ココロの皮むき

産業カウンセラーが学んできたことを書くブログ

「絶体絶命のピンチを救う」 対処法の質問をソリューションフォーカストアプローチセミナーで学んできた

この度の台風及び豪雨災害により被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。
 
いよいよ梅雨も終盤を迎えてきた7月。
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ソリューションフォーカストアプローチ(SFAセミナーの4回目。
 
少しずつSFAの解決構築のテクニックの理解も進んできました。
 
この日は、SFAで使われる効果的な質問のうち、「対処法の質問(コーピング・クエスチョン)」「スケーリング・クエスチョン」「ミラクル・クエスチョン」を学びました。
 
それではまずは、「絶体絶命のピンチを救う」対処法の質問(コーピング・クエスチョン)について、振り返っていきたいと思います。

対処法の質問(コーピング・クエスチョン)とは?


僕自身も経験がありますが、抱えている問題が大きすぎたり、置かれている状況が非常に深刻で、理性を守ることだけでなんとか精一杯な時ってありますよね。そして、とてもポジティブな話などできないという状況に陥ってしまいます。

こういう時には、今まで学んできた例外探しの質問をしたり、セルフコンプリメントを引き出すための質問をしたとしても、クライエントからそれに対する答えが出てこないこともあります。

そんな、非常事態や危機的状況にあるクライエントの緊張を解いて、話ができる状態にすることを目指すために使うのが、「対処法の質問(コーピング・クエスチョン)」です。

対処法の質問を使うまでの流れ

①導入→問題を聴く→例外探しの質問→例外が出ない→対処法の質問
②導入→問題を聴く→コンプリメントが言えない〈くらい大変な状況〉→対処法の質問
 
(テキストより引用)

 

対処法の質問を使うコツ


クライエントがすでに行っている問題への対処法を質問することです。問題への対処法は、どんな些細なことでも構わないとのこと。

一般的なやり方としては、クライエントから大変な状況である、ということを話して頂いた後、
 
「そんな大変な状況の中で、どのように今までやってこられたのですか?」
 
という問いを投げかけます。

この問いかけに対するクライエントの答えが、セルフコンプリメントに繋がることもあります。
 
そうでなくても、引き続いて、例外探しの質問をして、できていることに焦点をあてるようにしたり、コンプリメントをしてクライエントとの信頼関係を強化することもできるとのことです。

最後に


いかがでしたか?

今回は「絶体絶命のピンチを救う」対処法の質問について振返りました。

対処法の質問を行うことで、問題とクライエントの間に距離を開けることができます。距離を開けることができれば、問題を客観的に見ることができるようになります。

客観的に見ることができれば、例外探しの質問から例外を挙げることができるようになってきます。

産業カウンセラー養成講座では、「よくそんな大変な状況の中で頑張ってこられましたね」と、ねぎらいの言葉がけを学びましたが、クライエントの調子によっては響かないこともあります。

問いかけにすることにより、クライエントに話してもらいやすくなるのではないかと思いました。

頻度的には少ないということでしたが、必要があれば使えるようにしておきたいと思います。

こちらもあわせてどうぞ〜

 

「他者の視点で問題を見る」関係性の質問をソリューションフォーカストアプローチセミナーで学んできた

4月から月イチで通っているSFAセミナーも3回目の講座となりました。
 
3回目の講座で学んだことは、「ゴール作りの質問」「例外探しの質問」「関係性の質問」について。
 

関係性の質問とは?

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相談に来られるクライエントは自身の抱えている問題に注目するあまり、それに囚われてしまっています。ですので、目の前に現れる事柄すべてが自分にとって都合悪く受け取ってしまったり、四六時中その問題が起きているかのように感じてしまいがちになります。

「関係性の質問」は、クライエントが関係している周りの人の目を借りて、客観的に問題を見れるようにするために使います。また、周りに支えてくれている人がいるということに気づく事でクライエントが持っている外的資源を認識することができたり、

自分の価値観が周囲に理解されたりほめられたりする場面を話すことで、人間としての尊厳が育つことや、他人の価値観を通して問題を見ることで問題を解決する糸口が見つかったりすること、などが期待できます。

質問する時の流れ

まず、クライエントの話を聴きながら、何度か出てくる人物を、重要な他者としてピックアップします。クライエントが問題やどう変わりたいかについて説明する時には、必ず重要な他者が話に出てくることが多いからです。

重要な他者がわからない時は、「あなたをよく知っている人は誰ですか」と尋ねたり、身近な何かに置き換えて「家のテレビが話せたとして、あなたの問題が解決したら、あなたはどうなっていると言うでしょうか」などと質問します。

そして、質問の中に重要な他者を織り込んで投げかけます。例えば、クライエントにとって重要な他者として「会社の上司」が出てきているのならば、「上司の方が今のあなたの状況を見た時にあなたにどう言葉をかけられるでしょうか?」というように質問します。

いろいろな目的のために使える

関係性の質問はいろいろな目的の為に使うことができます。講座で教えて頂いたのは以下の通りですが、その他にもいろんな場面で使うことができそうです。

クライエントが混乱していて自信がない場合

クライエントと距離を置けるような質問、他の人がどう考えるのかを問います。

「もし恩師の先生がここにいて、私が先生に『○○さんの問題が解決した時、○○さんの何が違っているでしょうか』と尋ねたら、先生は何とおっしゃるでしょうか。」

というような感じです。

こういう質問については答えやすいとのことです。

クライエントとの協働関係を強める為

非常にデリケートな問題がテーマの場合、クライエントとの信頼関係を損なわずにその問題を取り上げることができることを目的として問いを考えます。

例えば、虐待の疑いがあるということで子ども達が児童相談所に保護されてしまった母親からの相談を受けたとした場合には、

「子ども達を手元に戻すために裁判所があなたに期待していることは何でしょうか」「息子さんたちは、この状況で何が起こって欲しいということでしょうか」

というような感じです。

クライエントの長所を引き出し、カウンセラー双方の共通の認識のものとする為

すでに成功していることがあり、他人もそう思っていると理解でき、カウンセラーもそう確信してることが本人にもわかることを目的をして問いを考えます。

例えば、職場における悩みがテーマであった場合は、

「上司の人は、どんな時にあなたが職場にいて嬉しいと言うでしょうかね?」

というような感じです。

クライエントが置かれている状況を早期に把握するため

面接に来たクライエントが置かれている状況や、支援者や理解者の有無などを面接の早い段階で把握するために、問を考えます。

「あなたがここに来なければならないとお母さんが考えるようになったきっかけは?」

「(上司と2人で)うまく仕事を分担できている時は、上司はあなたがどんなふうだと言うでしょうか?」

というような感じです。

クライエントが考えついた解決を増幅させる為

クライエント1人で解決策に辿り着いたとしても、できるかどうか不安があるのは当然です。そこで、重要な他者を登場させて、より解決へ向かう意欲が増すようになるように問いを考えます。

「そんなあなたに、お父様はなんて話しかけるでしょうか」
「これからあなたがやっていこうとすることについて、お父様とあなたとの間でどんなことが変わってくると思いますか」

というような感じです。

実際に使ってみて

"仕事の悩み"をテーマにしたクライエント役としてのロールプレイの中で、「そのことについて職場の先輩はどのように言われると思いますか?」という質問をされた時に

「意外に自分が考えている問題は自分が思うほど気にするものでもないのかな。」という思いを抱きました。問題を俯瞰して観ることの大切さに気付かされました。

逆にカウンセラー役になった時には、すぐに質問の内容を作る事ができませんでした。慣れないうちは普段からいろいろと質問の文章を考えて使っていく必要があるなと思います。

最後に

いかがでしたか?

今回は「他者の視点で物事を見る」関係性の質問について振り返りました。この質問を使えるようになれば、相談の中でクライエントにとって重要な他者を明らかにし、その人の視点で問題を観てみることで、新しい気付きが生まれ、解決への糸口がみつかることが期待できるということでした。

個人的には、必要な時に質問内容をすぐに考えて出せるように、日常のちょっとした相談事を受けた時に挟んでみたり、自分自身への問いとして使ってみて、慣れていこうと思います。

合わせてどうぞ


 

 

「問題の中の小さい光を見つける」例外探しの質問をソリューションフォーカストアプローチセミナーで学んできた

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4月から月イチで通っているSFAセミナーも3回目の講座となりました。
 
 
3回目の講座で学んだことは、「ゴール作りの質問」「例外探しの質問」「関係性の質問」について。
 
 
前回は「ゴール作りの質問」について振り返りました。
 

 

 

 

今回は、「例外探しの質問」について振り返っていきます。 この質問は、クライエントが解決したい問題を話された時や、ゴール作りができた後によく使います。

例外探しの質問とは?

