについておさらいをします。
コンプリメントには、ほめる・ねぎらうという意味があり、相手が元気になる言葉ややる気になる言葉をかけることです。
そして、自己評価を高めることを促します。また、相手の存在を肯定することにもなり、よい関係性をつくることに繋がります。
さらに、コンプリメントはカウンセリングの時だけでなく、普段の人間関係を良好にすることもできるので、知っておくととても役に立つ技法です。
もっと詳しくコンプリメントについて知りたい方は、こちらの記事もご覧くださいね。
最高のほめ言葉を伝える達人の話
さて、ここからが本題です。
『誰といても疲れない自分になる本』で【本音で付き合える「いい空気」のつくり方】として、「ほめる」ことが取り上げられていました。
「ほめる」といえばコンプリメントですよね。コンプリメントといえばSFA。SFAを学んでいるといえばどいつよし。笑
「ほめる」は、SFAを学んでいる僕にとって見て見ぬふりのできないワードでもありますので、一文字たりとも見逃さないという気合いで読みました。
そして、最高のほめ言葉を言う人として映画監督の山田洋次さんが紹介されていたのですが、監督が演技指導で大切にされていることが、まさしくコンプリメントを実践していくにあたってすごく重要なものでした。
山田洋次監督が大切にされていること、
それは?
「どこでほめようか、いつも考えている」
ということ。
出演者に厳しい要求を出す中でも、「この俳優はどこがすばらしいのか」「あの女優は、どの表情が一番きれいに映るのか」「どのように自分が関われば、さらにすばらしさを引き出すことができるのか」を常に考えているということでした。
眼の前の人をよく観察し、自分が感じていることにもしっかり目を向け、どのタイミングでどういう言葉でもって伝えると相手を最高に光らせることができるのか、というプロセスを経ての「ほめ」は、きっと、ほめられた側の心にそれはそれは強く響くものになるのではないかと想像します。
林先生は、山田監督が伝える最高のほめ言葉について「心の込もったひと言である」と表現されていますが、これもコンプリメントにあてはまります。
コンプリメントをする時に大切なのは、心が込もっていること。自分の心に感じたことを伝えることです。そして、伝えた言葉が相手の心に響くものかどうかで、その効果が大きく変わってきます。
ですので、山田監督のような姿勢でコンプリメントができるようになれば、最高のコンプリメントができるようになる。そうなれば、コンプリメントの効果も最大限まで引き上げることができるのではないかと、僕は考えました。(それがこの記事のタイトルにつながります)
最高のコンプリメントができるようになるには?
山田洋次監督のような姿勢でコンプリメントができるようになるには、どうすればいいのでしょうか。
やはり、「どこでコンプリメントしようか、いつも考える」ことを習慣づけることかと思います。
そこで、山田監督を参考に、「どこでコンプリメントしようか、いつも考える」ということを習慣づけていくにあたり、意識していきたいことをまとめてみました。
・相手のどこがすばらしいのか・相手のどこに自分の心が動かされたのか・どのように自分が関われば、さらにすばらしさを引き出すことができるのか
まずは、これを日常生活レベルで、普段の人間関係の中でやってみるようにします。そして、それにプラスして考えた内容を実際に伝えていくところまでやってみるようにします。
やっぱり実際に伝えてみてわかることも多いですからね。
はじめは、なかなかうまく言えなかったり、タイミングがズレたりすることがあると思われます。でも、続けていくことで、きっと絶妙なタイミングで相手の心に響くコンプリメントができるようになっていくのではないかと思います。
SFAの先輩は、コンプリメントを習慣づけるために、職場の机の上のいつも目に見える場所に【コンプリメント】と書いたメモを貼っていたそうです。そのようにしてメモに【どこでコンプリメントしようか、いつも考える】と書いて貼っておくのもよいですね。
普段の人間関係では、中長期的に相手のことを観察できるので、「どこでコンプリメントしようか、いつも考える」ことを実践しやすいですが、カウンセリングは、一期一会で終わる場合もあるので、すぐにそれを実践するのは難しそうです。
だからこそ、短い時間の中でも効果的なコンプリメントができるように、日常生活においての実践が欠かせませんね。
また、林先生は、「ほめるにしても、叱るにしても、相手に対しての尊重と愛情、未来への期待がなければ、どのような言葉をかけようが無意味ー<中略>ー「どこでほめようか、いつも考える」ことは、尊重と愛情、未来への期待の表れ」と述べられています。
この言葉もコンプリメントを実践していくにあたって大切なものなので、頭に入れておきたいです。(忘れたらまたここを見返します)
謙遜の壁を超えていけ!
あと、コンプリメントを実践し始めると必ずぶつかるのが、【謙遜の壁】。
コンプリメントをした時に、相手から「ぜんぜん、私なんてたいしたことないですよ。」というような謙遜する言葉が返ってきて、その返答に困るというパターン。
僕もよく経験します。
そんな時は、「そうなんだね。ただ、私はそう感じたんだ。」と言って終わりにすれば大丈夫です。
おわりに
いかがでしたか?
今日は、「コンプリメント(ほめる・ねぎらう)の効果を最大にするためにできることとは?」ということで、映画監督の山田洋次監督のお話しを参考にして書きました。
「どこでコンプリメントをしようか、いつも考える」ことを習慣にして、他人に対してだけでなく自分に対しても、最高のコンプリメントができるようにしていきたいところ。
まずは、
・相手のどこがすばらしいのか・相手のどこに自分の心が動かされたのか・どのように自分が関われば、さらにすばらしさを引き出すことができるのか
を意識するようにして、生活していってみようと思います。
コンプリメントは、カウンセリングだけでなく普段の人間関係を良くすることにも役に立ちますので、興味をもたれましたらぜひトライしてみてくださいね。
なお、冒頭のイラストは イラストレーター しのみさんによる「イラストAC」からのイラストです。コンプリメントで人間関係がとても良くなったことのイメージにふさわしいと思って使わせていただきました。
参考文献
↑↑ ビジネス心理コンサルティング株式会社の代表取締役をされている林恭弘先生の本。
この本には、人間関係で疲れてしまいがちな人に向けて、疲れるメカニズムと苦手な人間関係から解放され、ラクになる考え方や接し方のコツが紹介されています。
心理学にあまり馴染みがない人にもわかりやすいように、専門用語は少なめに、事例は多めに書かれているという点でもオススメの一冊です。
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SFAの学びの記録
2017年から学びはじめたSFAについて、学んだことを記事にして残しています。
SFAの技法は普段の人間関係に役立てることができるものが多いので、ぜひ、合わせて読んでみてくださいね。