ココロの皮むき

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「なりたい自分をイメージする」ゴール作りの質問をソリューションフォーカストアプローチセミナーで学んできた

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こんにちは。どいつよしです。
 
 
4月から月イチで通っているSFAセミナーも3回目の講座となりました。
 
 
3回目の講座で学んだことは、「ゴール作りの質問」「例外探しの質問」「関係性の質問」について。
 
 
今回は、「ゴール作りの質問」について振り返っていきたいと思います!
 

ゴール作りの質問とは?

SFAは解決指向のカウンセリング手法です。
 
 
クライエントの問題をクライエント自身で解決していくことを促す為には、最初にその面接を通してクライエントがどうなりたいのかについて方向性を決めることが有効です。
 
 
面接の方向性を決めるには以下の2つのゴールを設定することが必要です。
 

  • 大きなゴール:クライエントが相談を通じて”なりたい姿”(漠然としたイメージ)
  • 小さいゴール:大きなゴールを実現する為にまず何ができるか現実的に達成できる課題。
 
 
カウンセラーは、クライエント自身で具体的で実現可能なゴールを設定できることを目的として、"ゴール作りの質問"を使ってクライエントの自己探索を促します。
 
 

良いゴールの条件とは?

良いゴールの条件とは、以下の3つ。

 

  • 達成可能な大きさであること。最初は小さい方が望ましい。
  • 具体的に行動できるものであること。
  • 肯定的なものであること。
 
 
です。どれが欠けてもいけません。


ゴール作りの質問に対してクライエントが答える時、カウンセラーは、【面接が終わった後にクライエントが実際に行動できるものであるかどうか】を注意して耳を傾ける必要があります。
 
 
もし、実際に行動できそうにないものであるならば、行動できそうな答えがでるまで質問を繰返していきます。
 
 

質問するタイミングは?

ゴール作りの質問は、面接の導入部分で使用します。
 
 
SFAの面接は「今日はどんなお話ができればいいでしょうか?」で始めます。
 
 
これが大きなゴールを設定する質問になります。
 

それに対してクライエントが、「こういう話ができれば」という明確な答えを言わず、面接に来た背景や理由を話される場合ももちろんあります。
 
 
その時は、「繰返し」「要約」「コンプリメント」を使ってクライエントの話を傾聴します。
※復習は下のリンクからどうぞ。
 
 
 
 
そして、信頼関係の構築を進めながら、クライエントの話した内容を使って、「では、あなたとしては〇〇になればいいなと思われているのですね?」とゴール内容を具体的にして質問したり、
 
 
シンプルに「では、この面接でどんなお話ができればよろしいでしょうか?」ともう一度訊くようにします。
 
 
僕は、要約をしてから「では、この面接でどんなお話ができればよろしいでしょうか?」とゴール作りの質問をすることが多いです。
 
 
クライエントの話を聴くことになっても、早めにゴールを設定しておいたほうが良いと実感しています。(2019年8月23日追記)
 
 

使ってみての感想

ロールプレイでクライエント役の時に、"ゴール作りの質問"をされました。
 
 
それに対して、相談してどうなりたいのかを最初に答えたことで、何を相談しに来たのかが明確になりました。
 
 
それからは、常に頭の片隅に「面接を通してありたい姿」というのが残るので話が迷走しないで済んだように思います。
 
 
例え話が逸れたとしても、カウンセラーとクライエントの双方にこの面接のゴールの認識があるので、話を本筋に戻しやすいのではないかと思います。
 
 
また、自分でゴールを設定しているので、面接中は自分自身で問題を解決していく方向に氣持ちが向いていました。
 
 
ただ、面接の導入部分でいきなり質問への答えを考えさせることになりますので、クライエントの体調によっては控えた方が良い時もあるのかなとも思いました。
 
 

面接を線路で例えると・・・

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↑JR土讃線旭駅。
 
 
この線路の果ては高松という大きなゴール。
 
 
そして、それまでに、いくつもの停車駅(小さなゴール)がある。
 
 
一つ一つの停車駅を辿っていった先に高松という大きなゴールに辿り着くことができる。
 
 
ちなみに大きなゴールは人によっては、徳島かもしれませんし、岡山かもしれません。
 
 
行き先によって停車駅(小さいゴール)が変わります。
 
 
大きなゴールをどこにするかを決めることによって、辿っていくべき停車駅が具体的になり、そこにはどうやって行くのかを決めることができます。
 
 

最後に

クライエント自身でゴールを設定するということは、面接の時間がクライエントの時間であるということを決定し、それをクライエントとカウンセラーの双方が認識できるという点でも有効であるなと思います。
 
 
こうしておくことで、いつの間にかカウンセラー主体のカウンセリングになってしまっていたということも防ぐことができるのではないかと考えます。
 
 
また、この手法は他の相談業務においても応用が効くと思います。
 
 
"ゴール作りの質問"をしてその面接の方向性を決めることで、相談内容を明確にし、相談者主体で短期に問題を解決できることが期待できるのではないでしょうか。
 
 
次回は、「暗闇の中に小さい光を見出す」例外の質問について振返ります!乞うご期待!
 
 

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