相談に来られるクライエントは自身の抱えている問題に注目するあまり、それに囚われてしまっています。ですので、目の前に現れる事柄すべてが自分にとって都合悪く受け取ってしまったり、四六時中その問題が起きているかのように感じてしまいがちになります。
 
 
「例外探しの質問」は、過去もしくは現在において、少しでもできたこと、うまくいったことを探させるように促し、問題に囚われている意識を、解決指向に向けるために使用します。
 
 
また、問題が起きなかった時や少しでもうまくいった時に、どのような状況だったのか、どのように行動したのかなどを聴いていくことで、クライエントが見失ってしまっている自分の持っている資源(リソース)を認識することを目的とします。
 

2通りの使い方がある

その1:問題の例外を探す質問

クライエントが解決したい問題を話された時に使います。また、面接の冒頭で相談にきた理由を聴いた後に使うこともあります。


できるだけ、クライエントが話された解決したい問題や相談にきた理由に対して、繰り返しか要約を行い、理解の確認をした上で質問します。


クライエントが「ちゃんと話を聴いてもらえている」という安心感をもつことで、質問にも答えやすくなります。


質問の仕方としては、


「(問題)が起きなかった時は?」

「(問題)がちょっとましだった時は?」


という感じですね。


また、質問をする前に、


「それ(問題)をどうにかするためのヒントがあると思うのでお聞きしますが」
 

というクッションフレーズを挟んでから、質問を投げかけると唐突感が無く、理由があって質問されているということでクライエントの協力も得られやすくなるそうです。
 
 

その2:ゴールの例外を探す質問

クライエントが面接を通してなりたい姿を、ゴール作りの質問によって設定してもらったあとに、使っていきます。


もちろん、クライエントが設定したゴールについては、繰り返しか要約を用いて理解の確認をしておきます。


質問の仕方としては、


「(ゴール)の一部が起こった時はどんな時?」
「(ゴール)にほんの近いなと思える時は?」


こちらも質問をする前に、


「そうなる(ゴールを達成する)ヒントがあると思うのでお伺いするのですが」
 

というクッションフレーズを挟む方が良いそうです。

 

例外探しを促進するコツ 

  1. 現在と過去において、問題が起きなかったことや、ちょっとでもましだったこと、少しでもうまくいった、小さい成功体験のみを探します。失敗したことを取り上げないことが大事。


  2. クライエントが答えを出したら「他には?」を繰返していき、4つ目まで考えていきます。


カウンセラーには粘り強さが必要になります。だいたいのクライエントは4つ目の質問に対する答えが出て来づらいそうですが、頭を絞って出した答えが一番重要であったりすることが多いとのことです。
 

実際に使ってみての感想 

ロールプレイにて例外探しの質問をされると、明らかに視点が変わることを体験しました。質問に対する答えを探そうとすると、それまでネガティブなことばかりに焦点をあてていたのが、一旦そこから離れて事柄を見渡し、プラスの事柄を探す方に意識が向きました。
 

例外探しの質問について「ありません」と言われた時に困ってしまうのでは、という不安があったのですが、質問をする前にクッションフレーズを挟むことで、「ありません」という選択がなくなるなぁと実感しました。

 
もし、仮に「ありません」となっても、クッションフレーズで協力依頼ができているので、「どんな些細なことでもいいのでありませんか?」とか、「はじめはうまくいったことはありませんか?」「うまくいきそうだと思ったことはありませんか?」などと言い方を変えて質問され直すと、もう一度考え直してみようという気持ちになるのではないでしょうか。

 
一方で、今まで学んだコンプリメントのスキルを使えば、「ありません」と言われた時に、「そんな状況の中で、よくここまでやって来られましたね。」とコンプリメントをし、「ここまでやって来られた秘訣は?」と質問し直すということで、クライエントのもっている資源を確認することも可能だということにも気が付きました。

 

おわりに

いかがでしたか? 今回は「例外探しの質問」について振り返ってみました。

 
クッションフレーズを使ったり、クライエントがどんな反応を返してきても良いようなコミュニケーション力が必要だったり、繰返し質問できる粘り強さであったり、ゴールを作りの質問と違って、少し練習が必要なスキルではあると思います。
 

ただ、その分、視点を変えるということには効果が大きく習得するに値するものであるとも思っています。

 
日常でも、ちょっとした相談事にのるような時、この例外探しの質問をうまく使うことができれば、相談者の問題を解決に導くだけではなく、相談者が自分で元気を取り戻すきっかけになることも期待できそうですね。


合わせてどうぞ!  

「なりたい自分をイメージする」ゴール作りの質問をソリューションフォーカストアプローチセミナーで学んできた

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こんにちは。どいつよしです。
 
 
4月から月イチで通っているSFAセミナーも3回目の講座となりました。
 
 
3回目の講座で学んだことは、「ゴール作りの質問」「例外探しの質問」「関係性の質問」について。
 
 
今回は、「ゴール作りの質問」について振り返っていきたいと思います!
 

ゴール作りの質問とは?

SFAは解決指向のカウンセリング手法です。
 
 
クライエントの問題をクライエント自身で解決していくことを促す為には、最初にその面接を通してクライエントがどうなりたいのかについて方向性を決めることが有効です。
 
 
面接の方向性を決めるには以下の2つのゴールを設定することが必要です。
 

  • 大きなゴール:クライエントが相談を通じて”なりたい姿”(漠然としたイメージ)
  • 小さいゴール:大きなゴールを実現する為にまず何ができるか現実的に達成できる課題。
 
 
カウンセラーは、クライエント自身で具体的で実現可能なゴールを設定できることを目的として、"ゴール作りの質問"を使ってクライエントの自己探索を促します。
 
 

良いゴールの条件とは?

良いゴールの条件とは、以下の3つ。

 

  • 達成可能な大きさであること。最初は小さい方が望ましい。
  • 具体的に行動できるものであること。
  • 肯定的なものであること。
 
 
です。どれが欠けてもいけません。


ゴール作りの質問に対してクライエントが答える時、カウンセラーは、【面接が終わった後にクライエントが実際に行動できるものであるかどうか】を注意して耳を傾ける必要があります。
 
 
もし、実際に行動できそうにないものであるならば、行動できそうな答えがでるまで質問を繰返していきます。
 
 

質問するタイミングは?

ゴール作りの質問は、面接の導入部分で使用します。
 
 
SFAの面接は「今日はどんなお話ができればいいでしょうか?」で始めます。
 
 
これが大きなゴールを設定する質問になります。
 

それに対してクライエントが、「こういう話ができれば」という明確な答えを言わず、面接に来た背景や理由を話される場合ももちろんあります。
 
 
その時は、「繰返し」「要約」「コンプリメント」を使ってクライエントの話を傾聴します。
※復習は下のリンクからどうぞ。
 
 
 
 
そして、信頼関係の構築を進めながら、クライエントの話した内容を使って、「では、あなたとしては〇〇になればいいなと思われているのですね?」とゴール内容を具体的にして質問したり、
 
 
シンプルに「では、この面接でどんなお話ができればよろしいでしょうか?」ともう一度訊くようにします。
 
 
僕は、要約をしてから「では、この面接でどんなお話ができればよろしいでしょうか?」とゴール作りの質問をすることが多いです。
 
 
クライエントの話を聴くことになっても、早めにゴールを設定しておいたほうが良いと実感しています。(2019年8月23日追記)
 
 

使ってみての感想

ロールプレイでクライエント役の時に、"ゴール作りの質問"をされました。
 
 
それに対して、相談してどうなりたいのかを最初に答えたことで、何を相談しに来たのかが明確になりました。
 
 
それからは、常に頭の片隅に「面接を通してありたい姿」というのが残るので話が迷走しないで済んだように思います。
 
 
例え話が逸れたとしても、カウンセラーとクライエントの双方にこの面接のゴールの認識があるので、話を本筋に戻しやすいのではないかと思います。
 
 
また、自分でゴールを設定しているので、面接中は自分自身で問題を解決していく方向に氣持ちが向いていました。
 
 
ただ、面接の導入部分でいきなり質問への答えを考えさせることになりますので、クライエントの体調によっては控えた方が良い時もあるのかなとも思いました。
 
 

面接を線路で例えると・・・

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↑JR土讃線旭駅。
 
 
この線路の果ては高松という大きなゴール。
 
 
そして、それまでに、いくつもの停車駅(小さなゴール)がある。
 
 
一つ一つの停車駅を辿っていった先に高松という大きなゴールに辿り着くことができる。
 
 
ちなみに大きなゴールは人によっては、徳島かもしれませんし、岡山かもしれません。
 
 
行き先によって停車駅(小さいゴール)が変わります。
 
 
大きなゴールをどこにするかを決めることによって、辿っていくべき停車駅が具体的になり、そこにはどうやって行くのかを決めることができます。
 
 

最後に

クライエント自身でゴールを設定するということは、面接の時間がクライエントの時間であるということを決定し、それをクライエントとカウンセラーの双方が認識できるという点でも有効であるなと思います。
 
 
こうしておくことで、いつの間にかカウンセラー主体のカウンセリングになってしまっていたということも防ぐことができるのではないかと考えます。
 
 
また、この手法は他の相談業務においても応用が効くと思います。
 
 
"ゴール作りの質問"をしてその面接の方向性を決めることで、相談内容を明確にし、相談者主体で短期に問題を解決できることが期待できるのではないでしょうか。
 
 
次回は、「暗闇の中に小さい光を見出す」例外の質問について振返ります!乞うご期待!
 
