ココロの皮むき

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「奇跡を起こす!?」 ミラクル・クエスチョンをソリューションフォーカストアプローチセミナーで学んできた

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そうぞう〜も〜♪
つかな〜い〜まい〜にちが〜♪
おくれる〜と〜♪
お〜もわ〜ない〜?♪
by DREAMS COME TRUE


こんにちは。ドリカム大好きどいつよしです。


人は誰だって、自分の望みが叶ったキラキラした未来をイメージするのが好きですよね。
 

そんなキラキラした未来をイメージすることから、問題解決への糸口を見つけようとする質問が、ミラクル・クエスチョン。
 

ミラクル・クエスチョンはソリューションフォーカストアプローチ(SFA)というカウンセリングの手法で用いられます。
 

今日は、僕がSFAセミナーに通い始めて4回目の講座で学んだ、奇跡が起きたと仮定して解決像を描いてもらう、ミラクル・クエスチョンについて書いていきますね。

 

 

ミラクル・クエスチョンとは?

奇跡が起きたと仮定して問題が解決した姿やありたい姿を具体的にイメージさせる質問のこと。
 

SFAでは相談の初めの方に、「クライエントが相談を通じてどういう姿になりたいのか」というゴールを設定します。
 

それが「ゴール作りの質問」ですよね。 


ゴール作りの質問では、「クライエントがなりたい姿」を答えさせます。
 

そして、もっと具体的なイメージをともなったゴールを設定するにはミラクル・クエスチョンが役に立つということです
 

ミラクル・クエスチョンの使い方

基本的な使い方の流れとしては、以下の2種類があるとのこと。


◆パターン1◆

クライエントが望む未来、ゴールをありありとイメージさせる流れ

 

①ゴール作りの質問をする

・クライエントが面接を通してどうなりないのかを訊く

 

②ミラクル・クエスチョンを使う

 ・クライエントが望む未来をありありとイメージさせる

  

①のゴール作りの質問は、【導入部分で使うもの】と、【話しの途中で使うもの】がありますが、個人的には後者の【話の途中で使うゴール作りの質問】の後にミラクル・クエスチョンが来るという流れが良いと思っています。


【話の途中で使うゴール作りの質問】とは、一旦ここまでの流れを要約・整理すると同時に、その時点でクライエントが目指したいゴールがどうなっているのか確認するために使う質問です。


まだ信頼関係が築けておらず、SFAを用いたカウンセリングにも慣れていない導入部分から、一風変わったミラクル・クエスチョンを投げかけるのは、リスクが高い。


未来をイメージする前に、カウンセリング自体が閉店ガラガラ〜になってしまうのは避けたいところ。


だから、ある程度の信頼関係が構築され、SFAの質問にも答え慣れてきてからの方が、クライエントがミラクル・クエスチョンへ対応しやすいと思うんですよね。


そして、それまでの話を要約・整理し、ゴールを再確認した上での、ミラクル・クエスチョンなので、クライエントは、より一層未来をイメージしやすくなるはずです。


また、話の要約・整理とゴールの再確認は、カウンセラーにとっても良い効果が期待できるんです。


クライエントの話を理解し、話しが進むに連れて変化するゴールを見失わないようにすることができるだけでなく、良いタイミングでミラクル・クエスチョンを投げかけることもできるようになります。

 

◆パターン2◆
クライエントのポジティブな面を強化し、明確な未来のイメージへ向かって具体的に進んでいくきっかけにする流れ


①(ここまでいろいろと話を聴いてきて)例外探しの質問や、スケーリングの質問をする

・クライエントのポジティブな面に光を当てる

 

②ミラクル・クエスチョンを使う

 クライエントが望む未来をありありとイメージさせ、ポジティブな面を強化しつつ、行動変容を促していく手段の一つとして使う



例外探しの質問スケーリング・クエスチョンでポジティブな面に光を当ててからのミラクル・クエスチョンは、未来のありたい姿を、より強くポジティブにイメージさせることになります。


そして、クライエントがイメージした未来のありたい姿に対して「その姿に近づけるために、何ができそうですか?」というような具体的なアクションを促す質問を投げかけていく流れを作ります。


ポジティブな面がたくさん見れるようになっていれば、具体的なアクションも起こしやすくなると思います。


できれば、たくさんの例外と、高めの点数がクライエントから出てきてから、ミラクル・クエスチョンを使いたいところですね。


だから、パターン1と同じく、ある程度の信頼関係が構築され、SFAの質問にも答え慣れてきてから、ミラクル・クエスチョンを使うようにするというのは大事です。

ミラクル・クエスチョンへ向けての儀式

クライエントが、奇跡が起きた時の事をありありとイメージできるには、ミラクル・クエスチョンを投げかけるまでに、クライエントがイメージを創りやすい状態にしておくことが必要になります。
 

その下準備として、"クライエントの日常をイメージしてもらうようにする儀式"を行います。


以下のような流れなのですが、文節を区切り、クライエントが「はい。」と相づちを打てるような余裕のある話し方が良いようです。
 
Co「今から変わった質問をさせていただきますがよろしいでしょうか?(ミラクル・クエスチョンへの導入)


Cl「はい。」


Co「この相談が終わったら家に帰りますね。」


Cl「はい。」


Co「そして、夕食を食べられますね。」


Cl「はい。」


Co「そして、お風呂にはいりますね」


Cl「はい。」
 
 
Co「そしたら、しばらくしたらお休みになられますね」


Cl「はい。」


Co
「今晩あなたが眠り、家中が寝静まっている間に奇跡が起こるとします。それは、あなたが思っていらっしゃるすべてのことが解決するという奇跡です。
 

でも、
あなたは眠っていたので奇跡が起こったことを知りません。
 

明日の朝、
目が覚めた時にどんな違いから、奇跡が起こって問題が解決したのだと分かるでしょうか。
 

どこかが違うな、
と感じるのはどんなところからでしょうか?」
(テキストより引用)
 

質問に対する回答の聴き方

ミラクル・クエスチョンで引き出したクライエントの理想のイメージを、より明確で具体的なものにし、それへ向けての一歩が踏み出せるようにするにはどうするか?
 

