「他人の評価なんて気にしない!」アドラー心理学の第一人者から教わった"自分らしくありたい人が知っておくべき3つの自尊心"
産業カウンセラー四国支部(愛媛県松山市)で開催された、アドラー心理学講座を受講してきました!
講師はアドラー心理学の第一人者、早稲田大学の向後千春先生!
前回はアドラー心理学の中心概念のひとつ、劣等感について振返りました。
今回は劣等感と関係のある自尊心についてのお話。さっそく振り返っていきます!
✿自尊心とは?
自分自身についての評価、あるいは自分自身に対する態度のこと。
アドラー心理学の3つの自尊心
1.他者との比較によるもの。
基準あるいは目標とする他者と自分を比べて、自分がより優れていれば、自尊心は高まる。
例)「わたしはあの人に勝った」
他者よりも自分が劣っていることが明らかになれば、自尊心は下がる。
例)「わたしはあの人に負けた。ダメな人間だ」
2.他者からの評価によるもの。
自分の行動に対してまわりの人から「すばらしい」と評価されれば自尊心が高まる。
逆に「たいしたことない」言われれば、自尊心は下がる。
逆に「たいしたことない」言われれば、自尊心は下がる。
3.「自分らしくある」というもの。(本来の自尊心)
自分が持っている「自己理想(なりたい姿)」に照らしてみて、自分の活動がそれを追求していっているというかどうかを自分で評価することでできあがる。
例)「自分はまだまだだ、でもここまではできるようになっている」
例)「自分はまだまだだ、でもここまではできるようになっている」
ちなみに、
1と2は他者や外的な基準に依存していると言われており、3は他者に依存することがありません。
✿自分の自尊心を知ろう
望むところは「本来の自尊心」を持つことですが、
「今の自分は果たしてどんな自尊心を持っているのだろうか?」
を知らないと話が進みませんよね。
それを知るために講座では、
「最近あるいは昔のことで自分の自尊心が脅かされたことを思い出して書く」
というワークを行いました。
自尊心が脅かされた出来事について、
- 「どのようなきっかけだったか」
- 「自分の何が脅かされていると思ったか」
- 「そのあと、どのようにして持ち直したか」
という3つの質問に答えていくものです。
質問に答えた結果で、自分の持っている自尊心が3つのうちのどれなのかが把握できます。
答えていく中で、他者の存在や視線、社会の常識など、外からの評価を感じることがあれば、今は「本来の自尊心」を持っていないということになります。
✿本来の自尊心を育てるのは難しい
自分が持っている自尊心がある程度理解できたら、今度は、「本来の自尊心」をどうやって手に入れて育てていけばいいのか?という課題が出てきます。
繰返しになりますが、
「本来の自尊心」は、自分が持っている「自己理想(なりたい姿)」に照らしてみて、自分の活動がそれを追求していっているというかどうかを自分で評価することでできあがるものです。
そして、外からの評価に左右されない自分らしさや、自分の独自性を目指して進んでいくことによって育まれるものです。
繰返しになりますが、
「本来の自尊心」は、自分が持っている「自己理想(なりたい姿)」に照らしてみて、自分の活動がそれを追求していっているというかどうかを自分で評価することでできあがるものです。
そして、外からの評価に左右されない自分らしさや、自分の独自性を目指して進んでいくことによって育まれるものです。
でも、現代の社会では、常に他の人との比較や競争、そしてその結果に基づく評価がされています。なので自己理想に基づく自尊心は、なかなか意識することができないというのが現実の私たちの姿なんだそうです。
…厄介ですね。
✿本来の自尊心を持つためにどうすればいいのか?
では、本来の自尊心を持つために私たちはどうすればいいのでしょうか?
向後先生は「健全な自己概念を持つ」ことだと言っています。
健全な自己概念を持つって?
では、「健全な自己概念を持つ」ということはどういうことなのでしょうか?