 

合わせてどうぞ 

『逃げ恥』で実証済み!?愛着の専門家もオススメの恋に落ちるハグの効果!

かもしましょう!新婚感!!

出しましょう!親密感!!

 

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©TBS

あれからもう半年以上が経つのですね・・・。
久しぶりにTBSドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』を観て、ガッキーのかわいさの再確認と月日の経つ早さの無情さを感じております。笑

冒頭のセリフは、第五話「ハグの日始めました!」から。

伯母のユリに不倫疑惑をかけられた二人が、新婚の空気を感じてもらうべく、考えだしたのが“ハグの日”を制定することでした。

でも、この“ハグ”って脳科学的に視てもかなり効果があるようなんです!

愛着の専門家もオススメ!

先日、東京福祉大学名誉教授のヘネシー澄子先生の講演を聴く機会がありました。ヘネシー先生は、日本の児童福祉に携わる人達の研修を全国で行っており、今回は養育者と子どもとの愛着を育んでいくことの大切さとその方法について、脳科学の視点も取入れながらお話し下さいました。

いろいろとためになるお話があった中で、僕が一番心に残ったのが「ハグの効能」。愛着を育むために欠かせないことの一つにスキンシップがありますが、その中でも“ハグ”は養育者と子どもの関係だけでなく、大人同士の関係でも大きな効果を発揮するということなのです!

ハグで恋愛ホルモンが分泌される!?

ハグをすると、脳内ホルモンのオキシトシンが分泌されるそうなのですが、このオキシトシンこそが、「恋愛ホルモン」「幸せホルモン」「愛情ホルモン」と呼ばれるものなのです。

そして、ハグを重ねれば重ねるほど、愛が深まるのだそうです。それは、結婚していてもしていなくても同じ。

『逃げ恥』でもハグを重ねるごとにお互いがお互いを“恋人”として意識していったように、付き合い始めの時にこまめにハグをするようにすれば、早い段階で親密度を深めることができるし、倦怠期のカップルや冷めてしまった夫婦関係の打開策としても使えそうですね。

「とりあえずハグしてみよか。」というのは比較的お互いの負担が少なくて良いのではないでしょうか。

ハグ以外でオキシトシンを出せるもの

ちなみに、ハグ以外でオキシトシンを分泌させようとするなら、赤ちゃんを抱っこする、手をつなぐ、性行為、マッサージなどの直接的なスキンシップ。それ意外にも、会話、団らん、井戸端会議、居酒屋など交流でのおしゃべりやペットを撫でることでもオキシトシンが分泌されると言われています。

オキシトシンで愛に溢れた幸せな日常を

いかがでしたか?

オキシトシンが分泌されるような行為を日常に取入れて、繰返し行っていくようにすれば、愛に溢れた幸せな日常を送ることができそうですよね。今、身近に“ハグ”ができる人がいるならば、是非、取入れていってみてください。

とりあえず僕は職場の子ども達とたくさんハグするようにします。笑

 

「ハグは最も手軽で偉大なスキンシップの手段です!」by 森山みくり

 

最後にオススメ

『逃げ恥』はU-NEXTで視聴することができます。見逃した人も、もう一度見たい人もこれで安心です。『逃げ恥』をお手本に、素敵なオキシトシンライフをお送りください!

【目の病気】働きすぎやストレスが原因で発症する中心性漿液性脈絡網膜症を経験!

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こんにちは どいつよしです。

働き盛りの30代に発症しやすいと言われる目の病気を知っていますか?

自覚症状が現れにくく、知らないうちに発症して、知らないうちに治っていることもある病気なのですが、繰り返し発病することで、視野が歪んで見えるようになったりしてしまうこともあります。

僕も再発を繰り返して、この病気とお付き合いをしています。直接命に係わる病気ではありませんが、体からのSOSのひとつとして知っておいて損はないと思いますのでシェアしますね。(2018年10月8日追記)

5年前のある日...

はじめてその病気に出会ったのは、かれこれ5年前になりますでしょうか。その頃の僕は仕事と音楽の両立で毎日3、4時間睡眠で活動していました。
 
そんなある日のこと、右目に違和感を覚えます。常に右目の視覚に影のようなものが映り込み、光の具合によっては逆に眩しすぎて何も見えなくなるような状態に。

イメージとしてはこんな感じ。

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すぐに眼科へ駆け込むと、中心性漿液性脈絡網膜症〈ちゅうしんせいしょうえきせいみゃくらくもうまくしょう〉という診断が下りました。
 

中心性漿液性脈絡網膜症とは?

網膜で視力に関与している眼底のほぼ中央にあたる黄斑の部分で水ぶくれができて、そこの部分で網膜剥離が起きることによる病気とのこと。
 
過労や睡眠不足のとき、ストレスが溜まったときに発病しやすいという傾向があり、働き盛りの男性が、仕事などで無理が重なったときに起こりやすい病気らしいです。

※ちなみに、この病気についてはこちらのサイトが詳しいです。

中心性漿液性脈絡網膜症 by 株式会社三和化学研究所「目と健康シリーズ」 

休息を取ることが一番の薬

そして、この病気の厄介なところは、目薬でよくなるというものではなく、レーザー手術をして水を抜くか、自然消滅を待つしか方法が無いということ。

自然消滅を促すためにカルナクリンという血液の流れをよくし、循環障害を改善させる効果のあるお薬を処方されることはあります。

鍼灸で治癒したという報告(by 誠花堂 八千代鍼灸院)もあるようですが、当時の僕にはその選択肢はありませんでした。
 
僕はどうしても手術する恐怖を拭い去ることができなかったので、しばらくの間、活動する時間を縮小し睡眠時間を多めにとることにしました。もちろん、アルコールは症状を悪化させてしまうので、禁止です。

しばらくして水ぶくれは自然消滅し、日常生活にも支障をきたすことはなくなりました。ただ、1度剥離した網膜がピッタリ元通りになることはなく、今も若干歪んで見えます。

(2018年10月8日追記)2018年4月に左目に発症し、ひと月後の5月に右目が再発しました。医者からはカルナクリンを処方されました。水が溜まっている部分が目の中心に近いので手術が難しいということで、カルナクリンを飲みながら様子をみています。治りかけては悪化を2度繰り返し、この病気の厄介なところを痛感しているところです。

病気から学んだこと

頑張り過ぎると、からだのどこかに何らかの形で症状が出てくるということ。それだけカラダがストレスを感じているということだと思います。好きなことであっても自分のカラダに鞭打ってやっていることには変わりないですからね。
 
それでも、まさか目の中に水が溜まることになるとは、本当に想定外のことでした。
 
あの頃は、ただただ仕事と音楽を両立させることに必死でしたが、結果的に右目が半永久的に見辛くなるという代償を得ることになりました。
 
適度な休息とじゅうぶんな睡眠の必要性を改めて感じました。
 
さすがに左目も同じ症状になるのは辛いので、今は適度な休息と睡眠時間の確保には気を遣っています。
 
(2018年10月8日追記)2018年4月に左目も発症しました。5月に右目が再発しました。なかなか厄介な病気です。

最後に

カラダが資本だということを再認識したところで、僕は右目で済みましたが、世の中には頑張り過ぎた結果大病を患い、命を落とす人もたくさんいるということも再確認できました。
 
星野源さんのように、2度のくも膜下出血に見舞われても立ち直り、大ブレイクした稀な例もありますが、ほんとに稀だと思います。
 
どんなに頑張っても、一旦カラダを壊してしまうとそれまでの頑張りが報われなくなる可能性が高いです。それと同時に、カラダを壊したことによって目標を失いココロにも不調をきたしてしまう危険性もあります。
 
さらに、僕のように後遺症が残ると、健康だった時に比べて、間違いなくパフォーマンスに影響を及ぼします。
 
 
なので、繰り返しになりますが、仕事を頑張るぶん、休息もしっかり取る。それを習慣づけることが本当に大事です。そして、それがプロフェッショナルとして仕事をしていく責任でもあるのではないかと思います。
 
自戒の念を込めてこの言葉で〆させていただきます。

追記:星野源さんの闘病生活が記されたエッセイがあります!

