ハラスメントについて従業員レベルで最低限知っておいた方がいいこと
こんにちは。どいつよしです。
パワハラとセクハラ。もうすっかり一般的になっていてお馴染みの言葉ですよね。でも、なんとなく知っていてなんとなく使っているという人は結構多いのではないでしょうか。
実は僕もその一人でした^^; しかし、キャリアコンサルティングのお仕事をしていると、ハラスメントが原因でお仕事を辞めざるを得なくなったり、心に傷を負われた方が相談に来られることも少なくないんです。
相談に来られた方に真摯に対応できるようにと思い、改めてセクハラとパワハラについて学んでみました。
忘れていたことを思い出したり、新たな知識を手に入れることができて良かったのですが、その中から、このブログを読んで下さる皆さまが、パワハラとセクハラについて最低限知っておいたほうが良いことをシェアしますね。
- そもそもハラスメントは起きて当たり前!?
- ハラスメントが起きる要因
- 法律で事業主に防止対策措置義務が定められている
- パワハラと判断されるには条件がある
- セクハラには2種類ある
- ハラスメントでお困りの時に頼りになるサイト
- 最後に
- 参考文献
そもそもハラスメントは起きて当たり前!?
ハラスメントは人間関係のトラブルですよね。そもそも意見の衝突を始めとした人間関係のトラブルは、2人以上の人間が集えば生まれてしまうのだそうです。
ほとんどの職場が2人以上で構成されていると思われますので、どこの職場でも人間関係のトラブルは起きて当たり前なんですね。つまり、ハラスメントも起きて当たり前な状況にあるということですね。
我々はそのようなリスクをはらんだ環境の中で人生のほとんどの時間を過ごしているということです。
だから、ハラスメントについての正しい知識を身に付けていることが、自分が被害に遭うリスクを減らしたり、万が一被害に遭っても適切に対処していけるようになると言えます。
後述するように、パワハラとセクハラは法律によって事業主に防止対策が義務付けられていますが、対策が行き届いていない場合もあり、従業員個人レベルで知っておくことも大事だと思います。
ハラスメントが起きる要因
ハラスメントが起きる3つの要因は
①いじめられる因子を持った人
②いじめる因子を持った人
③いじめを許容する職場環境
と言われています。
個人的には、①と②は2人以上の集団になれば必ず入ってくるものだと思うので、③でいかに防いでいくかが大事になってくると思います。
具体的には、ハラスメントの内容・発生原因・背景などを、労働者に対して周知・啓発するための研修・講習を実施すること。
就業規則や服務規程(会社で従業員が守らなければいけない最低限のルール)などを定めた文書において、ハラスメントに関する規定を定めること、といった取り組みが必要とのことです。
一度、職場の就業規則や服務規程などを確認してみるのがいいですね。
法律で事業主に防止対策措置義務が定められている
ハラスメントという言葉が広く一般的になって、個人の価値観の多様化もあり、いろんな種類の〇〇ハラスメントがあるのが現状です。
その中で、職場環境の中で問題となり、法律で事業主に防止対策の措置義務が定められているのが3大ハラスメントです。
3大ハラスメントとは
①パワーハラスメント(パワハラ)
②セクシャルハラスメント(セクハラ)
③妊娠・出産・育児休業・介護休業に関するハラスメント(マタニティーハラスメント、パタニティーハラスメント、ケアハラスメント)
です。
パワハラは「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)」という長い名前の法律の改正により事業主に対してパワハラ防止対策の措置義務が定められています。中小企業も2022年4月1日から義務化となります。
セクハラと妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントについては「雇用の分野における男女の均等な機会および待遇の確保等に関する法律(男女雇用機会均等法)」というこれまた長い名前の法律によって、防止措置を事業主に義務付けられています。
ハラスメントに関する法律の詳しい内容については、厚生労働省のホームページをのぞいてみてくださいね。
パワハラと判断されるには条件がある
最近も某大手企業においてパワハラが原因で社員が自殺したニュースが話題になっていましたよね。
相手からされたことがパワハラだと判断されるには条件があるということを知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。
その条件とは、職場において
①優越的な関係を背景とした言動であって
②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより
③労働者の就業環境が害されるもの
この3つの要素が全て満たされる必要があるのだそうです。
なので、どれか1つでも欠けていればパワハラに当てはまらないということになります。この条件は知っておく必要がありますね。
そして、典型的なパワハラ具体例としては、以下の6つの行為類型が示されています。
①身体的な攻撃(暴行・傷害)
※物を投げつけることも該当します。相手に当たらなくてもパワハラになります。
②精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)※電子メール等の媒体を使っての行為も含みます。
③人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
④過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事の妨害)
⑤過小な要求(業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
⑥個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)
パワハラの行為類型のもっと詳しい内容については、厚労省のパンフレットがイラスト付きでとてもわかりやすいので、載せておきますね。ぜひ一度ご覧になって下さい。(リンクをクリックorタップするとPDFが開きます)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000189292.pdf
セクハラには2種類ある
まだまだ社会問題として根深いセクハラ。セクハラにも判断基準があります。
セクハラの判断基準は職場において
①相手の意に反する性的言動が行われ
②性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により
③労働条件に不利益を受けたり、就業環境が害されること
です。
さらに、セクハラは、
対価型セクシャルハラスメント
環境型セクシャルハラスメント
の2つに分けられます。
対価型セクシャルハラスメントとは
職場において、労働者の意に反する「性的な発言・行動」があり、それに対する労働者の対応(拒否・抵抗・抗議)によって、当該労働者が解雇、降格、減給等の不利益を受けることです。
環境的セクシャルハラスメントとは
職場において、労働者の意に反する「性的な発言・行動」があり、それによって労働者の就業環境が不快なものになったため、労働者が働き続けるのが難しくなる・能力の発揮が難しくなるなどの支障が生じることです。
どちらも「労働者の意に反している」ということが大きな条件の一つになっています。これは、セクハラの判断は被害に遭った本人の主観が重要視されるということを意味するのだそうです。
ただ、組織でセクハラの問題解決に取り組む場合は一定の客観性が必要になります。そこで、
・被害を受けたのが女性であれば「平均的な女性労働者の感じ方」が基準
・被害を受けたのが男性であれば「平均的な男性労働者の感じ方」が基準
とすることが適当とされているようです。
ハラスメントでお困りの時に頼りになるサイト
これはセクハラなのか、パワハラなのかどうなのか?とか、実際にハラスメントの被害に遭われていて困っている場合に頼りになるサイトを紹介します。
厚生労働省のあかるい職場応援団 -職場のハラスメント(パワハラ、セクハラ、マタハラ)の予防・解決に向けたポータルサイトです。
ハラスメントの動画解説や、相談窓口の案内も載っていますので、一度のぞいてみてくださいね。
最後に
今回は、ハラスメントについて従業員レベルで最低限知っておいた方がいいことをシェアしました。
知ってるようで、意外に知らないことがたくさんあったのではないでしょうか。
そもそも2人以上の人間がいるとハラスメントが起きて当たり前の状況になるとか、パワハラと判断されるには条件が揃わないといけない等、僕も知らないことが多かったです。
ハラスメント対策は法律では事業主に義務付けられていますが、その対策が効果のあるものになるかどうかは、やっぱり従業員レベルで理解ができているかが鍵になってくるのではないかと思います。
自分を守り、大切な人も守るという意味でも、ここに書いたようなハラスメントの基礎的な知識を頭の片隅に入れておくことをオススメしたいです。