ココロの皮むき

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[期待を制する者は怒りを制す!?]怒りは期待が裏切られた時に湧いてくることがわかるとコントロールしやすくなるという話

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怒りは期待が裏切られた時に湧いてくる!?

 

こんにちは。どいつよしです。

 

怒りの感情が湧いてくる時って、どんな時が多いですか。

 

お腹が空いた時、疲れている時、子どもがグズグズいうとき、パートナーが話をちゃんと聞いてくれなかった時、駅で後ろの人にかかとを踏まれた時、好きな芸能人が結婚してしまった時、何時間もかけて並んだのに目の前でスープが切れて絶品ラーメンにありつけなかった時、etc...

 

枚挙にいとまがないですよね。

 

その怒りの感情が湧いてくる時に、私たちの心の中に存在しているある感情が影響していると言われていますが、何だと思いますか?

 

それは、

 

 

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期待〜!!

 

 

なんか面白そうですよね!?

 

では、さっそくいってみましょう!

 

 

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ということです。

 

 

期待する内容の変更にスケーリングを応用する

上のマンガの中で、「期待する内容を変えてみる」ということを書きました。これは、言い換えると「期待の大きいものから小さいものへ変えてみる」ということでもあります。

 

僕が取り入れているやり方は、紙に0〜10のスケールを書いて、「最低限このくらいの値は期待したい」という数値を選びます。そして、その数値の下に、期待する内容を書くというものです。

 

その後、プロセスが進んでわかった結果を、再びそのスケールに書き込みます。期待通りだったのか、裏切られたのか。裏切られた時は怒りを感じたかどうかを記録します。

 

怒りを感じたとしても、以前と比べて強さは違うかどうかを記録します。怒りが弱くなっていれば効果ありです。

 

上のマンガで出てきたジャイアンツの試合は自分でコントロールできるものではないので、試合結果の受け止め方を変えていく必要があります。

 

「絶対勝つ」が10だったら、少し数値を下げてみて「最低限、全カード勝ち越す」ということにしてみることで、負けを受け入れることができる心の準備ができるのではないでしょうか。

 

怒りが湧きにくくなる期待内容にいきつくまで、ある程度の試行錯誤は必要ですが、「これだ!」というものが見つかると、強い怒りを感じることが減っていくと思います。

 

 

期待を手放すにはどうすればいいか?

例えば「脱いだ服は脱いだ人が片付けて欲しい」という期待を手放すにはどうすればいいでしょうか。

 

期待を手放す鍵は、こちら側の価値観や信念にあります。

 

「脱いだ服は脱いだ人が片付けるべきだ」という信念があるので、相手にもそれを期待してしまうのです。

 

その期待は身近な人にほど強くなります。「言わなくてもやってくれるはず」という期待とともに。

 

どんなに身近な人であっても、価値観や信念は違います。

 

わたしは「脱いだ服は脱いだ人が片付けるものだ」であっても、相手は「脱いだ服は母親かそれに代わる人が片付けるものだ」かもしれません。

 

相手への期待に、「同じ価値観や信念であること」を求めていないかを疑い、価値観や信念の違いを認めることが、期待を手放すことへと繋がっていくと思います。

 

期待を手放すことができたら、「脱いだ服はわたしが全部片付ける」のか、「わたしが声がけをして片付けてもらうようにする」のかというような、「言わなくてもやってくれるはず」以外の行動を考えることができます。

 

ただし、相手もこちら側に同じ価値観や信念であることを求めてくることもあるので、声がけをしても相手が難色を示す場合もあります。

 

もし、「脱いだ服は脱いだ人が片付ける」ということにしたいのであれば、価値観や信念の違いを認めた上で、お互いが納得してすることができるやり方を建設的に議論していく必要があります。

 

その際には、ブレスト(ブレインストーミング)もひとつの手段として役に立つと思います。

 

 

感想

アンガーマネジメントでも、怒りは期待が裏切られた時に湧いてくるということを学びましたが、時同じくして「プルチックの感情の輪」を知り、それが「怒り」と「期待」の関係性を説明するのにピッタリだったことから、この記事を書くことにしました。

 

「プルチックの感情の輪」における怒りは、期待や恐れや悲しみといった他の感情と同じレベルで定義されていて、アンガーマネジメントの本や講座で学ぶ、「第2感情」の定義とは少し違いますが、様々な視点から怒りの感情について考えてみるきっかけになると思いました。

 

怒りの感情は、期待をコントロールすることによって軽減させることはできますが、完全に無くすことは不可能です。それは、以前から書いてきたように、怒りは人間にとって必要なものであるものということや、期待以外の要素もあるからです。

 

しかし、「プルチックの感情の輪」を見るとわかるように、怒りと期待があることによって攻撃が生み出されてくるということは、期待の影響の大きさを裏付けるものであると思います。

 

怒りの感情が湧いてきた時に、自分の中に期待の感情がなかったどうか振り返ってみることは、アンガーマネジメントを実践してくにあたって大切なことのひとつだと言えそうです。

 

 

参考文献・HP

『安藤俊介 著 アンガーマネジメント入門 (朝日文庫)

『戸田久実 著 アンガーマネジメント 怒らない伝え方

『嶋津良智 著 怒らない技術 (フォレスト2545新書)

『水島広子 著 「他人の目」が気になる人へ 自分らしくのびのび生きるヒント (光文社知恵の森文庫)

◆ビジネスのためのWeb活用術。『人間の感情は色で分類すると関連性がわかる?プルチックの感情の輪 https://swingroot.com/plutchik-emotion/

◆シックスセカンズジャパン『感情のリテラシーを高める プルチックの感情の輪 https://6seconds.co.jp/eq-articles/plutchiks-model-of-emotions

 

 

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