昨年から大ブレイク中の星野源さん。その、星野源さんが多忙な中で発病したくも膜下出血との壮絶な闘病生活が生々しく、しかし、星野さんらしいユーモアも交えながら記されています。

最新刊も好評のようですが、ぜひ、こちらも手にとって読んでみてほしいです。僕は、辛い闘病生活の中でなんとか生きる希望を見出そうとする源さんの姿に元気をもらいました!
 
特に、痛み止めの座薬を美人の看護師さんに挿肛してもらうところのエピソードは爆笑必至です!

アドラーの劣等感を童話『ウサギとカメ』で説明すると凄くわかりやすくなった話。

アドラーと『ウサギとカメ』の関係性に気付いたきっかけ

 
今、僕は、魔法の質問仲間である、
ふじしーこと藤代圭一さんの著書を読んでいます。
 
 
「子どものやる気を引き出す7つのしつもん」
 
 
藤代圭一 旬報社 2017-04-26
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by ヨメレバ
 

自ら考え、行動できる子どもになるための親の関わり方や心の在り方について書かれた良著です。
 
 
この本の中で、目標を設定する大切さの例としてイソップ童話でおなじみ『ウサギとカメ』が紹介されています。
 
 
それはこんな物語でした。
 
 
足がとびっきり速いウサギと、足がとびっきり遅いカメ。
そんな一羽と一匹が、やまの頂上をめがけて競争することになりました。
足が速いウサギは途中で居眠り。それを横目にカメはゆっくりだけど休まず、着実に進んで、先にゴールしました。

 


このお話しをふじしーはこう解説しています。

  

ウサギが見ていたのはカメかもしれません。ウサギにとってのカメは、ライバルとか競争相手に当たります。
一方、カメが見ていたのはゴールです。先を行くウサギのことよりも、目的地であるゴールだけを見て、歩みを進めました。
(中略)
勝負を分けたのは両者の「見ているもの」の違いだったというお話しです。
(中略)
ウサギとカメの逸話は、競争相手のことばかりを見ることで、もっとも大切な目標やゴールを見失うことがあるという教訓を含んでいました。

 


とても分かりやすいですよね。

 
 
このふじしーの解説を読んで、「これってまさにアドラーの劣等感の考え方と同じや!」と気づいたわけです。
 
 

アドラーの劣等感を『ウサギとカメ』で説明すると…

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アドラー心理学における劣等感とは、
 
 
「理想の自分から比べれば、今の自分はたしかに劣っている。その時に感じる感覚」
 
 
という意味でした。
 
 
そして、現在の自分から、なりたい理想の姿を目指して、理想を追って努力していく(優越の追求をする)のが私たちであるということは、
 
 
 
 
でお話した通りです。
 
 
それをウサギとカメのお話に当てはめてみます。
 
  • 理想の自分の姿・・・ゴール
  • 今の自分の姿・・・カメもしくはウサギ
  • 優越の追求・・・ゴールまでの道のり
  • 劣等感・・・ゴールから見て現在の位置を省みた時に感じる感覚
 
そうしてみると、
 
 
劣等感を成長の素にして歩みを進めているのはカメです。
 
 
ふじしーも言っているように、カメはゴールしか見ていません。ウサギという他者と比べることなくゴールを目指してひたすら歩みを進めます。
 
 

ウサギは「優越コンプレックス」の象徴!? 

一方のウサギはゴールではなくカメを意識してしまいました。常にカメに勝つことだけを考えていたのです。
 
 
ゴールするという本来の目的を見失ってしまい、カメに勝っているということで優越感を得ようとしていました。
 
 
これは、まさにアドラーのいう「優越コンプレックス」です。
 
 
優越コンプレックスとは、
 
 
見かけだけの「自分の優越」を作り出して、自分が相手よりも優れていて、勝っていることを示そうとすること。
 
 
優越コンプレックスにとらわれた人の行動の特徴は、常に「私はあなたよりも優れている」「私はあなたよりも強い」「私はあなたよりも幸せだ」ということを、言葉や態度で示し続ける。
 

でした。
 
 
ここで、ウサギとカメの歌を思い出してみましょう。
 
 
♪もしもし かめよ かめさんよ
せかいのうちで おまえほど
あゆみの のろい ものはない
どうして そんなに のろいのか ♪

 

この歌詞からもウサギがカメに勝っているということを示すことで優越感に浸ろうという氣持ちがわかります。
 
 
競争する前からウサギはカメより速いことはわかっています。それでも競争することを選んだ。
 
 
それは、自分が常に誰かより勝っていることを誇示しないと満たされない心を持っているからで、カメが相手だとほぼ100%それを達成できると考えたから。
 
 
もし、ウサギの心が「優越コンプレックス」に支配されてなければ、カメに対して喧嘩を売ることはしなかったでしょう。
 
 

カメは「劣等コンプレックス」の象徴になりかけていた!?

この後カメが売られた喧嘩を買うことで、世紀の大一番が行われる運びとなるのですが、
 
 
もしかしたらカメは自らの歩みの遅さを受け入れていて、それでもなおウサギと勝負することを選択したのかもしれません。
 
 
そして、カメにはウサギと比べるという考えがなかったのではないかと思います。
 
 
だって、カメももちろんウサギの速さを知らない訳ではないでしょう。
 
 
もし、カメがウサギの速さと自分の歩みの遅さを比べてしまったら、「劣等コンプレックス」になっていた可能性が考えられます。
 
 
「劣等コンプレックス」とは、
 
 

常に相手より自分が劣っていることを理由に、本来の目指すべきゴールに向かって努力しないようにすること。

 

 
でした。
 
 
そこには、失敗することに対しての恐怖が隠れている訳ですが、
 
 
もし、カメが「劣等コンプレックス」を持っていたら、ウサギとの勝負そのものを避けようとするので、ゴールには一生たどり着けなくなっていたでしょう。
 
 

カメは「不完全である勇気」を持っていた!

カメが下馬評では勝ち目が無いと思われるウサギとの勝負を買って出たのは、自分の歩みの遅さを受け入れて、失敗することを許せる勇気を持っていて、
 
 
「劣等コンプレックス」に支配されない心の在り方をしていたからだと考えられます。
 
 
「どうせみんなもわかっていることだし、ウサギさんの優越コンプレックスを満たしてやろう」
 
 
くらいの懐の深さもあったのかも!?
 
 

お手本はカメ

アドラー心理学において、

 

理想の自分の姿と比べて、今の自分が劣っていると感じる劣等感を持つことは、理想の自分の姿を追い求めていくにあたって必要なものであります。

 

我々がお手本にするべくはカメのような生き方です。他者と比べることなく、理想の自分の姿というゴールだけを追い求めて、自分のペースとやり方で、進んでいきたいものですね。


 

最後に

いかがでしたか。
 
 
今回、アドラーの劣等感を「ウサギとカメ」のお話をもとに説明してみました。
 
 
自分の劣っている部分を受け入れて、本来の目的である「ゴールすること」を目指したカメと、
 
 
「優越コンプレックス」に苛まれカメに勝つことを意識するがあまり、本来の目的を見失ってしまったウサギ。
 
 
イソップ童話にもアドラーの思想が流れているのですね〜 笑
 
 
、、、と冗談はさておいて、
 
 
このように童話をもとに説明していくことで、僕自身もアドラーの劣等感についての理解が深まりました。これは意外な発見でした!