ここで、すこし用語のおさらいをしましょう。
- 自己概念とは・・・「自己理想に対しての、現在の自分についてのイメージ」のことでした。
- 自己理想とは・・・理想的な自分のイメージ。そして、自己理想は永遠に到達できないものでした。
- 劣等感とは・・・自己理想を追求していく中で、今の自分が劣っていると感じることにより起きるものでした。
向後先生によると、
健全な自己概念を持つために大事なことは、理想の自分と現在の自分を比べて起きる「自分はまだまだだ、でもそこそこ良くやっている」という感覚を受け入れることなのだそうです。
ですので、他人と自分を比べて起きる「優越コンプレックス」や「劣等コンプレックス」による自己概念は違うということですね。
そして、
健全な自己概念を持つことは、
理想の自分と現在の自分を比べて起きる「自分はまだまだだ、でもそこそこ良くやっている」という感覚を受け入れた自分のイメージ を持つこと。
ということになりますね。
「健全な自己概念」を、「等身大の自分」「ありのままの自分」という言葉に置き換えるとわかりやすい人もいるかもしれません。
「理想の自分にはまだまだだけど、それに向かって努力している私でいいんだ〜 」と自然に思えるようになると、他人と比較することもなくなり、それにともなって失敗を恐れることもなくなりそうですよね。
ここまでの話をまとめると、
「健全な自己概念を持つ」ことによって、他人と比べることなく、自分のやり方、自分のペースで自己理想を追い求めていく。そして、そのことを「今の自分は努力している過程にあり、それによって成長している」と感じられることで、本来の自尊心が育まれていく
ということになるということですね。
✿健全な自己概念を持ち自尊心を高めるコツ
ここからは僕の考えになります。
健全な自己概念を持ち、本来の自尊心を育むには、とにかく他人と比べることを止めなければなりません。他人と比べない代わりに、なりたい自分のイメージをしっかりと持つことが必要になってきます。
ただ、「なりたい自分のイメージを持て」といきなり言われても、そう簡単に持てるものでもないかと思います。しかし、「なりたい自分のイメージを持つ」ことに最適な方法があります。それは、また別の日にお話したいと思います。笑
他には、完璧を求めすぎないこと、ミスを許せるようになることがあります。これは、先述した、「自分はまだまだだ、でもそこそこ良くやっている」という感覚(劣等感)を受け入れることにより可能になると思います。
健全な自己概念を持ち、本来の自尊心を育むには、とにかく他人と比べることを止めなければなりません。他人と比べない代わりに、なりたい自分のイメージをしっかりと持つことが必要になってきます。
ただ、「なりたい自分のイメージを持て」といきなり言われても、そう簡単に持てるものでもないかと思います。しかし、「なりたい自分のイメージを持つ」ことに最適な方法があります。それは、また別の日にお話したいと思います。笑
他には、完璧を求めすぎないこと、ミスを許せるようになることがあります。これは、先述した、「自分はまだまだだ、でもそこそこ良くやっている」という感覚(劣等感)を受け入れることにより可能になると思います。
そして、人生を振り返って、「完璧でなかったけどうまくいっていること」「ミスったけどうまくいったこと」などを思い出して書き出してみると、案外、うまくやってこれたことに気付き、「完璧でなくてもいいんだ〜」「ミスってもいいんだ〜」と思えるようになるかもしれません。
✿最後に
「本来の自尊心」と、それを持ち育むために必要な「健全な自己概念」を持つためには、常に他の人との比較や競争、そしてその結果に基づく評価がされている現代社会においては難しさがつきまといます。
しかし、ここ数年に渡りアドラー心理学が注目を浴び続けているということは、少なからず、その難題に挑もうとする人が増えていっているということが言えると思います。そして、その人達が増えていくに従って、現代社会の様子も変わってくるのではないでしょうか。
僕も難題に挑む一人として、「本来の自尊心」と、それを持ち育むために必要な「健全な自己概念」を持ち続けるための取り組みを続けていき、少しでも多くこのブログを通じてお伝えしていければと思います。
✿劣等感についての記事はこちらをどうぞ
kokoronokawamuki.hatenadiary.jp
✿向後先生の書籍紹介
はじめにも書きましたが、向後先生のアドラー本は本当にわかりやすくオススメです。僕は岸見一郎先生の『嫌われる勇気』でアドラーに初めて触れましたが、きちんとアドラーの理論を実践できるようになったのは、向後先生の本でした。さすがは、現場で「教えること」を教えている先生だけあります。
最新刊の『幸せな劣等感: アドラー心理学〈実践編〉』も良いですが、アドラーに初めて触れられるという方には、『人生の迷いが消える アドラー心理学のススメ』か『コミックでわかるアドラー心理学』をオススメします!
向後先生の本からアドラーに触れて、幸せに生きるエッセンスを日常生活に取り入れて、豊かな人生を送っていきませんか?
この記事の参考文献:
『幸せな劣等感 アドラー心理学〈実践編〉』向後千春 著