ココロの皮むき

産業カウンセラーが学んできたことを書くブログ

赤ちゃんに慣れるスキンシップ「ちょい撫で」のススメ

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こんにちは。どいつよしです。
 
 
僕は、子育ての経験が全くない状態から乳児院で働き始めました。
 
 
その時の心配ごとのひとつに、「赤ちゃんをちゃんと抱っこできるだろうか」というのがありました。
 
 
先輩職員さんたちがやっているように、優しく丸く包み込むようにできるのだろうか、力加減を間違って壊してしまわないだろうか、という不安がありました。
 
 
赤ちゃんを抱っこすることにも慣れた頃、僕の友人の新米パパに、「赤ちゃんをどういうふうに扱ったらいいのかわからなくてなかなか抱っこできない」、と相談されたこともありました。
 
 
赤ちゃんを抱っこすることへのハードルが高いと感じていたのは、僕だけではないんだなと思ったことでした。
 
 
僕や僕の友人のように、はじめての赤ちゃんを前にして、どう触れたらいいのかわからなくて戸惑ってしまう男性は意外に多そうです。
 
 
そこで今日は、僕も実践していた、行動療法の考え方を応用した、安心してできるところから赤ちゃんに触れて慣れていくスキンシップの方法をお伝えすることにします。
 
 
そのスキンシップの方法とは?
 
 

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「ちょい撫で」です。
 
 
 

ちょい撫でとは?

その名の通り、「ちょいと撫でる」ことです。
 
 
抱っこをすることに対するハードルが高い場合は、安心してできるところから赤ちゃんに触れていくことがオススメです。
 
 
ちょい撫でをして慣れたら、徐々に触れる範囲を広げていく。そして、そのプロセスの中で赤ちゃんの体の柔らかさや質感を知っていくことができます。
 
 
赤ちゃんの体の柔らかさや質感がわかれば、「だいたいこのくらいの力加減で大丈夫そうだな」というイメージが湧きます。
 
 
イメージが湧いてくると、赤ちゃんを抱っこすることへのハードルは低くなっていきます。
 
 
また、ちょい撫でをしながら、赤ちゃんとアイコンタクトをとったり、話しかけていくことで、赤ちゃんとの信頼関係も結ばれていきます。
 
 
言葉での意思疎通はないけれど、心で繋がっているような温かさを感じるようになっていきます。
 
 
赤ちゃんとの信頼関係が深まっていくともうひとつの心配事としてよく出てくる「抱っこすると泣かれてしまう」ということがなくなっていきます。
 
 
ぜひ、ちょい撫でをする時は、赤ちゃんとアイコンタクトをとりながら、話しかけながら、赤ちゃんの反応を見ながらやっていってください。
 
 

ちょい撫での流れの例

まずは、リラックス。深呼吸をして、ゆったりした気持ちになりましょう。
 
 
次に、赤ちゃんに挨拶をします。
 
 
「〇〇ちゃん、ちょっと撫でさせてね」
 
 
というように、目を見て優しくひと声かけると赤ちゃんは安心します。
 
 
人差し指で軽くタッチ。ゆっくりトントンとやってみて、赤ちゃんの皮膚の柔らかさを感じます。次に人差し指の腹を使って、触れるか触れないかの軽さでやさし〜く撫でていきます。
 
 
人差し指で慣れたら、中指を追加して二本で撫でます。
 
 
撫でることに慣れたら、親指と人差し指で軽く挟んで、プニプニ、プニプニと柔らかさを感じてください。
 
 
触れながら「気持ちいいね〜」「柔らかいね〜」と目を見て声をかけてあげることで、赤ちゃんとの信頼関係も作られていきます。
 
 
触れる部位ですが、僕のオススメは手と腕と脚と足
 
 
心臓から遠いところでもあり、肌が直接外気に触れている時間が長く刺激に慣れているところでもあるので、赤ちゃんにとっても安心してスキンシップをとれる部位です。
 
 
触れることに慣れてきて、赤ちゃんの方もこちらに慣れてきたら、お腹や脇腹、頰、耳にも触れてみましょう。
 
 
ただし、頭は、頭蓋骨にまだ隙間があって発達途上にあるので、完全に慣れきっていないこの段階では触らない方がいいです。
 
 

ちょい撫では安心してできる状況で

ちょい撫では、赤ちゃんの機嫌が良い時にすると泣かれることも少ないです。
 
 
また、慣れるまではママに一緒にそばにいてもらい、赤ちゃんが泣いてしまってもすぐに対応してもらえるようにしておくと、泣かれた時にオロオロしないですみます。ママに抱っこされている状態で行ってみるのもよいと思います。
 
 
また改めて書きたいと思いますが、赤ちゃんに慣れていない人にとって、赤ちゃんに泣かれることは大きな不安になっていることがあります。
 
 
ただ、赤ちゃんにとっては母親が安全基地であり、母親以外の人との触れ合いに不安を感じて泣くのは健康的な反応です。
 
 
だから、泣かれるということを不安に思うことはないとお伝えしたいです。
 
 

ちょい撫ではほんとにちょいとした時間でもできる

ちょい撫でのメリットは、赤ちゃんに慣れることができるというだけではありません。
 
 
仕事に疲れて帰宅し、すぐには抱っこすることができないような時でも、ちょいとした時間で、ちょいとした労力で、スキンシップをとることができます
 
 
以前、書いたように、抱っこをはじめとするスキンシップは、赤ちゃんにとってなくてはならないものなのですが、働きながら子育てをしている人などは、いつもじっくり抱っこができる体調でいられるとは限りません。そんな時にちょい撫でがあれば助けになります。
 
 
ぜひ、ちょい撫でを子育てに取り入れていってほしいと思います。
 
 

参考文献

幸せになる脳はだっこで育つ。-強いやさしい賢い子にするスキンシップの魔法-

幸せになる脳はだっこで育つ。-強いやさしい賢い子にするスキンシップの魔法-

 

 

僕の乳児院時代のバイブルといえる本のひとつです。抱っこをはじめとするスキンシップの重要性をデータをもとに伝えてくれます。

 
また、忙しい時でもスキンシップがとれる方法や、スキンシップを嫌がる子どもへの対応法など、様々なスキンシップの取り方も書かれていてオススメです。