 
他の童話や昔話でも、心理学の理論を説明できそうな気がするので、いろいろ探してみようと思います。
 
 

よかったらこちらもどうぞ

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今回参考にした本

藤代圭一 旬報社 2017-04-26
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向後 千春 小学館 2017-02-01
売り上げランキング : 20990
by ヨメレバ

過去を振り返ってクヨクヨする自分とサヨナラする1つの方法

こんにちは どいつよしです。

僕が心理学を学んだ場所の一つ、日本メンタルヘルス協会には、西洋の「ゲシュタルト療法」と東洋の「森田療法」を統合した、「心ゆたかに生きる8つの法則」というのがあります。
 
その内の1つに
 
もう帰らない「今、ここ」に生きる
 
というのがあります。
 
この言葉には、「過去の出来事に囚われて、今、目の前のやるべきことをおろそかにしてはいけない。」というメッセージが込められています。
 
この言葉は8つの法則の中でも僕が1番大事にしているものなのですが、そう思うようになったのは僕のこんな経験もあったりします。
 

コールセンターで働いていた頃の話

数年前、
僕は某大手電子機器メーカーのテクニカルサポートの電話オペレーターをやっていました。
 
コールセンターでは、いつ、どのオペレーターが、どこのお客さんに、どんな案内をしたのかが全部記録されていくようになっています。
 
僕が毎日仕事していく中での習慣に「後追い」というものがありました。一度対応した案件や二次対応となった案件について、その後どうなったのか、対応の記録を文字通り「後追い」していくのです。
 
これは先輩から教えていただいた業務品質向上の方法のひとつでした。後追いをして、自分の対応を振り返り、良かったところを伸ばし、改善点があれば改善して、次に繋げることが本来の目的でした。

過去の記録を振り返ることが自分を追い詰めることに。。。 

でも、この習慣は僕には裏目に出てしまいました。
 
対応した後に特に何もなければ安心なのですが、うまくいっていなくてお客さんから再入電があったりすると「何がいけなかったのだろう」と原因探しが始まってしまいます。 
 
悪いこと探しになるので、自分ができているところには気がつかず、「お客さんに迷惑かけてしまった。会社への信頼も下げてしまった」と自分を責めるようになっていきました。
 
クレームに発展していた場合などは最悪で、自分の対応全てが良くなかったかのように感じてしまいますます自分を責めるように。

当時の僕はこんな感じ、、、

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一度負のスパイラルにハマってしまったらなかなか抜け出すことができず、次第に自信を失い業務に集中できなくなっていきました。

僕を救ったのは同期のひと言

後追いも本来の目的ではなく、「何事も無く過ぎているか」を確認する為のものとなり、ビクビクしながら業務を続けていた日々。
 
ある時、見るに見かねた同期の仲間たちが、「どいちゃんは後追い禁止!」と言ってきました。
 
「どいちゃんはほんとに丁寧にやってるよ!それでうまくいかないのは全部がどいちゃんのせいじゃない!どいちゃんの良さが無くなってしまうくらいなら後追いなんかしなくていいよ!」
 
その言葉にハッとした僕は、思い切って後追いを止めることにしました。はじめのうちは後追いして確かめたい気持ちとの葛藤がありましたが、後追いしないことで、気持ちを目の前のお客さんへの対応へ向けることができるようになり、自分を責めることもなくなっていきました。

過去はコントロールできるものではない 

今思えば過去の記録なんて、書いたオペレーター次第で良いようにも悪いようにも変わるものなんですよね。
 
そのオペレーターがマズイ対応をしたからクレームになったのかもしれないし、お客さんがクレーマーだったのかもしれません。
 
自分はその時に最善の対応をしたと言えるのなら、全てを自分の責任と感じる必要は無かったと思います。
 
同期の仲間の言葉にはほんとに救われましたし、自分の良さを失うくらいの、過去に囚われてしまうことの怖さに気付きました。
 
過去をどんなに振り返っても、どうすることもできません。そのどうすることも、コントロールすることもできないものに対していくら嘆いたとしても、今という時間はどんどんすぎていきます。
 
もしかすると、過去に囚われている間に目の前にある大切なものを見逃してしまっているかもしれません。

同じ失敗を繰り返さないために。。。

あれから転職をして、同じような状況に陥ることが無いようにと、今の職場の机の上と毎日開く手帳には「もう帰らない「今、ここ」に生きる」という言葉を含んだ8つの法則を貼って仕事をしています。
 
過去に引っ張られそうになった時、意識を「今ここ」に戻すために使っています。
 

最後に

過去を振り返ってクヨクヨする自分とサヨナラする方法、その1つは
 
もう帰らない「今、ここ」に生きる
 
ことを必要な時に意識できることです。
意識する時間が多くなれば、それがいずれ習慣となるでしょう。
 
ただ、毎日それを意識しながら生活できるようになるためには、すぐにとはいかないものですので、まずは、意識を過去に引っ張られそうになった時や気がつくと過去のことについてあれこれ考えていたという時に、思い出すようにしてみてください。
 
オススメは、僕がやっているように目に留まりやすい場所にその言葉を貼っておくこと。机の上でも壁でもスマートフォンの待受画面でも良いと思います。
 
過去を振り返ってクヨクヨしがちな人はぜひ試してみてくださいね!


日本メンタルヘルス協会衛藤信之先生の本

衛藤先生の本は、講座で語られるエピソードが満載です。先生の実体験をもとにしたエピソードは、僕達一般の人たちにも当てはまる部分もあり、心理学を身近に感じることができます。ぜひ、読んでみてくださいね。

 

 

「他人の評価なんて気にしない!」アドラー心理学の第一人者から教わった"自分らしくありたい人が知っておくべき3つの自尊心"

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産業カウンセラー四国支部(愛媛県松山市)で開催された、アドラー心理学講座を受講してきました!
 
講師はアドラー心理学の第一人者、早稲田大学の向後千春先生!
 
前回はアドラー心理学の中心概念のひとつ、劣等感について振返りました。 

今回は劣等感と関係のある自尊心についてのお話。さっそく振り返っていきます!

✿自尊心とは?

自分自身についての評価、あるいは自分自身に対する態度のこと。
 

アドラー心理学の3つの自尊心

1.他者との比較によるもの。
基準あるいは目標とする他者と自分を比べて、自分がより優れていれば、自尊心は高まる。

例)「わたしはあの人に勝った」
 

他者よりも自分が劣っていることが明らかになれば、自尊心は下がる。

例)「わたしはあの人に負けた。ダメな人間だ」
 
2.他者からの評価によるもの。
自分の行動に対してまわりの人から「すばらしい」と評価されれば自尊心が高まる。

逆に「たいしたことない」言われれば、自尊心は下がる。
3.「自分らしくある」というもの。(本来の自尊心)
自分が持っている「自己理想(なりたい姿)」に照らしてみて、自分の活動がそれを追求していっているというかどうかを自分で評価することでできあがる。

例)「自分はまだまだだ、でもここまではできるようになっている」
 
ちなみに、
1と2は他者や外的な基準に依存していると言われており、3は他者に依存することがありません。
 

✿自分の自尊心を知ろう

望むところは「本来の自尊心」を持つことですが、
「今の自分は果たしてどんな自尊心を持っているのだろうか?」
を知らないと話が進みませんよね。

それを知るために講座では、
「最近あるいは昔のことで自分の自尊心が脅かされたことを思い出して書く」
というワークを行いました。

自尊心が脅かされた出来事について、

  1. 「どのようなきっかけだったか」
  2. 「自分の何が脅かされていると思ったか」
  3. 「そのあと、どのようにして持ち直したか」

という3つの質問に答えていくものです。

質問に答えた結果で、自分の持っている自尊心が3つのうちのどれなのかが把握できます。

答えていく中で、他者の存在や視線、社会の常識など、外からの評価を感じることがあれば、今は「本来の自尊心」を持っていないということになります。

✿本来の自尊心を育てるのは難しい

自分が持っている自尊心がある程度理解できたら、今度は、「本来の自尊心」をどうやって手に入れて育てていけばいいのか?という課題が出てきます。

繰返しになりますが、
「本来の自尊心」は、自分が持っている「自己理想(なりたい姿)」に照らしてみて、自分の活動がそれを追求していっているというかどうかを自分で評価することでできあがるものです。

そして、外からの評価に左右されない自分らしさや、自分の独自性を目指して進んでいくことによって育まれるものです。
 
でも、現代の社会では、常に他の人との比較や競争、そしてその結果に基づく評価がされています。なので自己理想に基づく自尊心は、なかなか意識することができないというのが現実の私たちの姿なんだそうです。
 
…厄介ですね。

✿本来の自尊心を持つためにどうすればいいのか?

では、本来の自尊心を持つために私たちはどうすればいいのでしょうか?
向後先生は「健全な自己概念を持つ」ことだと言っています。

健全な自己概念を持つって?

では、「健全な自己概念を持つ」ということはどういうことなのでしょうか?

