ココロの皮むき

産業カウンセラーが学んできたことを書くブログ

「逃げ恥」で見つけた!?劣等感を打ち壊すアドラー心理学のあの言葉

2016年の大ヒットTBSドラマ
『逃げるが恥だが役に立つ』
このドラマは新垣結衣さん演じる
主人公のみくりが心理学部出ということで、
 
いろんなところで心理学用語や

心理学の理論が使われています。

第8話のストーリーの後半で、
みくりと平匡が電話でお互いの氣持ちを
ぶつけ合うシーンがあります。
 
ここにも、
心理学の考え方が反映されてるなぁ
と思って嬉しくなった箇所があります。

第8話のこのシーン

平匡「僕は…女性経験がありません。
それでもいいと思って
生きてきましたけど。
 
あの夜真っ先に思ったことは
失敗したらどうなるだろうって。
 
10歳も年下の女性にリードされる
情けなさもあったと思います
 
〜中略〜
 
未経験だと知られることが
恐くもありました」
 
みくり「知ってました。」
 
平匡「エッ!?」
 
みくり「知ってました。とっくに。
 
〜中略〜
 
私にとっては、
大したことじゃありませんでした…」
 

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©TBS

ここにアドラーが隠れている!?

このやり取りを見て思い出したのが、
アドラー心理学を題材にしたベストセラー
『嫌われる勇気 』に出てくる、
 
「お前の顔を気にしているのはお前だけ」
 
という言葉。
 
長時間鏡を見て入念に髪の毛を
セットする自意識過剰な孫に対して
祖母が放った言葉として紹介されています。
 
ドラマの台詞を基に変換してみると、
 
「お前の童貞を気にしているのはお前だけ」
 
ということになりますでしょうか。
 
アドラー心理学では、
理想の自分との比較による劣等感と、
他者との比較による劣等感
2種類の劣等感が存在するとしています。


他者の比較による劣等感はさらに、
 
常に他者より優れていることを
示そうとする、
優越コンプレックスと、
 
常に他者より劣っていることを
示そうとする、
劣等コンプレックスに別れます。
 
平匡の場合は、
劣等コンプレックスである可能性が
高いです。
 
「僕はどうせ愛されない人なんだ」
「僕は女性経験がないから、劣っている」
 
などと言い続けることにより、
異性と恋人関係になって、
それなりに事を進めて経験して
結婚する。という課題から
逃げてしまうのです。
 
さらに、
「失敗したらどうなるだろう」
という台詞には、
自分が失敗することを
明らかにしたくないという、
 
劣等コンプレックスの特徴が
表れています。
 
このように
劣等コンプレックスを使って
自分の課題から回避することを
 
アドラー心理学では、
「自己欺瞞」と呼びます。
「自己欺瞞」は「人生の嘘」
とも呼ばれています。
 
生きていくための課題を
避けることは見かけが良くない。
だから、自分自身に嘘をつき、
外見を取り繕うのだそうです。
 
みくりが距離を縮めようとする度、
契約上の夫婦であることを前面に出して
みくりを拒絶する言動や態度をとる。
あの姿がそうですね。
 
おそらく、
劣等コンプレックスを持つくらいに
平匡なりに勇気を挫かれる辛い経験を
してきていたのかも知れませんが。。。
 
それ以降は僕の妄想になってしまうので、
これ以上は話を深めないでおきます。
 

みくりの言葉が平匡を救った

みくりが平匡に言った
 
「私にとっては大したことじゃない」
 
言葉の後にはきっと、
 
「お前の童貞を気にしているのはお前だけ」
 
という言葉がくっついているのだろうと
僕は勝手に想像します。
 
ただ、その言葉で平匡は
かなり救われたのではないかと思いますし、
劣等コンプレックスから抜け出す
きっかけになったのではないかと思います。
 
実際にそれ以降
平匡はみくりと向き合っていこうと
行動が変化していきます。
 
ちなみに『嫌われる勇気』での
「お前の顔を気にしているのはお前だけ』
は、このように書かれています。
 
わたしの若い友人が少年時代、
長いこと鏡に向かって
髪を整えていたそうです。
 
すると彼は祖母からこういわれました。
 
「お前の顔を気にしているのは
お前だけだよ」と。
 
それ以来、
彼は生きていくのが
少しだけ楽になったといいます。
 
 

最後に

いかがでしたか?
 
このように「逃げ恥」を
心理学の視点で見ていくと、
また違った面白さや発見がある事を
お分かりいただけたと思います。
 
今はアドラー心理学の視点で
見ていっていますが、
他の考え方の心理学の視点でも
見ていってみようと思っています。
 
今回は、信頼できる
身近な人からの言葉や協力によって
自分の人生の課題から逃げ続ける状態に
なっていることから脱け出せることが
あることを「逃げ恥」を例にお伝えしました。
 
ちなみに僕自身は、
まばたきが石原慎太郎さんのように
とても激しいことを対人関係の問題の
原因としていたことがありましたが、
 
共に産業カウンセラーを学んだ仲間から
「私は気にならなかった」
と言われてとても救われた気持ちに
なったことをきっかけにして、
 
対人関係の問題に向き合っていくことが
できるようになりました。
 
もし今、
劣等コンプレックスが原因で、
自分の人生の課題を避け続けていて、
それを「なんとかせなあかん!」
と思っているのであれば、
 
平匡のように勇気を出して
信頼できる身近な人に伝えてみるのも
良いかもしれません。
 
きっと、ほとんどのことが
「私にとっては大したことない」
ということになるのではないかと
思います。
 

あの感動をもう一度!!

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