ココロの皮むき

産業カウンセラーが学んできたことを書くブログ

父親のスキンシップは母親とは違う効果がある!?

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こんにちは。どいつよしです。
 
 
僕が働いていた乳児院は、子ども1人に対して1人の職員さんが養育を担当するという「担当養育制」に取り組んでいました。
 
 
血の繋がっていない子どもと担当さんが、愛着関係を築いて、親子に近いような関係になっていくには、スキンシップが必要不可欠でした。
 
 
僕も何人かの子どもの担当さんになったので、子ども達と関わっていく中で、抱っこやおんぶといったスキンシップの効果を実感してきました。
 
 
例えば、1歳を越えてから乳児院にやってきた子どもに対して、毎日抱っことおんぶをして接していくと、日に日に顔つきが穏やかになっていき、他児に対して暴力を奮ってしまうことや、大人の顔色を伺いながら問題行動をすることが減っていったことがありました。
 
 
なぜ、スキンシップにはこれだけの効果があるのでしょうか。
 
 
それにはオキシトシンという脳内物質が関係しているそうなのです。
 
 
オキシトシンは「愛情ホルモン」と呼ばれ、温かいスキンシップをとることによってたくさん分泌されることがわかっています。
 
 
オキシトシンの効果はかなり多岐にわたるそうですが、代表的なものとしては、
 
 
「親子の愛着関係を深める」「ストレスに強くなる」「セロトニンを活性化させる」「記憶力がよくなり学習効果が高まる」「体の成長をうながす」
 
 
という効果があります。
 
 
血の繋がっていない子どもと大人でも愛着関係を築くことができるくらいの効果をもたらすスキンシップ。
 
 
母親は赤ちゃんが生まれた時から抱っこしたり、授乳したりとスキンシップをとることが自然と多くなりますが、父親にも積極的に子どもと触れ合うことでオキシトシンを出してきずなを深めていってほしいと僕は思うわけです。
 
 
それはなぜか?
 
 

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父親のスキンシップは母親のスキンシップとは違う効果があるから。
 
 

父親と母親のスキンシップの効果の違いとは

身体心理学者の山口創先生の研究によると、母親のスキンシップは子どもの情緒を安定させる役割があり、父親のスキンシップは子どもの社会性と関わっているということがわかっています。
 
 
大学生を対象に調査をしたところ、母親のスキンシップが多かった学生は、「情緒が安定していて、自分に自身をもち、他人を信頼できる傾向」があり、
 
 
父親のスキンシップが多かった学生は、「世の中に目を向け、人と協調して何かをしていく能力が高い傾向」があったとのことです。
 
 

父親にオススメのスキンシップ

抱っこやおんぶももちろんですが、首がすわってきたら「たかいたかい」や「くすぐり遊び」のような少し刺激的な遊びを通してのスキンシップの方が、子どもに対するスキンシップの効果が高くなるそうです。
 
 
子どもも「たかいたかい」や「くすぐり遊び」は大好きです。何度も何度も「もう一回やってー」となるので、こちらがヘトヘトになってしまうくらいです。
 
 
また、父親の筋肉質で広い背中でするおんぶは、力強さとともにしっかりと守られている安心感を得るといわれ、母親のおんぶとはまた違うものとして感じ取られるそうです。
 
 

オキシトシンが出るのも父親と母親で違う

子どもに触れることで父親と母親にもオキシトシンが出ます。そこにも違いがあるとのことです。
 
 
母親は、子どもに優しく触れたり、だっこをしてあげたりすると出やすくなり、
 
 
父親は、「くすぐり遊び」のような刺激的な遊びによって出やすくなるそうです。
 
 
また、オキシトシンは、心にやすらぎや満足感などを感じさせる脳内物質であるセロトニンを活発に働くようにさせるともいわれます。
 
 
子どもとスキンシップをとることが心のバランスを安定的に保つことにもなりますので、大人にとってもメリットが大きいです。
 
 

おわりに

いかがでしたでしょうか?
 
 
今回は、父親のスキンシップが母親とは違う効果があるということについて書きました。
 
 
首がすわるまでは、「ちょい撫で」から抱っこでスキンシップをとり、触れることに慣れていっていれば、首がすわってからの「たかいたかい」や「くすぐり遊び」などの少し刺激的な遊びへ移行しやすいのではないかと思います。
 

 

 


あと、勘違いしてほしくないのは、オキシトシンが出るからスキンシップをとるのではないということです。
 
 
スキンシップをとった結果、オキシトシンが出るということなので、はじめに温かいスキンシップありきだということは覚えておいていただきたいと思います。
 
 
ぜひ、一日に少しの時間でもいいので、温かいスキンシップをとってあげてほしいと思います。
 
 

参考文献

幸せになる脳はだっこで育つ。-強いやさしい賢い子にするスキンシップの魔法-

幸せになる脳はだっこで育つ。-強いやさしい賢い子にするスキンシップの魔法-

 

 

僕の乳児院時代のバイブルといえる本のひとつです。抱っこをはじめとするスキンシップの重要性をデータをもとに伝えてくれます。

 
また、忙しい時でもスキンシップがとれる方法や、スキンシップを嫌がる子どもへの対応法など、様々なスキンシップの取り方も書かれていてオススメです。