ここで、すこし用語のおさらいをしましょう。

  • 自己概念とは・・・「自己理想に対しての、現在の自分についてのイメージ」のことでした。
  • 自己理想とは・・・理想的な自分のイメージ。そして、自己理想は永遠に到達できないものでした。
  • 劣等感とは・・・自己理想を追求していく中で、今の自分が劣っていると感じることにより起きるものでした。

向後先生によると、
健全な自己概念を持つために大事なことは、理想の自分と現在の自分を比べて起きる「自分はまだまだだ、でもそこそこ良くやっている」という感覚を受け入れることなのだそうです。

ですので、他人と自分を比べて起きる「優越コンプレックス」や「劣等コンプレックス」による自己概念は違うということですね。

そして、
健全な自己概念を持つことは、 
理想の自分と現在の自分を比べて起きる「自分はまだまだだ、でもそこそこ良くやっている」という感覚を受け入れた自分のイメージ を持つこと。
ということになりますね。

「健全な自己概念」を、「等身大の自分」「ありのままの自分」という言葉に置き換えるとわかりやすい人もいるかもしれません。

「理想の自分にはまだまだだけど、それに向かって努力している私でいいんだ〜 」と自然に思えるようになると、他人と比較することもなくなり、それにともなって失敗を恐れることもなくなりそうですよね。

ここまでの話をまとめると、
「健全な自己概念を持つ」ことによって、他人と比べることなく、自分のやり方、自分のペースで自己理想を追い求めていく。そして、そのことを「今の自分は努力している過程にあり、それによって成長している」と感じられることで、本来の自尊心が育まれていく
ということになるということですね。
 

✿健全な自己概念を持ち自尊心を高めるコツ

ここからは僕の考えになります。
健全な自己概念を持ち、本来の自尊心を育むには、とにかく他人と比べることを止めなければなりません。他人と比べない代わりに、なりたい自分のイメージをしっかりと持つことが必要になってきます。

ただ、「なりたい自分のイメージを持て」といきなり言われても、そう簡単に持てるものでもないかと思います。しかし、「なりたい自分のイメージを持つ」ことに最適な方法があります。それは、また別の日にお話したいと思います。笑

他には、完璧を求めすぎないこと、ミスを許せるようになることがあります。これは、先述した、「自分はまだまだだ、でもそこそこ良くやっている」という感覚(劣等感)を受け入れることにより可能になると思います。

そして、人生を振り返って、「完璧でなかったけどうまくいっていること」「ミスったけどうまくいったこと」などを思い出して書き出してみると、案外、うまくやってこれたことに気付き、「完璧でなくてもいいんだ〜」「ミスってもいいんだ〜」と思えるようになるかもしれません。

✿最後に

「本来の自尊心」と、それを持ち育むために必要な「健全な自己概念」を持つためには、常に他の人との比較や競争、そしてその結果に基づく評価がされている現代社会においては難しさがつきまといます。

しかし、ここ数年に渡りアドラー心理学が注目を浴び続けているということは、少なからず、その難題に挑もうとする人が増えていっているということが言えると思います。そして、その人達が増えていくに従って、現代社会の様子も変わってくるのではないでしょうか。

僕も難題に挑む一人として、「本来の自尊心」と、それを持ち育むために必要な「健全な自己概念」を持ち続けるための取り組みを続けていき、少しでも多くこのブログを通じてお伝えしていければと思います。

✿劣等感についての記事はこちらをどうぞ

kokoronokawamuki.hatenadiary.jp

 

✿向後先生の書籍紹介

はじめにも書きましたが、向後先生のアドラー本は本当にわかりやすくオススメです。僕は岸見一郎先生の『嫌われる勇気』でアドラーに初めて触れましたが、きちんとアドラーの理論を実践できるようになったのは、向後先生の本でした。さすがは、現場で「教えること」を教えている先生だけあります。
最新刊の『幸せな劣等感: アドラー心理学〈実践編〉』も良いですが、アドラーに初めて触れられるという方には、『人生の迷いが消える アドラー心理学のススメ』か『コミックでわかるアドラー心理学』をオススメします!
向後先生の本からアドラーに触れて、幸せに生きるエッセンスを日常生活に取り入れて、豊かな人生を送っていきませんか?

 

幸せな劣等感: アドラー心理学〈実践編〉 (小学館新書)

幸せな劣等感: アドラー心理学〈実践編〉 (小学館新書)

 
人生の迷いが消える アドラー心理学のススメ

人生の迷いが消える アドラー心理学のススメ

 
アドラー“実践

アドラー“実践"講義 幸せに生きる (知の扉)

 
コミックでわかるアドラー心理学

コミックでわかるアドラー心理学

 

この記事の参考文献:
『幸せな劣等感 アドラー心理学〈実践編〉』向後千春 著

蓮池町通電停前のセブン○レブンのおばちゃんがコンプリメントの達人だった話

少し前に、SFAのコンプリメントについての記事を投稿しました。それから少しして日常でコンプリメントにまつわるこんなエピソードに出会いましたので紹介しますね。
 
先日、高知市民のほぼ誰もが知っている、あのルイ・ヴィトンを乗っ取った(笑)コンビニに立ち寄った時のお話です。
 

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参照:http://bit.ly/2rMdFjp

 

「県外の方ですか?」
レジで精算をしようとした時におばちゃんに声をかけられました。

「いえいえ、高知県人ですが、県外に長くいたもので^_^」
と僕。

「いやぁ、言葉遣いがキレイやから、てっきり県外の人かと思いましたー。高知の人はもっとがいな(きつい)感じやき。」
とおばちゃん。

「そうですか!?意識したことなかったです。」
と僕。

「でも、それ続けて下さいね! すごく丁寧で感じが良いので^_^」
とおばちゃん。

いやぁ、素直に嬉しかったなぁ。

なんか毎日これと言って意識することなく、フツーに当たり前にやってることを称賛されるって新鮮だったし、むしろ砕けた喋り方ができないことがコンプレックスだったくらいなので。

毎日たくさんの類のお客さんの相手をしている人から言われた訳やから、ポジティブに受け止めて自信もってええんやなという気持ちになり、自分の喋り方で相手に良い影響を与えられたって凄いことやなって自画自賛しました。笑

そして、
別に砕けた喋り方ができなくても、今のままで良くて、決してネガティヴに捉える必要もないんだな、
ということに気づく。

その後出勤した職場では普段よりも丁寧に職員さんと接する僕の姿がありました。笑


すっかり、おばちゃんにがっつりコンプリメントされました!

おばちゃんのおかげで、その人が当たり前だと思っていることは、他人からみると当たり前ではない特別なことである場合があるということを再認識。

そして、そこを見逃さないで、つまみ出して相手に伝えられるかがコンプリメントの鍵やなと思いました。


そして、おばちゃんのように
「それ続けて下さいね!」
とひと言付け加えるだけで、コンプリメントを強化させることができるということも。

人の気持ちを元気にさせるコンプリメントの力を身を以て体験したおかげで、おばちゃんに負けずますますコンプリメントを実践していこうと思います。

ちなみにコンプリメントとは称賛やねぎらいの言葉をかけること。

コンプリメントについてはこちらを読んでみてくださいね。
 

kokoronokawamuki.hatenadiary.jp

 

 

 

 
 

「劣等感は悪くない!」アドラー心理学の第一人者から教わった劣等感との付き合い方

産業カウンセラー四国支部愛媛県松山市)で開催された、アドラー心理学講座を受講してきました!
 

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講師はアドラー心理学の第一人者、早稲田大学の向後千春先生!
 
向後先生のアドラー解説は、先生の著書を読んでもわかるように本当に解りやすく実践に落とし込みやすいのが特徴です。
 
ちなみに向後先生によると、アドラー心理学の中心的概念は、
  1. 劣等感
  2. ライフスタイル
  3. 共同体感覚
とのこと。
 
今回の講座では、主に「劣等感」と「ライフスタイル」について重点的に学ぶ内容になりました。
 
それではさっそく、劣等感についての部分を振り返っていきます!
 
 

✿劣等感は悪いものではない!

アドラー心理学において劣等感は、
「理想の自分から比べれば、今の自分はたしかに劣っている。その時に感じる感覚」
という意味であり、ネガティブや後ろ向きという感じではないとされます。
 
劣等感を理解するためには次の3つの言葉を知っておく必要があります。
・自己理想(Self-ideal):人には誰しもが持つ「なりたい自分のイメージ」。
・自己概念(Self-concept):現在の自分自身のイメージ。
・優越の追求:理想の状態を追求すること。向上したいと願うこと。
 

❀劣等感を感じるメカニズム

劣等感を感じるメカニズムはこうです。
 
私たちは、自己理想に対して、自分が現在のところどういう人間なのか、またどのくらいよくやっているかを常にモニターしています。そして、モニターした結果によって自己概念をつくり出しています。
 
現在の自分である自己概念から、なりたい自己である自己理想を目指して、優越を追求しているのが私たち。
 
自己理想のイメージは近づくことはあっても、それは永遠に実現するものではありません。だから私たちは常に自分が未熟であることを感じざるをえません。
 
この自分が未熟である感覚を「劣等感」とアドラーは名付けました。
 
ちなみに、自己理想は常に高いところにあるもので、それと自己概念を比べて劣等感を抱くのはごく当たり前のことなんだそうです。誰もがみな優れた自分を目指し、多かれ少なかれ劣等感を抱いて日々暮らしているとのことです。
 
・・・こういうふうに劣等感を捉えると、「劣等感は持っていていいんだ〜」と思えるようになりませんか? また、「初めから解消されることがない」と前向きな諦めをしておくことで、安心して劣等感を受け入れられるのではないでしょうか。少なくとも僕は安心感を得ることができました。 

❀劣等感は成長の素になる!

