ココロの皮むき

産業カウンセラーが学んできたことを書くブログ

アンガーマネジメントは【怒りで後悔しないこと】を目指すものだった話

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こんにちは、
 
 
この記事を書くため久しぶりに
 
 
 
 
の意味を調べた、どいつよしです。
 
 
先日、以前より興味のあった、アンガーマネジメントの講座に行ってきました。
 
 
アンガーマネジメントという言葉は知っていて、「怒りを感じたら6つ数えましょう。」というくらいの知識はありましたが、ちゃんと学んでみたいと思って参加しました。
 
 
そこで、まず誤解していたのが、「アンガーマネジメントは怒らないことを目指すものだ」ということ。
 
 
これ、ちょっと違っていました。
 
 
では、本当はなんなのか書いていきますね。
 
 

アンガーマネジメントが目指すのもの

「アンガーマネジメントは怒らないことを目指すものではない」ということでしたが、では、なにを目指すのでしょうか? プンプン!
 
 
それは・・・プンプン!
 
 

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怒りで後悔しないこと
 
 
だそうです。
 
 
【怒りで後悔しないこと】ということはどういうことかというと、
 
 
怒りを感じた時に、怒る必要のあることは上手に怒れ、怒る必要のないことは怒らないようになること。
 
 
です。
 
 
私たちは、怒りに身を任せて怒った後で後悔したり、怒りを抑えつけて怒らなかった後で後悔したり、
 
 
といったことをはじめとする、怒りを感じた後の行動[怒り方]で、
 
 
人を傷つけたり、自分が傷ついたり、距離が空いてしまったり、気まずくなったりして、後悔することが多くあります。
 
 
それに対して、
 
 
怒るか怒らないかの線引きを自分でできるようになり、それによって後悔しない怒り方ができるようになること
 
 
を目指すのがアンガーマネジメントということです。
 
 
まったく怒らないとか、怒りの感情を感じないという、悟りを開いたかのような状態を目指すのではないということです。
 
 

そもそも怒りは悪いものではない

怒りに対するイメージは、


怒りは悪いものである


というのが世間一般ではないでしょうか。


でもこれも誤解なようで、

 

アンガーマネジメントでは、怒りについて
 
 
怒りの感情そのものは悪いものではない
 
 
という受け取り方をします。


その理由は、怒りは人間にとって、なくてはならない自然な感情の1つだから。


怒りは、 「自分たちの安全がおびやかされた時に、身を守るために必要な感情」で、怒りのない人はいないし、なくすことも不可能なものなのだそうです。


怒りは「本来は私たちの味方なんだ」ということも言えますね。


以上のように、「怒りの感情そのものは悪いものではない」ということがわかると、アンガーマネジメントが、


怒りそのものをどうこうするのではなく、怒り方をどうこうしていくもの


ということがわかりますね。

 
 

怒り方は古代ギリシャからの課題

実は、怒り方については、古代ギリシャの時代からの課題になっていたようです。
 
 
西洋の偉大な哲学者のひとり、アリストテレスが以下のような言葉を残しています。

 
 

「怒ることは誰にでもできる。ただ怒るのは簡単なことである…しかし適切な相手に、適切な程度に、適切な場合に、適切な目的で、適切な形で怒ることは容易ではない。ウィキペディアより引用

 

 

アリストテレスが存命したのは紀元前384年〜322年といわれています。

 
 
ということは、約2300年もの間、人類の課題として君臨してきたことになりますね。
 
 
しかし、残念なことに令和の時代になっても、僕を含むほとんどの人が怒り方について教えてもらうことなく、人生を歩んできています。
 
 
怒りを感じた後の怒り方がわからないことで、生き辛さを感じてしまっている人や、感じさせられている人が結構います。
 
 
さぞ、アリストテレスもそのことを天国から憂いているに違いありません。
 
 
アンガーマネジメントを学び、適切な怒り方ができるようになることは、私たちの生き辛さを軽減させていくだけでなく、人類が長年抱えてきた課題を解決へ導いていくという、壮大なドラマへの挑戦でもあると言えますね。笑
 

 

最後にアンガーマネジメントの生い立ちを

順番が逆やん!
 
 
って感じですが、最後にアンガーマネジメントの生い立ちを少し。
 
 
アンガーマネジメントについては、「この人が創始者です!」という人がいないのとのこと。自然発生的に広まっていったと言われています。
 
 
アメリカでは犯罪者の為の矯正プログラムに組み込まれていて、裁判の判決で「被告人にアンガーマネジメントをやるように命じる!」となったりするのだそうです。
 
 
有名人にも取り入れている人がいて、テニスのロジャー・フェデラーや、元サッカー選手でタレントの前園真聖さんが知られています。
 
 
また、認知行動療法やソリューション・フォーカスト・アプローチの考え方をベースにしているので、学びが進むと「確かに!」と思いあたるところがいくつも出てきます。
 
 
例えば、
 
 
怒りの感情が生まれるプロセスは、事柄→意味づけ→怒り
 
 
だと考えます。
 
 
ここのところは、まさに認知行動療法の考え方ですね。
 
  

感想

今まで、僕も怒りに対してネガティブなイメージを持っており、「怒りは悪いものだ」と思ってきました。
 
 
そして、怒りを抑え込んで後になって思い出してイライラするということが多く、怒りの感情を覚える自分に対して残念な気持ちになったりしていました。
 
 
今回、アンガーマネジメントを学ぶことによって、「怒りの感情自体は僕にとって自然で大切なものなんだ」ということがわかったことは、安心感を得るものでした。
 
 
また、怒る必要のあることは上手に怒れ、怒る必要のないことは怒らないようになることで、怒りを抑え込んで後になって思い出してイライラすることを減らしていくことが期待できそうです。
 
 
アリストテレスの憂いが少しでも晴れるように、アンガーマネジメントの学びと実践も続けていきたいと思います。