理由の丁寧な聞き方をゲシュタルト・セラピーから学ぶ
こんにちは。どいつよしです。
前々回のブログで「理由の丁寧な聞き方」について書きました。
あの後、産業カウンセラー協会神奈川支部におけるゲシュタルト・セラピーの連続講座講師の岡田法悦さんも、理由の聞き方について話されていたことを思い出しましたので、シェアしますね。
ゲシュタルト・セラピー的な理由の聞き方
岡田さん曰く、「なぜ?」と聞きたくなったら「どんなふうに?」もしは「何(が)?」と聞く。とのこと。
そして、岡田さんの著書にはこう書かれてありました。
「なぜ?」と自問すれば、ほとんどの場合考えの方向は「理由」や「原因」さがしになります。理由や原因を考えることは、ゲシュタルト的にいえば「今、ここ」を直接体験していることになりません。ゲシュタルト・セラピーは、頭の中で考えずに「今・ここ」での身体や感覚・感情を体験し続けることを大切にします。そのために、原因追及的・分析的な方向性をもつ「なぜ?」ではなく、体験の過程を感じ取る「どんなふうに」「何(が)」という疑問詞を選ぶことが大事ー実践“受容的な”ゲシュタルト・セラピー[第2版]ー
とのことです。
「どんなふうに?」もしくは「何(が)?」が効果的
前々回のブログにも通じますが、「なぜ?」と聞かれると、原因追求的・分析的な方向になるので、「ない」とか「わからない」という答えが出やすくなる。
一方で、「どんなふうに?」や「何(が)?」と聞かれると、その人が体験した内容を問うことになるので、答えが出やすくなるように思われます。
例えば、友人との待ち合わせに遅刻したことを例にしてみましょう。
僕「ごめーん!遅刻した!」友「遅かったなぁ、どんなふうに遅れたん?」or「何がそうさせたん?」僕「出掛けに、宅配便が来てしまって。それで、慌てて荷物を玄関に置いて出たんやけど、少ししてから鍵をかけ忘れているのに気がついて、慌てて戻って鍵をかけて、猛ダッシュで駅まで走ったんやけど、眼の前で電車の扉が閉まってしまって・・・サーッと血の気が引いていくのがわかるくらいにショックやった。次の電車を待つ時から、さっきまでずーっと落ち着かなくて。30分も遅刻してしまって、本当にごめん。」
いかがでしょうか。
おそらく「なぜ?」を使ったら、同じような内容になる場合もあるかもしれませんが、それよりは、「電車に乗り遅れて・・・以上。」という答え返ってくる可能性が高いと思います。
逆に、「どんなふうに?」もしくは「何がそうさせたん?」を使うと、理由・原因探しにならない分、体験したことを素直に出せることができ、体験の中で感じた気持ちも言ってもらえるようになるのではないかと思います。
体験と気持ちを素直に言ってもらえたら、たとえ30分の遅刻でも、大目に見てあげられるようになりそうじゃないですか?
最後に
いかがでしたか?
今回はゲシュタルト・セラピーにおける、理由の丁寧な聞き方をシェアしました。
その人が事柄から、「どんなことを体験し、どんなことを感じたのか」、という理由を聞くには、「どんなふうに?」や「何(が)?」を使うと効果的なようですね。
岡田さんは、ゲシュタルト・セラピーの“こころ”として、「今・ここの私を大切に生きること」であり、同時に「私を含む場(世界)と共に創造的に生きること」である、と述べられています。
理由を聞く方、聞かれる方、お互いが「今、ここ」を一緒に体験するということは、お互いが「今・ここ」にいる私を大切にし、同時に相手を大切にする体験をもつということだとも言えるのではないでしょうか。
I’m OK! You’re OK!の関係性になれば、コミュニケーションもぐんと良くなりそうですよね。
ゲシュタルト・セラピーの理由の聞き方とSFAの理由の聞き方を使い分けながら、良好な対人関係を作っていきたいと思いました。
ゲシュタルト・セラピーについて、書籍で学びたい方へ
ゲシュタルト・セラピーは、実際にワークを体験することが一番理解が早いですが、とりあえずどんなものか知りたいという人には書籍を読んでみるのがオススメです。
まずは、今回ご紹介した岡田さんの著書です。事例を交えながらの解説がとても優しい語り口調で書かれていて読みやすいです。
TV番組の「世界仰天ニュース」でも取り上げられた、キレる妻の話の原作のマンガです。岡田さんも「一番ゲシュタルト・セラピーがわかりやすく描かれている」と仰っておられました。
ゲシュタルト・セラピーといえば、倉戸ヨシヤ先生を通らない訳にはいきません。関西大学在学中に、倉戸先生の講義があったのですが、あまり真面目に受講していなかったことを、今、激しく後悔しています。この本は、倉戸先生が行ったゲシュタルト・セラピーのカウンセリングを基に解説が書かれていて、前2冊に劣らずわかりやすいです。
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