アドラーは成長に欠かせないものとして「補償」という行動を挙げています。
 
「補償」とは、私たちが劣等感を覚えた時、まだ未熟な自分を乗り越えようと考えて、なんらかの努力をすることです。補償という行動をして、なんとか自己理想に近づこうするわけです。
 
補償の内容は様々です。それは個人が自由に決めることができるもので、直接的に関係のある行為だけでなく、他の分野で努力したりすることも含まれます。
 
・・・自分の夢を実現するべく頑張ったけれど花開かず、別の職業で大成した人の話はよく聞きますが、まさにそういうことですね。
 

❀劣等感があるからこそ創造や貢献が生まれる

ここまでお読み頂いてだいたいおわかりかと思いますが、アドラー心理学における「劣等感」は、自分が持っている自己理想と現在の自己概念との比較において生じる感覚です。
 
向後先生は
「劣等感を覚えながら、自己理想に向かって、優越を追求していく中で、何かを創造したり、人や社会のために貢献するというような、社会的に意味のあることを成し遂げられるようになっていく」
と言っていました。
 
・・・この言葉を聞いて、ふと、料理研究科の小林カツ代さんが思い浮かびました。小林さんは、「どんなに忙しくても美味しいごはんを家族に食べさせたい」という思いを常にもっていたそうです。小林さんが家庭料理の世界に革命を起こした時短料理は、アドラー的に言えば、小林さんの自己理想の追求の過程で生まれてきたものであるということになりませんでしょうか。
 

✿他者との比較による劣等感は自分を苦しめる

一方で、劣等感を自己理想の追求としてではなく、他者との比較というかたちで追求するとどうなるのか。
 
「現在の自分と他の誰かを比較して、自分が劣っていると感じる感覚としての劣等感は、その人よりも自分が優秀であることを示さない限り解消されない」
と言っているそうです。
 
相手より自分が優秀であることを示すにはどうするのか?
その答えは、「相手と敵対して、相手に勝つこと」です。
 
でも、スポーツやゲームとは違い、日常場面で誰かと争って勝敗が明白に決まることはあまりない。そこで、見かけだけの「自分の優越」を作り出して、自分が相手よりも優れていて、勝っていることを示そうとします。
 
こういうことをアドラーは「優越コンプレックス」と名付けています。
 
優越コンプレックスにとらわれた人の行動の特徴は、常に「私はあなたよりも優れている」「私はあなたよりも強い」「私はあなたよりも幸せだ」ということを、言葉や態度で示し続けるのだそうです。
 
・・・う〜ん。ちょっと耳が痛いかも。以前の僕はそういうところあったかもしれないなぁと思いながらお話を聞いていました。そして、自分の身の回りにもそういう人いるなぁと。また、会社とかで若くして昇進した人に多かったりするかなとも思います。「偉くなった途端、人が変わった」と言われる人がこれかなと。
 
この反対で、常に相手より劣っていようとする「劣等コンプレックス」もあります。こちらは失敗することを恐れるがあまり、何かにつけて「自分はどうせやってもダメだから、やらない」と、優越の追求を回避し続けることです。もしかすると、ひきこもりの人たちには、「劣等コンプレックス」を持っている人が結構いるのかもしれません。
 
ちなみに、「優劣コンプレックス」「劣等コンプレックス」の人はともに、自分の課題から回避していることになります。本来は理想の自分に向かう為に努力するべきところを、それができていない訳ですから。
 

✿健全な劣等感を持つためにどうすればいいのか?

ここからは僕の考えなのですが、まずは自分の劣等感の出処を把握することが大事なのではないでしょうか。
 
「あぁ、自分はまだまだだな」と思った時に、それが、自己理想と比べてのものなのか、他者と比べてのものなのか、いちど振り返ってみることは大事だと思います。他者と比べ、自分に嘘をついて他者に勝つことばかりに力を注ぐ人生って疲れますよね。
 
また、自己理想が高すぎはしないか、検討することも必要です。自己理想が高すぎると、優越の追求の道のりにおける小さな進歩を見逃してしまいがちになります。「自分は、全然進歩できてない!」とか「自分はダメな奴だ」と自己否定をしてしまい、悪いことには他者との比較で優越を求める方へ進んでしまう危険性があると思います。
 
劣等感を抱くことでしんどい思いをしているのであれば、一度、自分自身と向き合うことがオススメですね。
 
そして、自己理想を再確認・再構築した上で、それへ向けて「一番簡単にできること」を考えてやってみる。それが、劣等感を成長のエネルギーに変えていく第一歩になるのではないかと思います。
 

✿最後に

今回の講座で、劣等感に対する認識がかなりポジティブなものに変わりました。自分の理想の姿と今の自分を比べて「まだまだだな」と思って、いろいろと試行錯誤を繰返すことはむしろ健康的なことなんだと思えるようになりました。
 
また、向後先生の「自己理想は自分が決めるもので、優越の追求の仕方やペースも全て自分が自由に決めていい」という言葉で、かなり気持ちが楽になりました。「誰のものでもない、自分の人生、好きなようにやっていっていいんだよ。」と背中を押してもらえた気がします。
 
劣等感を成長のエネルギーに変えて、これからも自己理想を追い求めていこうと思います!
 

✿向後先生の書籍紹介

はじめにも書きましたが、向後先生のアドラー本は本当にわかりやすくオススメです。僕は岸見一郎先生の『嫌われる勇気』でアドラーに初めて触れましたが、きちんとアドラーの理論を実践できるようになったのは、向後先生の本でした。さすがは、現場で「教えること」を教えている先生だけあります。
最新刊の『幸せな劣等感: アドラー心理学〈実践編〉』も良いですが、アドラーに初めて触れられるという方には、『人生の迷いが消える アドラー心理学のススメ』か『コミックでわかるアドラー心理学』をオススメします!
向後先生の本からアドラーに触れて、幸せに生きるエッセンスを日常生活に取り入れて、豊かな人生を送っていきませんか?

 

幸せな劣等感: アドラー心理学〈実践編〉 (小学館新書)

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人生の迷いが消える アドラー心理学のススメ

人生の迷いが消える アドラー心理学のススメ

 
アドラー“実践

アドラー“実践"講義 幸せに生きる (知の扉)

 
コミックでわかるアドラー心理学

コミックでわかるアドラー心理学

 

この記事の参考文献:
『幸せな劣等感 アドラー心理学〈実践編〉』向後千春 著

相手を元気にするコンプリメントをソリューションフォーカストアプローチセミナーで学んできた

4月から月イチで通っている、ソリューションフォーカストアプローチ(SFA)講座。先日、第2回目を受講してきました。

 

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※セミナー会場近くにある川沿いがとてもキレイでした!

 

第二回目のテーマはコンプリメント。

コンプリメントはSFAにおいてすごく大事なスキルとのこと。

では、さっそく振り返っていきましょう。 

 

 

✿コンプリメントとは?

「称賛」や「ねぎらい」のこと。

クライアントが元気になる、自己評価を高める言動(自信がつく言葉)を示します。

自己評価を高める言動の資源には個人的資質と過去の成功がなります。

 

話の中で、個人的資質や過去の成功を見出し、こちらから提示していくことで、クライアントの健康な部分を再認識し増幅してもらうことを一番の目的とします。

 

✿コンプリメントには3種類ある。

❀直接的コンプリメント

クライアントに対して肯定的評価、肯定的反応を示すことです。

例)辛い中よくここまでやってこられましたね。

☆来談者中心療法でも使用されるクライアントを労う言葉でもあります。

 

❀間接的コンプリメント

クライアントに肯定的なものを含む質問をすることです。

例)どうやって辛い中でこれほどのことができたのですか?

☆ここが来談者中心療法ではやらない部分です。SFAのコンプリメントではとても重要なところです。

 

❀セルフコンプリメント

クライアント自身が自分の力を述べることです。

例)(間接的コンプリメントを受けて)毎日、「明日は必ずやってくる、いつかきっと光が射す日がやってくる」と自分に言い聞かせて、過ごしてきたんです。

☆クライアントがポジティブな自分の体験を語ることができれば、セルフコンプリメントになり、さらにカウンセラーは「どこで、そのやり方を思いついたのですか?」などの間接的コンプリメントを続けていき、セルフコンプリメントを補強する。ここがSFAのカウンセリングの特徴的な流れとなります。

 

✿コンプリメントを使用する時は?

