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【傾聴力アップ】ゴール作りの質問はカウンセラーにとってもメリットがある!

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こんにちは。どいつよしです。
 
 
前回の記事で、ソリューション・フォーカスト・アプローチ(以下SFAと記載)のゴール作りの質問について書きました。
 
 
ゴール作りの質問は、面接の方向性を定めたり、問題を消し去らなくても解決の存在があることを見出すために役に立つ質問でした。
 
 
最近、SFAを実践していく中で、ゴール作りの質問がカウンセラー側にとってもメリットがあるものだということを実感してきています。
 
 
産業カウンセラー養成講座で学んだ技法にも取り入れることができます。
 
 
特に資格を取得して相談業務でのキャリアが浅い人(僕もあてはまります)には、とても話を聴きやすくすることに有効です。
 
 
今回は、ゴール作りの質問がカウンセラー側にとってどんなメリットがあるのかについて書いていきます。
 
 
ちなみにゴール作りの質問については、下の記事もあわせて読んでみてください。
 
 
 
 

ゴール作りの質問で得られるメリット

ゴール作りの質問を使うことによるメリットは大きく3つあります。
 
 
クライエントが何を求めているのかがわかる
 
会話があてもなくさまようのを防ぐ
 
カウンセラーの思い込みや先入観を外す

 

 

クライエントが何を求めているのかがわかる
クライエントが語る悩みや問題、愚痴を聴くのは、それによってクライエントが人生でうまくいかないことについてどう考えているのか、そして何を変えればよいと感じているのかを理解するためには必要なことです。
 
 
しかし、長々と聞き過ぎてしまうと、クライエントが何を求めているのかがどんどんわからなくなってしまうことがあります。
 
 
ゴール作りの質問を使えば、クライエントが何を求めてここに来たのかを、比較的早い段階で知ることができます。
 
 
会話があてもなくさまようのを防ぐ
『インスー・キム・バーグのブリーフコーチング入門』の著書のピーター・ザボは、
 
 
「どんなに聡明で、利発で、動機づけが高く、教養のあるクライエントでさえも、自分が何を求めているのかはっきりしないまま相談に訪れることは珍しくない。自分が求めているものがはっきりしていれば、クライエントはおそらく私たちを必要としないだろう。」
 
 
と言っています。
 
 
これは、相談業務全般であてはまることではないでしょうか。
 
 
特に相談業務でのキャリアが浅い人が陥りがちなのは、そういったクライエントの話を一生懸命聴くあまり、面接時間は長くなり、自分たちがどこにいるかも知らず、終わりがどんなに遠くあるのかも知らずに、あてもなくさまよってしまうことです。
 
 
面接が終わった後はグッタリして、「堂々めぐりになっちゃったなぁ。。。」と振り返ることになります。
 
 
ゴール作りの質問をすることにより、クライエントが何を求めて相談に訪れたのかをある程度明らかにすることができます。
 
 
そうすることで、クライエントが求めることについて的を絞りながら話が聴けるようになります。
 
 
もし、話が脇道に逸れたとしても、また戻ってくることもできるようになります。
 
 
カウンセラーの思い込みや先入観を防ぐ
SFAでは、「クライエントは自分の生活の専門家」であるとし、解決の方法を知っているのはクライエントであると考えます。
 
 
そのため、知らない姿勢でクライエントの話を聴くことを大切にしています。
 
 
ゴール作りの質問は「あなたの求めていることを教えて下さいね」という意味も込められています。
 
 
以前、SFAを学びだして間もないころに、
 
 
「夫との関係がギクシャクしていることに悩んでいるんです」
 
 
という相談電話を受けたことがありました。
 
 
SFAの技法を使いながら話を聴いていったのですが、ゴール作りの質問を忘れていました。
 
 
僕はてっきり、
 
 
「この人は、旦那さんとの関係を修復したいんだな。」
 
 
と思い込んでしまい、いろいろとリソースを探す質問をしていました。
 
 
でも、どうも相談者が納得されないような印象を受けます。
 
 
はっと、ゴール作りの質問をしていないことに気がついて「今更ながら」と思いつつも、
 
 
「今日はどんなお話しができれば電話してきて良かったと思いますか?」
 
 
と問うと、
 
 
「私の愚痴を、私がスッキリするまで吐き出させてもらえると電話して良かったと思います。」
 
 
と答えられました。
 
 
衝撃でした。
 
 
結果的に、リソースを探すことは、相手にとっては不必要なことだったということです。
 
 
SFAの技法を使っていなくても、クライエントの話を聴いてるうちに、「この人はきっとこういうことを求めているんだな」とか「この人の問題はこの人の〇〇な性格が関係しているな」などと、勝手な思い込みや先入観にとらわれてしまうことはあると思います。
 
 
そして、その思い込みや先入観で話を聴き、クライエントが望んでいない対応をしてしまったりします。
 
 
ゴール作りの質問をして、クライエントが求めていることがある程度わかることで、思い込みや先入観を防ぎ、「クライエントに教えてもらう姿勢」で話を聴いていくことができるようになります。
 
 

僕がよく使う質問の言い回し

僕が実践でよく使うゴール作りの質問はこうです。
 
 
「今日これから、どんなお話しができたら、“ 今日はここに来てよかったな ” と思いますか?」
 
 
この質問は冒頭部分でなくても使えます。冒頭部分で使えなくても、質問の言い回しを変えると、中盤でも、終盤でも使えます。
 
 

おわりに

いかがでしたでしょうか?
 
 
今回は、ゴール作りの質問がカウンセラーにとってもメリットがあるということを書きました。
 
 
ゴール作りの質問がカウンセラーにとって、
 
 
クライエントが何を求めているのかがわかる
 
会話があてもなくさまようのを防ぐ
 
カウンセラーの思い込みや先入観を防ぐ

 

というメリットがあることがおわかりいただけたのなら嬉しいです。
 
 
相談業務全般で応用のきく、話を聞きやすくする質問だと思うので、ぜひ、参考にして頂けると嬉しいです。
 
 

参考文献

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  • 作者: ピーターディヤング,インスー・キムバーグ,桐田弘江,玉真慎子,住谷祐子
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  • 発売日: 2008/08/08
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