まずは、クライエントの答え(ミラクルアンサー)を聴いていきます。
 

ここで大事なのは、時系列で奇跡が起きた状況を整理する事。
 

(寝ている間に奇跡が起きて)朝目覚めたときから、順を追っていきます。
 
 
初めからクライエントが時系列で話してくれる場合は良いですが、そうでない場合は、クライエントの話を要約しながら時系列にして応答します。
 

そうすることで、クライエントも奇跡が起きた状況のイメージを明確にしやすくなります。
 

そして、例外探しの質問や、5w1h(いつ、どこで、誰が、何を、どのように)の質問をくり返しながら、イメージをさらに具体的にするように聴いていきます。
 

(例外探しの質問例)
「それ(ミラクル・アンサー)に1番近いと思われる日はありませんでしたか?」


(5w1hを基にした質問例)
「その時のあなたはどんな表情をしていると思いますか?」

「あなたに対する周りの反応はどうなっていると思いますか?」
 

上のような質問を繰り返していくことで、現実に起きそうなくらい明確なイメージを
クライエントが描けるようにしていきます。
 
 
明確なゴールのイメージが描けたら、
 
 
「それに近づくために、今からできるちょっとしたことは何でしょうか?」 
 
 
という質問をして、行動するきっかけを促していきます。
 
 

シンプル・ミラクル・クエスチョンという選択肢も

ミラクル・クエスチョンの儀式を行わず、話の流れの中で聴いていくシンプル・ミラクル・クエスチョン(通称:シンプルミラクル)というのもあります。
 

一旦話を止める必要がないので、お手軽な感じがします。
 

例)
「全ての問題が解決したとしたら、あなたはどんな状況になっていますか?」

「本当はどうなればいいと思いますか?」
 
「もし、○○があったらどうなりますか?」


など。
 

ミラクル・アンサーに対する聴き方は、ミラクル・クエスチョンと同じです。
 

時系列で整理して、
明確にイメージを描けるように例外探しの質問や、5w1hの質問を繰り返していきます。
 
 
明確なゴールのイメージが描けたら、
 
 
「それに近づくために、今からできるちょっとしたことは何でしょうか?」 
 
 
という質問をして、行動するきっかけを促していきます。


カウンセリングの流れを変える時にも使える

シンプルミラクルは、そこに至るまでに例外探しの質問やスケーリング・クエスチョンを使ったものの、ポジティブな面に光が当たらない時の打開策としても使えるそうです。

 


それがこちら↓


①例外探しの質問や、スケーリングの質問をする

・ポジティブな答えが返ってこない!

 

②シンプルミラクルを使う

・やや強引ではあるが、クライエントが望む未来をありありとイメージさせることでポジティブな面に光を向ける



こんなふうな言い回しで使ってみるのはいかがでしょうか?


「(例外が“無い”という答えが返ってきた)そうなんですね。そんな辛い状況の中、頑張って来られたんですね(←コンプリメント)。ここに来られたのは、なんとかしたいという想いがあってのことだと思うのですが、本当はどうなればいいと思いますか?


若干強引な感じはしますが、SFAではとにかく粘り強くクライエントのポジティブな面に光を当てるように働きかけていくことが大事なんだそうです
 

未来質問のエッセンスを取り入れてみるという提案

ミラクル・クエスチョンは、マツダミヒロさん主宰の【魔法の質問】における未来質問に似ています。
 

未来質問は、こんな感じで問いかけをします。
 

「これからあなたの人生が
全て思い通りに進んだとします。望みごとや夢も全部叶っていくとします。そうなった時、10年後のあなたはどうなっていると思いますか?」
 

未来質問では5年後、10年後というスパンで問いかけを行うことが多いのですが、


「明日の朝どうなっていると思いますか?」
という問いかけに変えると、SFAでも使えそうです。


ミラクル・クエスチョンと組み合わせるとこんな感じ↓↓


「この面接が終わってから、あなたの人生が全て思い通りに進んだとします。望みごとや夢も全部叶っていくとします。そうなった時、明日の朝はどうなっていると思いますか?
 

シンプルミラクルの発展型と言った方が良いでしょうか。
 

魔法の質問についてはこちら↓↓

shitsumon.jp

 

最後に

いかがでしたか?今回はミラクル・クエスチョンについて振り返りを行いました。
 

イメージの中だけでも奇跡を起こしてみると、とてもワクワクしませんか?また、イメージが明確に具体的に描ければ描けるほど実現できそうな気がしませんか?
 

人間の脳みそは現実と非現実の区別がつかないそうです。ありえない非現実のことでも、脳みそはOKを出します。そして、それが現実になるように働き始めるそうです。
 

ミラクル・クエスチョンで、解決した時の自分の姿をありありとイメージさせるだけでも、クライエントの脳みそに刺激を与え、解決へ気持ちを向かわせるきっかけになるのではないかと思います。

 

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