ココロの皮むき

産業カウンセラーが学んできたことを書くブログ

乳児期の祖父母の支援が新米両親の危機を救い家族の絆をリメークするという話

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こんにちは。どいつよしです。
 
 
家族問題評論家の宮本まき子さんの「新米バアバ&ジイジの孫育て ー家族の絆リメークの好機ー」というコラムを読みした。
 
 
孫の誕生にともなう祖父母の育児参加を、家族の絆をリメークし強める機会になるととらえ、
 
 
新米両親がゆっくり食事をできて、夜も眠れるようになるまでの「崖っぷちにいる自覚さえなく疲弊していく危機」に、
 
 
「祖父母を頼らずに育てよ」という精神論は後回しにして、体を張ってサポートに入ることをすすめる内容でした。
 
 
 
祖父母の育児支援は、社会福祉学博士ヘネシー澄子さんのお話しにも出てきます。
 
 
ヘネシーさんは、愛着のある安定した家庭および健全な子どもを育てる保護要素として、
 
 
・同じ家に住んでいる人たちの人間関係が思いやりと優しさに満ちている
 
・お互いに感謝の気持ちを持っていて、それを表現している
 
・笑いがある
 
・一人一人が家庭の中で自分のやる仕事を持っている
 
・日常生活の難関を皆で協力して処理している
 
・このような家庭に赤ちゃんが「グループの一員」として喜びを持って迎えられている
 
・家族全員が「ママ」の権威を立てて、ママが望む傍らからの支援を惜しまない

 

ということを言われています。
 
 
この内容は、祖父母の育児支援により、新米両親の負担が減って気持ちに余裕を持てるようになることで、さらに達成度が高まるとのことでした。
 
 
また、家族の絆のリメークを実現していくにも、「人間関係が思いやりと優しさに満ちている」「お互いに感謝の気持ちを持っていて、それを表現している」などの家族同士のポジティブなかかわり合いが必要不可欠だと思います。
 
 
この項目すべてを毎日実践することは難しいと思いますが(特に祖父母と新米両親が同じ家に住んでいる世帯は少ない)、できるところから、できる時間帯から、やってみると良さそうですね。
 
 

古い育児知識の上書きで支援力アップ

このように専門家から推奨されている祖父母の育児支援ですが、そのメリットをじゅうぶんなものにするにあたって大事なのは、古い育児知識の上書き。
 
 
例えば、
 
 
・進化し多様化するベビーグッズへの対応
 
・規則正しく3時間おきの授乳間隔から、欲しがる時に飲める量を与える自律授乳への変遷
 
・寝かせ方は枕ナシであおむけにし、うつぶせ寝は厳禁
 
・泣いたら抱っこや声がけでたっぷりのスキンシップを
 
・紫外線の害が心配な日光欲はNGで10〜30分間の外気浴を
 
・大人がなめた箸やスプーンは赤ちゃんの口には入れない
 
 
など、時代の移り変わりとともに、育児知識も移り変わっていっています。
 
 
「昔はこうだった」という文句は心のポケットにしまって、今の育児知識を一緒に学びながらサポートしていくことが大事だそうです。
 
 
新米ママは、乳児期のスターです。赤ちゃんにとっても、ママが一番。サポートに入ったつもりが、ママが子育てしづらい状況になってしまってはいけません。
 
 
でも、すごく新米両親が困っている状況で、それを打開するものとして、理論的かつ実践的に裏づけがあって明らかにバアバのやり方が良いと思われる場合は、提案という形で伝えるようにするとよいと思います。
 
 

育児支援におけるバアバとジイジの役割とは

宮本さんは、バアバとジイジの役割について次のように提唱されています。
 
 
バアバは経験者として新米両親のSOSに即応する。
 
 
ジイジはバアバの補佐に回る。
 
 
ジイジは、人によっては孫育てでまともに赤ちゃんのお世話に参加することになるかもしれません。最初は、バアバからのダメ出しが続いてイヤな気持ちになることもあるかもしれません。
 
 
でも、今の時代はひとりでも多くの協力者が必要です。新たに学び直す気持ちで、手も口も出し、時にはお金も出して協力に励むことが大事だそうです。
 
 
個人的には、ジイジも新米パパと同じ立ち位置にあるのかなと思うので、ヨシタケシンスケさんの『ヨチヨチ父』を読んで、楽しく学びながら参加してもらえればいいのかなと思います。
 

 

 

祖父母の育児支援を期待できない場合は?

いろいろな事情があって、祖父母に支援を頼めない場合はどうすればいいのか。
 
 
地域の子育てサークル、子育て広場に参加する
お住いの地域に子育てサークルや、子育て広場がないか調べてみてください。
 
 
その地域の民生委員や保健師経験者、保育士経験者などが主催して、週に数回開催して場合があります。
 
 
そこに参加していろいろと相談にのってもらうと良いと思います。場所によっては、訪問支援へ繋げてもらえることもあるかと思います。
 
 
 
児童家庭支援センターに相談する
1997(平成9)年の児童福祉法改正によって新たに制度化された児童家庭福祉に関する地域相談機関であり、2019(令和元)年9月1日現在、全国132センターが協議会に加盟しています。
 
 
民間の児童福祉法人が運営しているところが多く、専門的知識をもった職員さんが支援してくれます。
 
 
電話かメールでコンタクトを取り、必要であれば訪問支援をしてくれます。困ったら、気軽に電話かメールをしてみてはいかがでしょうか。
 
 
 
行政の母子保健課などの機関を使う
もちろん、各地域の行政機関にも保健師さんが常駐しており、子育てに関する相談にのってくれます。
 
 
僕の友人は何度も通って相談し、大変な時期を乗り越えたそうです。
 
 

まとめ

祖父母の育児支援は、新米両親の疲弊の危機を救い、チームで赤ちゃんを育てるという家族の一体感を創造することで、家族の絆のリメークに貢献します。
 
 
また、家族の絆のリメークには、思いやりのある優しい心や、互いの感謝の気持ちと言葉(言葉がないことが多いとのこと)が大切です。
 
 
お世話される方の赤ちゃんは、「グループの一員」として喜びを持って迎えられているという安心感が持て、身近な保護者との愛着の絆が結ばれることにより、健全な子どもへ育っていきます。
 
 
祖父母の育児支援のメリットをじゅうぶんに発揮するには、古い育児知識の上書きが必要です。そして、乳児育児のスターはママであるということを理解した上で、新米両親からのSOSへ即応する体制でいることが大事です。
 
 
ジイジは『ヨチヨチ父』を参考に学びながら、積極的に手、口、金を出しましょう。笑
 
 
祖父母の育児支援を得られない場合は、地域の支援機関に相談しましょう。ひとりで抱え込むことの方が危険です。支援機関には育児のプロフェッショナルが多いので、気軽に電話やメールで相談してみてください。