【SFA】気持ちの程度を知るためにスケーリング・クエスチョンを使ってみたらどうなったか
こんにちは。どいつよしです。
今日もソリューション・フォーカスト・アプローチ(以下SFAと記載)についての書きます。
SFAってなに? 韓国の新しいボーカルグループ!?
って思った人はこちらを読んでみてくださいね。
さて、SFAの技法のひとつに「スケーリング・クエスチョン」というものがあります。少しおさらいをしましょう。
スケーリング・クエスチョンのおさらい
1から10のスケール(尺度)で、クライエントに今現在の状態を評価してもらう質問です。
今現在の状態を数値に置き換えることにより、クライエントとカウンセラーの双方が理解しやすくなるとともに、問題の解決についての具体的なリソース(資源)を探していきやすくするというメリットがあります。
【自己評価、面接前の変化、自信、変化への意欲、望みを実現しようとする意志、問題の優先順位、見通し、進歩の評価を知るため 等】に用いることができます。
例えば、
「1から10までのスケールで、1があなたにとって問題が最悪だった時、10があなたがもうそのことで悩まなくていい状態としたら、今日はいくつでしょうか?」
というように使います。
また、近所の整骨院では、
「1から10までのスケールで、1がほとんど痛みがない状態、10がかなり痛みがあ
る状態としたら、今日はいくつでしょうか?」
というように使っているのを知りました。
医療現場では、10を最も状態が悪い状態として扱うことが多いそうです。
もっと詳しく知りたい方は、「今の状態を数字で表現する」 スケーリング・クエスチョンをソリューションフォーカストアプローチセミナーで学んできた を読んでみてくださいね。
先述したように便利な使い方ができるスケーリング・クエスチョンですが、この技法を覚えたての頃、電話相談を受けた時に使ってみて効果があったことをシェアしたいと思います。
「傷ついた」と繰り返す相談者にスケーリング・クエスチョンを使う
相談者の方は何度も「傷ついた」という言葉を使う方でした。ただ、電話の声だけではどのくらいその方が傷ついたのかがどうしてもわかりませんでした。
このままでは、相談者を理解することができない。。。
そこで、思い切ってスケーリング・クエスチョンを使ってみることにしました。
会話の一部はこんな感じでした。
ーーーー
相談者「世の中に出たら、いろんな人に傷つけられて。わたし、傷ついたんです。」
僕「すみませんが、あなたのことを理解したいので、少し変わった質問をさせてくださいね。」
相談者「はい」
僕「1から10までのあいだで、あなたが全く傷ついていないのを0として、ひどく傷ついたのを10としたら、今日はどのくらいですか?」
相談者「う〜ん、6か7ですね。」
僕「6か7なんですね。10までではないということですね。」
相談者「そうですね。」
ーーーー
このやり取りを通じて相談者の「傷ついた」という気持ちの程度がわかり、内心ホッとしたことを覚えています。
その後、「10ではなくて6か7とお答えになったのはどんなことで?」という質問を続けてみたところ、「よいこともありました。」という言葉とともに例外の部分に焦点があたり、そこから具体的なリソースを探していくことになりました。
結果的に、この時はスケーリング・クエスチョンが効果を発揮して、相談者の気持ちの程度を知ることができ、話を前に進めていくことができました。
また、気持ちの程度をスケーリングすることで、相談を受けた側も安心して話が聴けるし、相談者の今の状態を尊重しながら話を進めていくことができやすくなる、ということがわかりました。
このことがきっかけで、僕は電話相談でもSFAの技法を織り交ぜていくようになりました。
さらに、もっとよい言い回しのスケーリング・クエスチョンがあった!
SFAの勉強を続けていく中で、もっとよいスケーリング・クエスチョンの言い回しに出会いましたのでそちらもシェアしたいと思います。
先程の事例にあった、相談者が頻繁に使っていた「傷ついた」という言葉をそのままスケーリング・クエスチョンに使った場合、その言葉にひっぱられてしまって相談者がしんどくなってしまう状況も考えられたということがわかりました。
「傷ついた」という言葉を使わずにスケーリング・クエスチョンをするなら、
今まで生きてこられた中で、どうしようもなくしんどかった時を0、そこそこましだったという時を10としたら今日のあなたはどのくらいですか?
という言い回しをした方が、より一層よいそうです。
この言い回しは「傷ついた」に限らず、相談者やクライエントの問題に関わるネガティブな事柄についてスケーリングをしたいときに応用できるので、覚えておこうと思っています。
おわりに
いかがでしたか?
今日は、SFAの技法のひとつであるスケーリング・クエスチョンをクライエントの気持ちの程度を知るために使ってみたことについて書きました。
スケーリング・クエスチョンは、クライエントとカウンセラーがひとつの数字を共有することで問題が扱いやすくなるので、習得すると便利な技法です。
ただ、使い始めると、どのような言葉を使って質問を作るのかが難しいという部分もあります。
学んで終わりではなく、積極的に使ってみて、クライエントの反応を見ながら磨いていくことが大切だなと改めて思いました。
参考文献
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最新の第4版は事例が増えて、とても濃い内容になっています。本はかなりデカイです。もはやこれは図鑑です。本を持ち歩く人はオススメしません。本を持ち歩くことが多い人は、単行本サイズの第3版がオススメです。
ちなみに、僕は、第4版を持っています。本気なので(笑)。