クライアントの反応に合わせて適宜。一回ではなく何度でも。

❀カウンセリングの冒頭からコンプリメントはできる。

例)「今日は遠いところよくお越しくださいました。」

  「雨降りしきる中、よくお越しくださいました。」

 

✿コンプリメントを行う上で気をつけること

・あくまでも「元気になってもらう」ために使うものであるということ。

・ヒットしないコンプリメントもある。ヒットしなければ他の長所を見つけていく。

・カウンセラー「いいな」と思ったことを言うこと。「お世辞」や「クライアントをコントロールする為」のものではない。

・クライアントと同等であること。クライアントと上下の関係になる「褒める」とは違う。

 

✿コンプリメントをするコツ

クライアントの良いところを虫眼鏡で探してピンセットでつまんで顕微鏡でみるようにするイメージだそうです。

 

☆相手をよく観察することが大事

例)「髪切ったね」と言ったその後に

  →似合っている→「似合っていますよ」と言う

  →似合っていない→「髪切ったね」で止める

 

☆クライアントのネガティブな発言の反対の言い方を考える。

例)「私は事務仕事しかできないんです。」

  →「〇〇さんは事務仕事ならできるのですね。」

  「私は臆病でして・・・」

  →「〇〇さんは慎重に物事を進められるんですね。」

↑クライアントがネガティブに捉えていることも見方を変えるとポジティブになるということへの気付きを促します。クライアントが気付けばセルフコンプリメントになります。

 

✿ロールプレイで実践する

この日も最後はロールプレイ。

今回はロールプレイの時間内で、「繰返し、要約、コンプリメント」を少々強引でも良いから入れることを目標に臨みました。

 

❀カウンセリングスタート時の決め台詞はこれ!

今日はここでどんなお話ができれば良いでしょうか?

→目的へ向けて焦点を当てる質問

 

原因よりも「どうなりたいのか」に焦点をあててカウンセリングを進めていくために、一番最初に必ずしたい質問だそうです。

 

❀ロールプレイをやっての感想。

直接的コンプリメントはしやすいが、間接的コンプリメントは産業カウンセラー養成講座では習わないものなので、やりにくさを感じながらのロールプレイにはなりました。猪野先生もおっしゃっていましたが、コンプリメントは普段のコミュニケーションの中でも使えるものなので、普段のコミュニケーションで直接的コンプリメントと間接的コンプリメントを使うようにしてみようと思います。とにかく、間接的コンプリメントはSFAのカウンセリングの成否に関わる重要なテクニックだと思うので、使いこなせるようにしたいですね。

 

✿最後に

コンプリメントはねぎらいや称賛の言葉。普段から使いこなせるようになれば対人関係もグッと良くなると思います。その為にも、普段から相手の言動や行動、価値観や考え方を細かく観察していくことが必要かな。それと、カウンセリングスタート時の「今日はどんなお話しができれば良いでしょうか?」はSFAだけでなく、他の場面にも使えそうです。

次回までの課題は、日常でたくさんコンプリメントをすること!コンプリメントマスターを目指して頑張ります!

「傾聴の基本」繰返しと要約の秘訣をソリューションフォーカストアプローチセミナーで学んできた

4月からソリューションフォーカストアプローチ(SFA)のセミナーへ月イチで通うことにしました!

講師は四国SFA高知の猪野久子先生。

桜満開の高知城の下を通って会場へ。

 

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思っていたよりもたくさん人が受講していて、会場は熱気でムンムン!猪野先生によると、産業カウンセラー協会主催で先生が登壇されたSFA講座が好評だったようで、産業カウンセラーの人からの申込みが多かったとのこと。もちろん、僕もその一人(笑)。先生のユーモアを交えた穏やかな語り口で、講座は終始和やかな雰囲気に包まれていました。

では、今回学んだことを忘れないうちに記録していきます!

 

✿ソリューションフォーカストアプローチ(SFA)とは?

SFAはブリーフ・セラピー(短期療法)のひとつ。ブリーフ・セラピーとは、短期の治療を目指しているのではなく、効率のよい治療を目指した結果、短期に解決することが多かったということからつけられた名称です。 

創始者は

・スティーブ・ディ・シェイザー

・インスー・キム・バーグ

のお二人。

多数の面接ビデオを分析して、解決に有効であった介入要素を帰納的に抽出し誕生したそうです。

 

✿SFAの良いところ

①疲れない。笑顔でクライエントと別れる。

②面接の回数が平均2.9回と短期。

③習得したスキルや質問を使えばできる。

☆この「習得したスキルや質問を使えばできる」という部分が魅力的で、カウンセリングとまでいかない、普段の仕事の中でちょっとした相談ごとに使えるなと感じました。リピーターの方で実際にそのような使い方をしている方もいらっしゃいました。

 

✿SFAにおけるカウンセラーの姿勢は?

カウンセラーは「知らない姿勢」でクライアントの話を聴く。そのためには自分の価値観を一旦脇に置くことが必要。

また、解決の方法を知っているのはクライアント自身であり、「クライアントは自分の生活の専門家である」ということを意識する。そのためにはクライエントの価値観を一旦受け止めることが必要。

そして、クライエントの話を聴きながらクリアに映像をうかべることができるなら「話を聴けていること」になり、映像をうかべることができないなら「話を聴けていない」状態であり、そのまま続けずにクライエントに訊くことが大事。 

☆「知らない姿勢」というのはフォーカシングやゲシュタルト療法のカウンセラーの姿勢と共通していると思いました。

 

✿SFAの特徴 

問題解決ではなく、解決構築に焦点をあてる!

原因を探ることに時間を費やすのではなく、解決した時について語っていただくことに時間を費やす。クライエントの健康な部分を増幅していく。

問題解決:問題を解決しようとするもの。

解決構築:問題をどうこうするのではなく解決した状態をつくっていくもの。

☆ここがSFAの特徴です。常に解決構築を意識しながら話を聴いていくことが、短期に解決することへとつながっていくわけですね。

 

✿SFAの聴き方①繰返し

目的:クライエントにわかってもらえたと思ってもらうことで関係をつくること

内容:クライエントが話した内容を繰返す。繰返す部分は、クライエントの言葉の最後の部分。

または、クライエントの話の中で感情が込められているフレーズ(キーワード)。

 

スムーズに繰返すコツ:繰り返しは独り言を言うようにするといい。

 

繰返しで気をつけること:感情を表す言葉に応答するロジャーズとは違う。事柄からクライエントの感情をカウンセラーが明確化することもあまりしない。

☆この「感情を表す言葉に応答しない」というのが、ロールプレイで一番ぎこちなさを感じました。でも、慣れてくるとこっちのほうが自然になるかも。

 

✿SFAの聴き方②要約

目的:クライエントにわかってもらえたと思ってもらうことで関係をつくること、話が途中で迷子にならないように確認する役割もある。

内容:クライエントが話した内容を、クライエントが大事にしていることやキーワード(感情が込められているフレーズ)を中心にまとめる。

☆産業カウンセラーの要約とほとんど同じだけど「クライエントが大事にしていること」とキーワード(感情が込められているフレーズ)を使うと決めておけば、たしかに要約を組み立てやすいなと思いました。

要約のタイミング:ダラダラと話が続いていきそうなら、一旦ストップをかけて要約をいれてもよい。キーワード(感情を込めて言った言葉)を使う。

もし、間違っていてもクライエントが修正してくれるので心配することはない。

☆要約はクライエントの言っていることと、カウンセラーが理解したことの確認の意味もあるので、要約をうまくできなくてクライエントが「違います」と言っても構わない。クイズではないということですよね。

 

✿SFAの聴き方③沈黙への対応

沈黙で困ったら、相手が最後に言った言葉を繰り返す。ただし、沈黙の意味をきちんと認識していくことは必要。

☆これは今までやったことが無かったので、チャンスがあればぜひトライしてみようと思います。

 

✿第一回目を終えた感想。

SFAは産業カウンセラー養成講座で学んだロジャーズと似たところと違うところがあり、ロールプレイでは違うところについてぎこちなさを強く感じました。

今回の講座で猪野先生は「いつも使ってない左手を使うイメージで望んでください」とおっしゃっておられました。普段の会話や、産業カウンセラーで学び染み付いているロジャーズの技法が右手なら、SFAの技法は左手。先生もロジャーズからSFAに来た時は、左手を使うぎこちなさを感じたとのことでした。

先生もはじめは僕と同じだったんだと思えると、トライする気持ちが高まります。これからロールプレイでは慣れてない左手を使うわけなので、失敗することを気にしないでやっていこうと思います。

まだ始まったばかりで技法も繰返しと要約しか習っていませんが、SFAのカウンセラーの聴く姿勢や技法は、僕に合っていると感じています。

 

来月はクライエントが元気になる、自己評価を高める言葉を伝えるコンプリメントを学ぶ予定です。それに向けて出された宿題が「自分をコンプリメントする言葉を100個書き出してくる」というもの。

相手の良さを知るには、まず自分の良さを知っておかないといけないということですね。来月も楽しみです。

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